音盤工房

活字中毒&ベルボトムガール音楽漂流記

引越しを断念する

2008年11月26日 | インポート

 ここ数日間というもの、引越しに費やす日々であった。引越しといってもこれからお話する引越しとはブログ移転の事である。マンションからマンションに引っ越す際に発生する荷物の搬送をブログではコンピューター上の簡単な操作で出来てしまう。ところがこの機能はどのブログにも付いているものの、この機能自体を懇切丁寧に説明し、奨励しているプロバイダーはまずいない。つまり安易に引っ越されて大切なユーザーをとられたくないからだ。ブログをやりたければ誰でも無料ブログを開設出来る世の中だ。従って、利益も余り望めない事は容易に想像できてしまう。しかし、利用者が増えればそれだけ宣伝効果も増え、無料ブログ利用者の中から突如人気ブロガーに化けるユーザーがでてくるかもしれない。プロバイダーにとってはいわば千金を生むシステムでもある訳なのだ。

 僕の場合、昨年の暮れ頃に、訳あってブログ人の利用プランをワンランク上げて5GB⇒10GBプランに契約し直した。その時はなんとなくディスク容量の大きさに惹かれ契約したのだが、今となってみれば、期待していたほどの恩恵はなく、最近はプランを元に戻したいなどと深く後悔している。けれど利用上の取り決めに於いてそれは叶わず、もしも現状に満足できないなら一旦、記事をファイル化してコンピュータに保存しておき、プランの解約をした後もう一度入り直して、保存しておいたファイルを読み込む方法もあるが、手っ取り早いのは他のブログを利用して引越しする方法だ。これだとあっという間に立ち上げが完了するし、ブログ更新も遅滞なく行える。但しこの場合でも、Web変更でユーザーからのアクセスが途絶える可能性も出てくるので、決断には相当の覚悟が必要になる。

 またブログの引越しには受け皿となるブログの容量やフォーマットの問題があって、安易にテンプレートが豊富だとか、お気に入りのタレントが利用しているブログだからというような安易な動機だけでは決められないところもある。

 色々な弊害は考えられるものの、ひとまずココログの無料ブログの開設を試みる事にした。開設は至って簡単。指示に従い、項目に書き込むだけ。ものの数分で終わった。劇的な早さだ。ブログの様式を設定すると、[読み込み]画面に切り替え、ファイルを読み込んでみたが、エラーが発生して出来なかった。ココログについてはネットで機能等見比べ、比較的標準的な機能を備えていたところから選んだんだけれど、どうもメインブログである当ブログの引越しは実現できなかった。念の為、セカンドワークとして作っておいたブログをこの方法で行うと、巧く引越しが出来たので、ブログ人からココログへの引越しは案外簡単にできる事がわかった。ただ若干の例外はあるということだ。


見果てぬ男のロマンと眠れない夜に聴くキャロル・キング

2008年11月19日 | インポート

Carole_king_7  今日は底冷えのする一日だった。東北から北海道は積雪に見舞われ、福岡でも初雪を観測したらしい。雪国で育ったのにどうも僕は寒いのが苦手だ。こちらでも時折晴れ間は覗いたものの、霙が降ったり、頗る寒い一日だった。昨夜は夜中に目覚めた。冷え性なのと寝相の悪さが災いして僕はよく風邪をひく。昨夜は喉の痛みで目覚め念の為、風邪薬を飲んで寝た。するとそれからはぐっすりと朝まで眠る事ができたが、朝はやはり寝覚めは良くなかった。

 街路樹の銀杏の葉が北風に嬲られ舞い落ちる。路面一杯に黄色い銀杏の葉が落ちている。雲間から差し込む陽射しは意外にも強い。濡れた路面の照り返しが眩しい。読み止しの文庫本は開高健氏の『モンゴル大紀行』。全半で司馬遼太郎氏との対談があるので興味深い。車の中で殆どを読み尽くし、帰ってから30分足らずで全部読み終えた。写真が多く、エッセイの分量としては極めてすくない。ちょっとした息抜きには最適な書物といえよう。モンゴルで川の王者イトウを釣る。それからチンギス・ハーンの稜墓探索に見果てぬ男のロマンを夢見る。そして彼の夢想は本格化する。そんな壮大な計画が日本のひとりの作家によって現実のものとなった。

モンゴル大紀行 (朝日文庫 か 8-2) モンゴル大紀行 (朝日文庫 か 8-2)
価格:¥ 1,050(税込)
発売日:2008-09-05

 食通でもある開高健氏はモンゴルでも良く食べ、よく語らい、釣りに興じる。イトウを釣り上げた時余りの嬉しさに表現した言葉が、

 「あなたは立派だ、腹がポテンポテン。

 君は川の王様だ!

