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明日の風に吹かれて

日々の感じることを感じるままを綴っていきます。 明日が佳き日になりますように。

旅箪笥 芝点

2017年03月14日 17時36分27秒 | お茶
炭手前、旅箪笥に花点前

今日はなんか盛りだくさんだったなぁとの気分。


旅箪笥は、利休が秀吉の小田原攻めに同行した折、秀吉を労うために屋外でのお点前として考案されたとか。


普通は旅箪笥をそのまま使うが、そうすると水指が使えないので、箪笥の蓋を取り左横に立て掛けて仕舞うと、水指を地板いっぱいまで引き出す。
その後、中棚の棗を取り出す。





私は旅箪笥の中板を使った芝点を。
芝生や野外の草の上を想定したお点前なんだろう。
中板を取り出してしまうので、水指はそのままで使えることになる。


逆に水次の際は、普通は水指を前にまでは出さないが、芝点の場合は水指を全部棚からの出せ、と。





加えて茶箱を使った花点前。
十一代玄々斎が春に合わせて考案されたもので、雪点前とほぼ同じ道具組ながら掛合ではなく盆を使う。

拝見ありと拝見なしをせよ、とのことだったが、足も痺れて無理だろうから拝見ありだけに勘弁してもらった。


お茶碗を収める長緒袋の紐扱いを細かく何度も。これまでのいい加減さがバレる。



でも春の気分だ。
お軸は「桃季一渓春」




聚光院 特別公開

2017年03月07日 15時22分55秒 | お茶
聚光院
利休の菩提寺であり、表千家、裏千家、武者小路千家の代々の墓所。

昨年創建450年を迎えての特別公開。

聚光院そのものは利休忌などのお茶会で訪問したことはあるが、狩野永徳などの障壁画が京都国博から里帰りとのことなのでこの機会にと。





狩野永徳筆 国宝「花鳥図」
16面にわたる襖絵
襖4面に描かれた梅はさすが。力強く地面を鷲掴みにし、伸びる枝は一旦水面をくぐり更に伸びる。そのエネルギー。

正面右隅に描かれた岩にとまるセキレイは、右側の襖の空に飛ぶ一羽のセキレイを見る。これなどは横並び展示の博物館では味わえない。
これが24歳の作とは。


狩野永徳筆の国宝「琴棋書画図」
中国の士大夫が身につけるべきとされた四つの芸、それに興じる高師達。中世の禅僧たちが理想とした中国文人の世界を描くとのことだが、「花鳥図」とは全く異なる画法。


狩野松栄筆 国宝「瀟湘八景図」
永楽の父、松栄。山の市の賑わい、一日の漁を終え家路につく漁師などなど親しみやすく穏やかな印象。我が子の放つ才覚、エネルギーをどう感じていたんだろう?


茶室 重文「閑隠席」
表千家七代妙心斎が利休150回忌の際に寄進したといわれる三畳の茶室。点前座は一畳。
炉は上げ台目切で中柱を立てているが、この中柱がまっすぐ。
天井は落ち天井になり亭主の姿勢の低さを演出しているのだろうか。
窓は墨蹟窓(ぼくせきまど)と躙口上の連子窓の二つで光を抑制した造り。






茶室 重文「桝床席」
「閑隠席」のすぐ横にあるのが表千家九代了々斎が建てたと伝わる「桝床席」
四畳半茶室で隅の半畳が踏み込み式の床の間となっており、この半畳が正方形なことから「桝席」と呼ばれる。躙口はなく貴人口のみ。

「閑隠席」の続きでみたせいか、こんな四畳半でもすごい解放感を感じる。




水屋は「閑隠席」と「桝床席」で共有。


方丈 庭園「百積の庭」
永徳が下絵を描き利休が作庭したといわれる。中央に石橋があり、東西の直線上に呼び名の通り多くの苔むす石がゴロゴロと据えられている。
永徳による本堂襖絵「花鳥図」の雪解け水が庭に流れ込むというストーリーもあるらしい。 何を悟る?





