フルスの音色はすばらしい。心を込めて吹いている。
フルスを吹くときは毎回初めてのような気持ちで吹く。
少数民族の心を伝える楽器フルスの魅力を「絶対に」伝えたい。
人差し指を立てられたのは「絶対に」という部分を
中国語で「一定(イーティン)」と言われた瞬間の表現である。
李春華先生は本論のフルスの魅力について語り始められた。
今やフルスの第一人者である李先生もフルスを吹くときは緊張される。毎回新しいことに挑戦するように音を探りながら表現していくのだそうだ。
特に雲南の少数民族のすばらしい音楽を吹くときにはフルスでしか出来ない音色と技法で伝えなければならない。フルスを吹くときには怖いほどだ。少数民族の心の深さを追求して表現したい、と言われる。
フルスが普及することは大変うれしい。そして、普及させる活動をする人に対して大変ありがたく思う。外国まで伝わるとなおうれしい。ただ、フルスは雲南の少数民族の民族楽器として広く普及させたいし、他の楽器と競争するような国際楽器になる必要はない。
最後の「国際楽器になる必要はない」というところについては別に私の私見があるので、この件に関してはまた別に記事を載せたいと思う。
とにかくほとんど分からない中国語の話しぶりや手振り身振りの表現から先生のフルスに対する情熱と愛情がひしひしと伝わってくるお話であった。