開講式。不安な表情。
閉講式。希望に満ちた表情。
このブログはフルスがテーマだからフルスのことばかり書いているが、私がフルスと出会えたのは中国で日本に行く研修生たちに日本語を教えるようになったからこそである。
今回も2ヶ月半ぐらいの日程で日本語を教えて、その任務を果たすことが出来た。
2枚の写真を見てほしい。上は開講式の時の写真で、下が閉講式の時の写真である。まるで、小さい子供が泣き出す前とほめられたあとの表情である。
どちらも日本語による私の挨拶があるのだが、開講式の時は全く分からない私の話が、閉講式の時には完全に分かる。もっとも、分かる言葉で話すからではあるが………。
彼らはこのあと、すぐに日本に渡り、日本の研修施設でさらに1ヶ月の日本語研修を受けた後、各職場へ別れていく。そこでまた、日本語山脈の深い谷底に突き落とされるのであるが、ここでの基礎があるので、1年ほどたてば割と展望のよい日本語山に登ることができる。それから先は本人の努力と能力次第だが、3年間の研修を終える頃は まれに日本語検定1級の最高峰に登頂できる者もいる。実は三年前に教えた研修生の一人が1級に合格して中国に帰ってきたと聞いて気をよくしているところだ。日本語検定1級合格は中国の大学の日本語学科の学生の目標でもあるが、これを到達するのはなかなか難しい。
今回の研修生は全部関東地方に行く研修生だった。彼らはみんな一生懸命に日本語の勉強をして意欲満々で日本へ出発した。同時に私も任務を終え、日本に帰った。この研修生に限らず、中国人研修生は大きな夢と希望を持って日本へ来ているので、研修生を見かけられたら温かく見守って頂きたい。
平和のもとである国際理解はこういうところから始まると思う。