 見事だね、このへんが、風格がある。

 蒙古のものは蒙古へ、カエサルのものはカエサルへ

 オーッ。空が笑いました。

 モンゴルの空が笑いました。」と叫ぶんです。

 夏でも夜は氷点下になるというモンゴルでの釣りは過酷を極めている。戦場ではルポライターであった開高健氏は釣りにそれに代わる刺激を求めたのだろうか。喉が焼けるようなウイスキーを飲み、タバコを吸い、喰えるものは不味かろうが美味かろうが何でも食べた。

 開高健氏は1989年12月惜しまれながらも59歳の生涯を閉じた。彼が生前目論んだチンギス・ハーン稜墓探索には立ち会えなかったが、その遺志はしっかり残された者へ引き継がれた。結局、探索は徒労に終わったが、モンゴルのテレビ局が開高健氏に興味を示し、異例の追悼番組を企画した。彼の出世作である『パニック・裸の王様』もナランツェツェグ女史によりモンゴル語訳が出版された。

嗚呼~それにしても鍋料理が美味しい季節になったなぁ(嬉)。白菜、蟹、鴨、鱈、…鍋料理はどれも好きなんだけど、蟹鍋と牡蠣鍋だけはダメなのよ。子供の頃は大好きだったんだけど、おとなになってからアレルギー体質で食べれなくなってしまってから、蟹も牡蠣も20年くらい食べていない。喰いたいがそういった理由で喰えないのは辛いね。そう思うと、開高健氏は相当強靭な胃袋をしていたんだろうね。『オーパ!』をもう一度読み返したいね(笑)。

 話は変わるんだが、先日偶々つけた「スマスマ」でキャロル・キングが出演していたのには驚いたなよなぁ。スマップのメンバーがキャロル・キングとの競演を夢のようだと語っていたのが印象的だった。競演曲は『つづれおり』の「YOU'VE GOT A FRIEND」。かなりリハーサルしたのかな。メンバーとキャロル・キングの息もぴったり。本音を言うとこんな大物は日本人歌手とは絡んで欲しくないんだけど、昔からキャロル・キングは日本とは関わり深い。こんなところも日本での人気を不動にしているところかな。

 外国の大物シンガーがテレビ出演して持ち歌を披露するのを観るのは「ミュージックフェアー」でのレイ・チャールズ以来だ。その時レイは桑田佳祐さんの「いとしのエリー」の英語ヴァージョンを歌っていた。ゲストコメンテーターは音楽評論家の湯川れい子さんだった。ところでキャロル・キングは一体御歳幾つになったのだろう。ネットで調べてみる…

 1942年…ということは…今年66歳か…。…66歳!!

 ということは、…ミック・ジャガーよりも御歳を召しているという事なのか…。

 セカンドアルバム『つづれおり』がリリースされたのが1971年だから意外に遅咲きのシンガーだったんだな、…余りこの辺りは気にせずに聴いていたので、改めて知ると驚きだよな。久し振りに『つづれおり』を聴くことにするか。真っ先に聴くのは勿論これさ。僕が大好きな「SO FAR AWAY」。外は風もいつの間にか熄んでいる。今夜はこの曲を聴いて眠る事にする。

つづれおり つづれおり
価格:¥ 1,785(税込)
発売日:2004-04-21

-収録曲-

  1. I FEEL THE EARTH MOVE
  2. SO FAR AWAY
  3. IT'S TOO LATE
  4. HOME AGAIN
  5. BEAUTIFUL
  6. WAY OVER YONDER
  7. YOU'VE GOT A FRIEND
  8. WHERE YOU LEAD
  9. WILL YOU LOVE ME TOMORROW
  10. SMACKWATER JACK
  11. TAPESTRY
  12. (YOU MAKE ME FEEL LIKE) A NATURAL WOMAN


夜行列車に乗って

2008年11月17日 | インポート

Norah_jones13

 ここ3日間というもの比較的過ごし易いぽかぽかとした秋晴れが続いている。だからというのではないけれど、ブログのテンプレートを先走って冬ヴァージョンにしたことが今頃になって悔やまれる。けれど今更元に戻せば、何か言い訳がましい気もする。だからこのまま当初の思いを貫かせて頂くことにして、さあ、今夜もとびっきりイカしたサウンドをお届けしたい。もっとも僕自身が試行錯誤しながらアップしたものではなく、毎度の事ながら今夜も他力本願にYouTubeにアップされているものを拾い集めている。

