一人の日本の老人が………
新聞の見出しはこうである。
………尹成宝一家が中央テレビ局の「楽しい家族」に出演後、フルスの技術の名声が遠くに広まる。………
「一人の日本人老人が尹成宝を訪ね、弟子となった。」
これは、泰安の「泰山朝刊」に載った記事である。
何を隠そう、「一人の日本の老人」とは私のこと。ネット上では「ただのおじさん」と呼んで頂いているが、現実は「ただのおじいさん」である。
日本人がフルスを習うのはよほど珍しいのであろう。この町の標準的な地方紙に取り上げてもらったのだ。
前にも述べたが、私のフルスの先生である尹成宝先生は北京のコンクールで優勝されたあと、北京で家族でテレビに出演された。尹先生の他、奥さん、娘さん、息子さん、奥さんのお父さんとみんなフルスの演奏をされたそうだ。
その放送は12月28日にCCTV(中央電子台3チャンネル)で放映されるそうだ。私の部屋のテレビには映らないので、DVDを頂く事になっている。
尹先生のテレビ出演への取材の時に、私の話が出て、このたびの私への取材になったらしい。
そういえば、尹先生のレッスンの時には、いつもお客さんが一緒に来られる。親戚の人だったり、音楽の先生だったり………。実は今回はそれが、新聞記者さんだったのだ。
ひょっとしたら、私は先生の成績優秀な自慢の弟子だったりして………。
私は練習の時、いつも「フルスが、日本に広まって、尹先生など中国の演奏家が日本で演奏活動を出来るような日がきっと来ますよ。」と、
言って、先生にも期待している。
私にとっても尹先生は自慢の先生である。