音盤工房

活字中毒&ベルボトムガール音楽漂流記

今年一番のお気に入りを聖夜に聴く

2009年12月24日 | インポート

Anastacia3

 皆さん、Merry Xmasダス!
 今頃世界中にいるサンタさんが大好きな子供たちにあげるプレゼントをせっせと袋に詰めている頃、かつてそんなプレゼントを楽しみにしていた大人たちはいったいこの夜をどんなふうに過ごしているのだろうか。

 僕の家には暖炉はないから勿論大きな煙突もない。そんな状況でサンタさんはいったいどこから忍び込むのだろう。当時は随分そんなことを気に病んだものだが、冷静に考えると「忍び込む」ということは俗世間ではこういうのを住居不法侵入というのではないのだろうか。

 ということはサンタさんはそんな危険な犯罪を犯してまで世界中の子供たちにプレゼントを届けている訳で、子供の頃に両親が話してくれたこの御伽噺は、ほんとうは非常に作意に満ちた矛盾だらけのお話だったのではなかろうかと思うわけであります。

 概ね、日本ではクリスマスに家族でパーティーを開き、クリスマスケーキを食べ、この日ばかりは子供たちへの飲酒が解禁となるらしいです。そしてこの日ばかりは子供たちは親たちへの無礼講が許されて、日頃の不満をぶちまけるわけだそうです、ほんとかいな。

 もうひとつのパターンとしては若いカップルが、この日(聖夜)に、共に一夜を過ごして慌ただしく×××で×××をしちゃうようです。しかし、場合によってはこのときの出来事が原因で別れてしまうカップルもいるそうで、世の中はわからないことばかりですね。

 特に我が家ではクリスマスだからって格別普段となにも変わりはないのですが、サンタクロースが実は両親だとわかった頃から、クリスマス・プレゼントは特に期待しなくなりました。

 朝方、目覚めると確かに靴下の中にいっぱいプレゼントが詰め込まれているわけですが、煙突がないことを気に病んでいた子供が一晩中眠れず、部屋に誰かが忍んできたことに気づいても寝たふりをして、そっと薄目を開けてことの一部始終を見ていたことにも親は気づかないのです。それを暴いていいか悪いか悩み翌朝になっても結果的にいわなかったのは、子供なりの気遣いだったのかなと思うわけです。

 ところで話しは変わりますが、前回書かせていただいた記事のなかで、ジョス・ストーンの新作『Colour Me Free!(カラーミー・フリー!)』についてすこしばかり触れましたが、この収録曲の「Stalemate(ステイルメイト)」についてちょっと今回は掘り下げて書きたいと思います。

 オリジナルは、ベンズ・ブラザー(BEN’S BROTHER)の『Battling Giants』に収録されています。歌っているのはバンドの中心人物でもあるジェイミー・ハートマン。『Colour Me Free!』でジョス・ストーンと競演している人物で、ロッド・スチュワートばりのハスキーなヴォーカルで聴かせてくれます。

 この曲については、ジョス・ストーン・ヴァージョンもよかったですが、アナスタシア・ヴァージョンもなかなかなものです。シンガーの素晴らしさは勿論いうまでもなく、楽曲の完成度にも注目したいと思います。

 「Stalemate」とはチェス用語で「引き分け」を意味するらしい。ジェイミー・ハートマンとアナスタシアが歌う「Stalemate」は、ロックのKINGとQUEENが対峙しているような錯覚を覚える。聖夜に聴くに相応しい大人の究極のクールなLOVE SONGだ。

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リアーナが”禁断”のアルバムを発表した

2009年12月21日 | インポート

Rihanna_3

 11月に入ってからというもの世界的歌姫たちの怒涛のリリースラッシュが続いている。

 ノラ・ジョーンズの4作目となる『ザ・フォール』を皮切りに、ジョス・ストーンの『カラー・ミー・フリー!』、それにリアーナまでもが久々となる最新作を発表、音楽業界もクリスマス商戦を狙って俄かに賑やかになってきた。