ノラ・ジョーンズ・ライヴ・ベスト~ライヴ・フロム・オースティン・テキサス ノラ・ジョーンズ・ライヴ・ベスト~ライヴ・フロム・オースティン・テキサス
価格:¥ 3,800(税込)
発売日:2008-09-26
それはそうと、最近AMAZONで購入したノラ・ジョーンズのライヴ・ベスト『ライヴ・フロム・オースティン・テキサス』がとてもお気に入りで暇があると観ている。いつもの事ながらノラのライヴはそんな派手さはないんだけれど、ゆったりとした会場の雰囲気がいいね。ノラのMCも素人っぽくって素朴な感じがする。やはりこのシンガーは常に自然体なのがオーディエンスに受けるのだろうね。

ノラ・ジョーンズ-ウィキペディア

 アルバムリリース後に必ずライヴDVDを発表するのは、最早ノラの場合恒例となっているらしく、この『ライヴ・フロム・オースティン・テキサス』もアルバム『ノット・トゥ・レイト』のライヴ盤になっている。これはファンにとっては誠に嬉しい限りだ。ノラが初来日した時、チケットが取れなくて口惜しい思いをしたけれど、たとえDVDでもこうして映像を通してノラの溌剌とした笑顔に逢えるのはこのうえもなく素晴らしい事だし、とても感謝している。それでは最新作『ノット・トゥ・レイト』から表題と同名曲の「ノット・トゥ・レイト」のライヴ映像をご覧ください。殆どピアノの弾き語りといってもいいくらいの静謐なナンバーなんだが、そもそもあれほどデビュー作『ノラ・ジョーンズ』が爆発的にセールスを伸ばしたのもノラのスモーキー・ヴォイスと独特のピアノの音色の魅力によるところが大きい。僕が知る限り彼女と同じタイプのシンガー/ピアニストはこれまでみたことがない。久し振りにレコードの精度だけで知名度を上げているアーティストなんだけれど、そこに視覚的なものも加わると最早無敵だ。

 社会の荒波に揉まれていると不意にそこから抜け出し、独り、列車に飛び乗り、どこか遠くへ行きたくなる。まるで一昔前のフォークソングの歌詞のようなフレーズが頭の中を駆け巡る。

 さしずめ乗るんなら夜行列車がいいね。学生の頃貪るように読んだアガサ・クリスティーの『オリエント急行殺人事件』みたいな物騒な展開は望まないけれど、夜汽車の窓の外を眺めながらイカした音楽を聴いていたい。夜、車窓を眺めながら聴く音楽でもっともぴったりなのがトム・ウエイツだと、何かの本に書いてあったが、僕は同じくらいノラ・ジョーンズの音楽はこのシチュエーションにはぴったり嵌るのだと思う。この手の音楽がこの場面に合うのは、いわば車窓の景色が紙芝居か何かのように移り変わるのだが、その景色はあたかも時間が止まっているように代わり映えしない。そこがトム・ウエイツやノラ・ジョーンズの音楽としっかり溶け合うのかもしれない。

 最後もやはり『ノット・トゥ・レイト』からの選曲で「シンキン・スーン」といいます。曲調がトム・ウエイツの音楽となぜかシンクロするので選んだんですが、皆さんの感想はどうかな。『ライヴ・フロム・オースティン・テキサス』ではトローン・ボーンのパートをJ.ウォルター・ホークスが豪快に演奏していたんだが、このライヴ映像はそのパートをノラのピアノがカヴァーしている。それにしても凄いよなぁ! ノラのピアノがファンキーにスイングしてるよ。いつものノラと違ってジャズのドライヴ感を愉しめるのもこの曲を選んだ理由なのさ。


我が家のデジタル化計画と歌姫の貴重映像

2008年11月11日 | インポート

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 普段僕は余程の事がない限りテレビというものを観ない事にしている。野球観戦にしろ、ドラマにしろ悉く家族と好みが合わないこともあるし、最近になって面白いと思える番組が少なくなったということもあるだろうけれど、テレビに関心が薄れていったのには他にも原因がある。

 ここ数ヶ月の間、我が家のテレビの画像はデジタルに喰われてしまってか非常に映りが悪くなっている。初めはアンテナの具合によるものかと思ってみたが、我が家に1台だけある地デジ対応のテレビには異常がないので、これは電波障害によるものとしか考え難い。そこでせめて居間にある1台だけでも地デジ対応のテレビに買い換えようかと近くの電気屋を物色しに行ったところ、薄型液晶テレビあるいはプラズマテレビの価格相場は居間にあるテレビと同型に近いものを求めた場合には数十万かかることがわかってすぐに断念した。

