読み進むにつれて秘図が題名そのものとなってくる。最初は秘宝の在り処でも書いた地図でも出てくるのかなと思っていたが、中巻でそれが出て何を指すのか明らかになる。それは秘戯図・・・。こと細やかな男と女の情景を描く主人公の徳山五兵衛は、作者池波正太郎の体験のように思えてならない。物語の芯になる幼少期から自分の死を悟るまでのストーリーにはぐっと来てしまう。年だねぇ・・。