音盤工房

活字中毒&ベルボトムガール音楽漂流記

僕の恋人、ELECOMのマウスちゃん

2009年07月31日 | インポート

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 今まで使っていたノートパソコンが最近どうもおかしい。起動に時間がかかるし、すぐにフリーズしてしまう。これまで何度原稿を無駄にしたかわからない。

 電子的に書いた原稿という代物は一度ふいにするとなかなか再現が難しい。特に僕はメモなんか取るような几帳面さは持ち合わせていないので、リライトはまず不可能。

 ということで、思い切って2台目を購入した。データーは外付けのハードディスクに転送し、無事引越しを終えた。ハードディスクも最近では安価に手に入れやすくなっている。お薦めは、Logitec社製ポータブルHD。耐衝撃性に優れ、保存容量も桁外れ。僕が購入したのは320GBのLHD-PBF320U2SVだけれど、最大500GBもある。

Logitec USB外付型ポータブルHD 320GB シルバー LHD-PBF320U2SV Logitec USB外付型ポータブルHD 320GB シルバー LHD-PBF320U2SV
価格:¥ 24,360(税込)
発売日:2008-06-20

 ついでにマウスも煩わしいコード付きはやめて、ワイヤレスマウスに変えた。これが想像以上に使い勝手がいい。どんなふうにいいかと言うと、まず縦横のスクロールがスムーズに行えること。それと適度な重量感。お薦めは、ELECOMM-P2DURシリーズ。このマウスの形が手のひらにしっくり来る(写真上)。

ELECOM PRUMIEワイヤレスマウス M-P1DURWH ELECOM PRUMIEワイヤレスマウス M-P1DURWH
価格:¥ 4,631(税込)
発売日:2007-02-16

 どうですか、このマウスのヒップライン。陶器のようにすべすべでしょう。それになによりも値段がリーズナブルなんだよね。

 マウスパッドも色々試したけど、同じELECOM社製のシリコン素材のものに落ち着いている。お薦めは、MP-081シリーズ。なぜシリコン素材がいいかと言うと、シリコンの特性を活かした吸着性でパッドがデスクにぴったりフィットする。ELECOM社製のマウスパッドはほかにも独自のスクエア(=ドット加工)がマウスの誤動作を低減するのでポイントが狙いやすい利点がある。

ELECOM MP-081BU マウスパッド ELECOM MP-081BU マウスパッド
価格:¥ 2,100(税込)
発売日:

 でも、こんなに環境を良くしても使っている人物が同じなので、更新率が上がるわけでもなく、相変わらずマイペースで更新し続けることになんら変わりはないのだが。


貧乳と小尻

2009年07月30日 | インポート

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 今回のタイトルを「貧乳と小尻」としたのは、最後まで読んでいただければわかると思いますが、たいして感動する話ではないので初めにことわっておきます。

 それにしてもこのタイトルにしたことで、ここに訪問された女性のなかには露骨に不快感を示す人がきっといるんだろうなぁ、と思ったりして、今でも後悔半分、冒険心半分の気持ちでいます。

 さて、今回も『SHINE A LIGHT』の話題を交えながらいつものように戯言を喋りますので何卒、お付き合いを―。

 映画は一度しか観ませんでしたが、DVDの方はもう数回みた後での感想を言わせて貰えば、この映画、ミックのコメントでは『A Bigger Bang』ツアーの映画化の意向だったようですが、アイデアは殆どマーティン・スコセッシ監督が出したようですね。出来上がったものはミックの考えていたものとはかなり違っていたみたい。

 この辺は本編を観ればわかると思いますが、ミックは『Let's Spend The Night Togther 』みたいにもっと大掛かりなスタジアムでのLIVE映画を期待していたんでしょうかね。

 ビーコンシアターで撮るというのが、心憎いというか洒落てますね。彼の頭の中にはストーンズをもっと間近に感じたいという考えがあったのだろうと思います。そして広角カメラで撮ることでより臨場感を出したかった。ミックやほかのメンバーにしてみたら単にライヴの副産物としか考えなかったものが、スコセッシには明らかに後世に「遺す」という意図があったように見受けられます。

 ミックもその辺を理解していたかどうかはわからないけれど、渡されたセットリストは往年のヒット曲は勿論、あまりライヴではやらないレアな曲をバランスよくちりばめていた。なかでも80年代の曲を盛んにピックアップしていたのには驚いた。ライヴでは定番の「Miss You」や「Honky Tonk Women」がリストから外されていたのも興味深い。

