音盤工房

活字中毒&ベルボトムガール音楽漂流記

活字中毒、ジャズを聴く 素敵なJAZZ LIFEⅦ

2007年04月07日 | Hank Mobley

ノー・ルーム・フォー・スクエア

ノー・ルーム・フォー・スクエア
価格:¥ 2,500(税込)
発売日:1999-09-22

お薦め度(★★★★★)

 ぼくの音楽観というのは、一般とはいくぶん変わっている。ROCK名鑑に100位にもランキングされていないギタープレイヤーとか、JAZZでいえば”巨人”とは呼ばれないプレイヤーが好きだった。敢えて言わせてもらうと、技巧派のプレイヤーは意識して避けてきたともいえる。ジミー・ペイジやエリック・クラプトンは確かにROCK界を代表する優れたギタープレイヤーだが、技巧に頼りすぎて、肝心の作曲志向がぼくの求めているものとはかけ離れていた。ソニー・ロリンズもチャーリー・パーカーも万人が認めるJAZZの巨人だ。けれど、彼らには悪いけどぼくには彼らのLPやCDを繰り返し聴く体力はない。

 ぼくが音楽を聴くって行為の根底には何度聴いても”飽きない”LPやCDであることが前提にある。できれば”泣ける”タイミングがどこかにあり、メロディがしっかりしていて、技巧より、音楽の構成力を重視したコンセプト・アルバムが望ましい。それを可能にしているのは、ROCKならばストーンズのキース・リチャーズ、BULESはスリム・ハーポ、JAZZはぼくの愛すべき男、ハンク・モブレーだ。

 ハンク・モブレーは名だたる名演奏者とは違い、控えめで常に脇役的な位置にいるプレイヤーだが、殊更JAZZでは名作曲家として知られている。ここに紹介するハンク・モブレーの『ノー・ルーム・スクエアーズ』はトランペットにリー・モーガン、ピアノにハービー・ハンコックらを擁した豪華セッションでいつもながら何度聴いても”飽きない”魅力が詰まったアルバムである。