 ノラ・ジョーンズとジョス・ストーンの新作はここ一月ばかりになるがずっと車の中で聴きまくっていた。
 ノラ・ジョーンズの『ザ・フォール』は実をいうとかなり期待はしていたのだが、ハンサム・バンドのサウンドを母体に相変わらず、ジャズやカントリーの不思議な融合が特徴的な従来のサウンドからはそれほど逸脱していないことに少しばかりホッとしている。
 シングル・カットされた「チェイシング・パイレーツ」はキース・リチャーズが出演していた映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』をふと髣髴させてしまう海賊繫がりとなる楽曲。もちろん、意識して作ったとは思えないけれど、ノラ・ジョーンズはストーンズ・プロジェクトにも参加していてアルバムでは「ワイルド・ホース」で素晴らしいヴォーカルを披露した間柄。
 ストーンズ、特にキースとは親交が篤い。だから自然と関連のある曲だと妙な勘繰りをしてしまうのだ。
 ジョス・ストーンの新作は思っていたより、ブラック・テイストに作られている。確実に初期のクラッシック・ソウルの趣のある楽曲が目立っている。
 このひとの歌や曲を聴いていると、過去のソウルの名曲を聴きたくなるから不思議だ。外見からは想像もできない野太い歌声だけど、実は、若くて美しい女の子なんだよね。
 アルバムのなかで一番気に入っているのは、ジェイミー・ハートマンとデュエットしている「ステイルメイト」。思わず感涙ものの素晴らしい曲だ!
 ジャケット・デザインはどんどんひどくなってくるけれど、肝心な音楽がこんなにぶれずに芯がしっかりしているのは、さすが。
R指定(初回限定低価格盤) R指定(初回限定低価格盤)
価格:¥ 1,980(税込)
発売日:2009-11-25
 そして…リアーナの新作になるのだが、どうも今回も前評判どおりの出来に仕上がっているらしい。
  まだ聴いていなくてこれから聴くのが楽しみな一枚。新作のタイトルが『R指定』なんていうのも、エロスたっぷりのリアーナらしい。ながらくセックス・シンボル不在のミュージックシーンにあって、リアーナは久々に現れたトータル的な魅力を持つ歌姫なんだろうね。

最近は…

2009年12月20日 | インポート

 つい数日前に豊岡でも初雪が降った。盆地に囲まれたこの地域は夏は暑いし、冬もめっぽう寒い。同じ兵庫県でも南部は氷点下になる日はそんなにないと聞いた覚えがあるが、但馬地方は冬には必ずスタッドレスタイヤは必需品なんだぞ、と加古川に住んでいる女友達にそんな話をすると「スタッドレスタイヤって何?」と逆に訊かれてなんとなく恥ずかしくなった覚えがある。そんな田舎に住んでいるのかと思われたくなかったので説明するのに非常に骨が折れた。

 びゅーびゅーと北風が吹き、冬将軍が突如現れる。そんなものがいるのかどうかさえ僕にはわからないけれど、確かに、冬に雪が降ると、不思議とロマンチックな思いに駆られる。これはこういった土地柄特有のものだろう。子供の頃には冬には必ず豪雪となった。それでも積雪が膝近くあろうが、当然のように休校にはならず、誰かがつけた長靴の足跡を辿るように踏みしめ学校に通ったものだ。

 近年はあまり雪も降らなくなったが、冬の寒さが年々骨身に凍みるようになったのは年齢の所為かもしれない。

 最近はブログもご無沙汰気味。おもったより書けなくなっているのが、本音である。何を書いたらいいのかではなく、たぶん、書きたいものが以前よりも減ってきているのだと思う。ブログを始めた当初は書きたいものがいっぱいあって、それこそ書き足りないくらいだった。この頃は翌朝に疲れを残さないように早寝をしている。若い頃のように潰しがきかなくなっているためだ。

 音楽をゆっくり聴く時間もないので、そろそろ冬に聴くアルバムの物色をしてみたり、こいつは以前にも紹介したビリー・ジョエルの『ナイロン・カーテン』と『イノセント・マン』だが、なんとなくクリスマスにはこれだ! という気がしている。それと並行的にまとめて本も読みたいと思っている。

 今、読んでいるのは松本清張の『砂の器』と『ゼロの焦点』、それに以前からずっと読みたいと思っていた村上龍の『コインロッカー・ベイビーズ』。松本清張の2冊は再読だが、殆ど内容は忘れてしまっているから初読に近い。村上龍のこの本はもろロックンロールを体現できる一冊だ。まだ数ページほどしか読んでいないけれど、あの『限りなく透明に近いブルー』の衝撃波が今も色濃く脳裏に残っているので、同じ作家の同時代の作品を読むのは非常な興奮を覚える。村上春樹が世界中に愛されるザ・ビートルズの“愛と平和”を詠うなら、村上龍は間違いなくザ・ローリング・ストーンズの“蜜と毒”を描き続ける作家なんだろうね。