 一際眼を惹いたのは『A Bigger Bang』ツアーでも披露したキースが歌う「Little T&A」がレパートリーにはいっていたこと。『Tattoo You』でもっとも僕が気に入っている曲が、これ。解説書にはT&Aは、あそこのことと書いてあったけど、あそこって、なんだ? まだ、子供だった僕は当時、その淫靡な言葉の響きにどきどきしたもんだけど、「T」は、つまりTITS (おっぱい)と訳し、「A」はつまり、ASSES(お尻)のことだとわかると、胸膨らせながら週刊誌の袋とじを開けるような昂揚が、開けてしまった途端、落胆に変わっていくような遣る瀬無い感覚を味わったのをつい昨日のように思い出す。

 いずれにしても、キースが歌うこの曲をDVDで観た時は感動だった。スタジオ盤ではチャック・ベリーのようにタイトなロックンロールだったのに、それから、四半世紀経って同じ曲がフランク・シナトラみたいに渋くなっていた時の瞬間をまざまざとみせられ、ああ、ロックンロールも歳を取っていくんだなぁと思った。そんなロックの名盤を今夜も聴いている。

 でもこのアルバムが今日に限っていつもと違うのは音質の良いSHM-CD盤で聴いているからだ。このアルバムはLP盤でも持っているから今回で同じアルバムを3枚持っていることになる。ファンでもなんでもない人にとっては、なんて無駄なことを…と思われているかもしれないけれど、これがファンの習性、宿命というものかもしれない。ちなみに表はこんな具合↓ で、

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 応募券を13枚集めて応募すると、日本特製の収納ボックスが当たるステッカーが袋に貼り付けてある。そして裏はどうかというと、こちらもLP盤と同じキースのアップのデザインとなっている。

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 キース曰く、「アルバムデザインはどんどんひどくなっていくけど、レコーディングは着実に巧くなっている」、といっているように『Tattoo You』はこの時点でのグリーマーツインズの数ある仕事のなかでも、かなりな自信作といえたであろうし、このアルバムからの代表作も多い。僕も大好きな一枚である。

  それでは、映画『SHINE A LIGHT』の番外編。本編とは別に特典映像として収められていた「Little T&A」。ストーンズ風に和訳するともっといかした感じになるのだろうけれど、そこは僕のブログということで、もっと下品に貧乳と小尻のロックンロール!(笑)。


パット・ベネター、ブルースを歌う

2009年07月29日 | インポート

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 常識を打ち破る快挙というのは数多あるけれど、彼女ほど語り継がれる女性ロッカーはいないんじゃないのかな。パット・ベネター。実に4度もグラミー賞を受賞し、ジャニス・ジョプリン以来の存在感を表した。彼女はまだまだ女性ロッカーの少なかった1970年代に活動を始め、1980年代になると一躍脚光を浴び、瞬く間にトップミュージシャンの仲間入りを果たした。

 当時彼女の音楽は、パワーポップとも呼ばれ、ジャニス系譜のロックからは一線を画するロックスタイルだった。パット・ベネターの登場が多くの女性ハードロッカーに与えた影響は計り知れない。

True Love

 そんな彼女が1991年に『True Love』というこれまでの路線とは打って変わってブルース色の強いアルバムを発表した。これには僕も驚いたが、彼女の音楽の多様性やヴォーカリストとしての才能を考えるとそれほど俄か的なアルバムでもなかったかもしれない。

 パット・ベネターは今年56歳になる。しかし、とてもそんな年齢には見えない若さと美貌を保っている。その秘訣はきっと愛する夫ニール・ジェラルドがいつもそばにいるからではないだろうか。

 もっとも夫婦喧嘩は豪快で、怒ると夫に靴を投げつけたりするらしい。妊娠中にもかかわらず、『Tropico』のレコーディングに臨んだり、大きなお腹にオーバーオールを着てPVにも出ていたそうだから、そのパワフルな伝説は留まるところを知らない。家庭でもLIVEでもロック魂を持ち続けるパット・ベネターは正真正銘のロックの女王だ。