写真はネットから

二畳隅炉  小間での建水の扱い

2017年03月06日 17時50分05秒 | お茶
二畳隅炉



二畳隅炉が好きだ
そんな小間での建水の持ち運び


普通は建水を持って茶室に入り、座って襖を閉め、建水を持って立ち、点前座に進んで座ることになる。

しかし亭主、正客それぞれが畳一枚の狭い空間。そんな狭い空間で客前で立ったり座ったりしていては落ち着かない話。


なので二畳では(ややうろ覚えだが)

まず建水を持って茶室に入り、座って襖を閉め、
そして襖に向かって座ったまま右手で建水を持ち、右膝を少し膝退する感じで大きく自分の右背中側、勝手付き側に手を伸ばし、良い位置に建水を置く。

次に、右手は膝に置き、左膝を少し膝退する感じで左手を背中側の畳に突く

その左手を中心に(てこにして)、身体を一気に身体を左回りにまわし、炉前に向き直る


なかなかスムーズにはいかないが...




「わび茶のすがた」@湯木美術館

2017年02月25日 17時03分13秒 | お茶
「わび茶のすがた」@湯木美術館


江戸時代中期を過ぎると茶の湯の普及に伴い、多様化、大衆化してきた。

ここに警鐘を鳴らしたのが表千家妙心斎宗左ら。そして七事式が制定された他、千家伝来の道具の整理などしていった。これらのことを通した江戸後期の千家茶道を考える催し。


黒茶碗 銘人丸 一燈宗室作
裏千家八代目宗室の作。茶碗全体がぐにゃ~と前のめりになったような形で、柿本人麻呂の肖像画を想像させる形状からの銘らしいが、一燈宗室自身の作というのが面白い。


鶏乃絵茶碗 保全作
保全作とあるが、仁清写し、京焼を思わせるもの。 


雲龍風炉 了全作
永楽十代 たっぷりした感覚


百拙元養作茶杓 銘「無事是貴人」
江戸時代の画僧百拙  すす竹で極めて細身


不休斎好甲赤茶器 一燈宗室在判
背が低く、丸みを帯びたデザイン、赤の色合いなど、当時としては斬新だったのでは?と感じる。


一閑張黒大棗 岸一閑作
その軽さはガラス越しにも伝わってくる一品


竹尺八花入 松平不昧作
やはり不昧自身も花入を作っていたんだと改めて確認。 細身の竹


出雲焼茶碗 銘鹿の子
不昧お膝元の出雲での焼き。 胴に浮き出た斑点が鹿の背を思わすことからの銘


黒筒茶碗 銘子猿 左入作
小ぶりな黒筒茶碗。 ひずんだ胴部、大胆なへら目、使い易そう。好きだな、


「神」 玄々斎宗室筆
やっぱり玄々斎の書はいい。 なんとも言えない品格、伸びやかさ。


大瓢手付炭斗 吸江斎千宗左作
瓢(ふくべ)で手付はごくごく稀なものだとのこと。瓢の茶道具は利休が創案したものらしい。


待合掛板 松平不昧筆
不昧独特の字体での掛板


茶杓 銘「吉日」 鵬雲斎作
えらく太目の茶杓  こういうセンスなんかな~


一番は玄々斎宗室筆の「神」かな


ざざっと江戸時代後期 18世紀から19世紀にかけての茶道具の雰囲気を味わう 




二畳隅炉

2017年02月16日 21時08分32秒 | お茶
二畳隅炉

お茶のお稽古
無理矢理仕切っての二畳隅炉





隅炉と言えば、利休が晩年に作った大山崎の国宝「待庵」が有名

亭主と正客がすぐ横に座り合い、お互いの息遣い、気持ちが伝わる感じ

その近さから「なぁ、利休殿〜」と話しかけたくなってしまう距離感だが、だけどそこは我慢して互いが心と心で対話していた、そんな妄想を掻き立てられる。


利休も、当初は「数奇屋風書院造」などの広間の茶座敷だった。

そして紹鴎四畳半をなぞり、手を加えていくが、亭主と客どの「直心の交わり」を求めるようになり二畳、一畳半になっていった、と。

いや、なんとなく利休の世界を感じたような気がした...
やってみて良かった。


あの「待庵」を作る時に利休は、大山崎に近い高槻城主であり利休七哲の一人とされる高山右近に柱などの材木を依頼している。

高山右近は柱として六本を提供し、そのうち一本は使用されたことは確か。

利休から高山右近宛の礼状が残っている。でもどこの柱であるかは不明..