さよなら、山田辰夫さん

2009年07月28日 | インポート

 またひとり僕の好きな俳優が亡くなった。知ったのは今朝のニュースでであった。本当に悲しいとき、人はまず、呆然となる。そして、続いて、なぜこの人が…という疑問符と、どうしょうもない怒りが湧き起こる。そしてそれが静まると、やがて深い喪失感が訪れる。

 忌野清志郎のときもそうだったように、山田辰夫さんが亡くなったときにも似たような感情が僕の中で錯綜していた。山田辰夫さんをはじめてみたのは長渕剛が主演していたTVドラマであった。その頃からガリっと痩せて見るからに脆弱な印象であったが、その存在たるや主演者を凌ぐほどだった。

 最近観た『おくりびと』では納棺師という職業に偏見を持つ人物を演じていた。出番はそんなになかったのに彼が現れると、映画自体が急に引き締まって見えた。僕は彼のどこかすれたような演技と内側から沸いてくる人の優しさみたいなものにずっと憧れていた。

 またひとり、日本の映画界から貴重な俳優が消えてしまった。もしももっと長生きして俳優を続けることができたら、どんな俳優になっていたのだろう。ある種の悲壮感を漂わせながら瞳の奥はとても暖かな光を湛えていた、山田辰夫という俳優を一生僕は忘れないだろう。心より冥福をお祈りする。


そこのけそこのけストーンズ様が通る

2009年07月27日 | インポート

 諸君は、映画『SHINE A LIGHT』のDVDはもう観ただろうか? 映画館で観た人も観なかった人もロック史の生き証人であることには間違いない。これは過去のストーンズライヴの中でも秀逸だ。映画だというわけではないが、とてもカメラワークがきめ細やかだ。メンバーひとりひとりを捉えた移動カメラはメンバーにぶつかりそうになるくらい肉薄する。

 前半のドキュメンタリー映像は、ミックとスコセッシとの舌戦。まぁ、こんなのもあるから映画なんだろうけど、観ているほうはこの焦らせる演出にイラつく。本当にミックとスコセッシはこんなにやりあってたの? だとしたらミックはスコセッシに何もかも主導権を握られるのを嫌ってわざとセットリストを渡すのを遅らせたのかな。元アメリカ大統領のビル・クリントンやその家族の前ではメンバーはとても紳士に振舞っていた。

 それにしてもミックはリップサーヴィスが巧くなったよな。キースは相変わらず皮肉たっぷりで、チャーリーは思わず本音をこぼす。ロニーはいつも飄々としてにこやかに話す。ステージが始まる前のストーンズはいつもこんな風にリラックスしていてとても数時間のライヴをこなす体力があるとは思えない。これこそが、40年以上もロックンロールに君臨し続けたバンドの本領なのか。

アンダーカヴァー(初回受注完全生産限定)

 この映画では本編には『UNDERCOVER』からの選曲は「SHE WAS HOT」の一曲だったけど、特典映像では「UNDERCOVER OF THE NIGHT」が収録されていた。これが嬉しい限り。それで最近買ったSHM-CD盤『UNDERCOVER』でもう一度スタジオ録音を聴き直してみたのさ。音は格段に進歩した感じだけど、僕が持っているのは、ヴァージン・レーベルのリマスター盤だからSHM-CD盤と聴き比べてもさほど遜色は感じられんね。

 けど、凪と荒波の違いはないにしても、今後どちらを聴くかとなると迷わず、SHM-CD盤を選ぶな、確かに。 『UNDERCOVER』の発売当時はこのアルバムに対する評価は賛否両論があったが、僕は当時からずっと大好きなアルバムだった。人呼んで、「血と暴力とセックスのロックアルバム」。まさしくロックンロールの王道。緩んだ時世に喝を入れるダークなアルバムだった。このアルバムから実に二曲の選曲は意外だったな。

 振り返ると僕はストーンズがツアーに出るための口実として作るスタジオアルバムを聴き、ツアーDVDを見るたびに過去のアルバムを聴き直している。そうして、あるときは少年になったり、町工場で働いていたときの自分に戻ったり、愛する女とキスをしたときの淡い想い出をつい最近のことのように思い出す。

 そこに『UNDERCOVER』もある。このアルバムが発売されたとき、僕は何をしていただろうか。おそらく、僕は「UNDERCOVER OF THE NIGHT」のPVが流されるMTVを齧りつくように弟とみていたような気がする。僕が二十歳で、弟が十八歳だった。二人とも若かった。