 我が家には現在アナログテレビが2台とデジタルテレビが1台ある。アナログは僕の部屋と居間に1台ずつあり、デジタルテレビのみ父親の寝室にある。我が家の場合、買い替えをするたびにテレビは3つの部屋をローテーションしている。父親⇒居間⇒僕。という具合に新しいものを優先的に父親の部屋に移し、余りテレビを観る頻度の少ない僕が最も古いテレビを請け負う事になる。この方法は我ながら理に叶っていると思うのだが、こうもアナログテレビで恩恵を受けなくるとは想像だにしないことで、最近は殆ど居間でもテレビを付けなくなっていたのだが、民放はおろかNHK放送すらこの状態だとこれは最早死活問題である。そこで一度諦めたデジタル化計画を進める事にした。

 話は前後するのだが、築20年の我が家もここに来て水回りだのボイラー系統が使えなくなる局面となり、思い切ってオール電化計画を進めていたのだが、運悪く、別棟の雨漏りも修繕しなければならなくなり、結局、水道管の水漏れ、台所、風呂の配水管の修繕に、屋根の修繕も加わり、当初予定していた修繕費よりも経費がかかってしまった。本来ならそれでもローンを組んだりして回避できるのだが、ここ半年余りというもの僕には殆ど収入というものがない。さしずめ株を売却して市場から完全撤退して身軽になろうかとも考えたのだが、預貯金が僅かばかりあったのと保険会社の生命保険契約を一社だけ解約し、解約金を預貯金に上乗せする事でひとまず急場を凌ぐ事にした。それで何とか数百万円は捻出できたので取敢えず支払い額に達することができた。けれど、預貯金を切り崩す毎日なので、とてもじゃないが電化製品を買い換えるだけのゆとりがない。

DX ANTENNA 地上デジタルチューナ DIR610 ホワイト DX ANTENNA 地上デジタルチューナ DIR610 ホワイト
価格:17,800(税込)
発売日:

 そこで僕が目を付けたのが、アナログテレビの救済処置として密かに目立つことなく売られているデジタルチューナーであった。これだと取り付けも設定も簡単だし、従来のアナログテレビがそのまま使えるのでとても安く上がる。問題は画質なのだが、お店の人に聞くと、画質はアナログのままなのだが、現在我が家で抱えている悩みの種である、画像のちらつきは払拭できるという事で、後約3年間、この方法により凌ぐ事を条件で、即、買うことにした。

 結論から言わせて貰うと、アナログテレビをデジタル化することは思っていた以上に快適だ。画質はそもそもアナログテレビを購入する時にいろいろ好みを吟味して買っているのでそれを基準にした場合、アナログのデジタル化は地デジテレビと比較してもそれほど遜色がない。確かに映画を鑑賞する場合にはワイド画面であることや画質の鮮明度にはプラズマテレビの比ではないと思うのだが、単に番組とかニュースを観るぐらいならこの方法で充分だとも思える。ちなみに我が家のブラウン管テレビはソニーのフラットテレビだ。これだとそこそこ画質がいいので完全にデジタル化になるまでの間なら何の支障もなく観れそうだ。

 とにかく電気屋は最新型のテレビを買わせることに躍起になっていて、安価なデジタルチューナーの販売には消極的なのだと思う。だからデジタルチューナーの本当の意味での真価は御座なりぎみになっているのだと思う。そもそも儲からない製品の販売には店側にとっても「余計な事しやがって」くらいの恨み節を唱えるのは仕方のないことだろう。でも情報操作で「早く買え換えないと観れなくなるよ」というような実しやかな情報はそもそも消費者にとっては混乱するばかりで、むしろ正しくその辺を伝える方が売上げには貢献するような気もする。なぜならいずれ3年後には完全デジタル化になり観られなくなる訳だから、テレビが買え換え時期に来ている場合はやむを得ず買い換えるだろうし、3年後を見据えて現状で我慢する人も居るだろうし、僕のように現状を打開すべく方法を模索する人も出てくるからだ。そんな場合、適切なアドバイスをするよりも前にすべき事があるはずだ。要は正しい事を示して、消費者の立場に立って導く事だ。今回はちょっと訳知り顔で偉そうな事書いたかなと反省点もあるけれど、アピールすべき事は率先してやって欲しいものだ。ただ、最新テレビを購入する傍らでデジタルチューナーで間に合わせるというような貧乏性はやはりそれ程多くはいない。その輪を掻い潜って買う勇気も持ち合わせていないと駄目だ。

イントロデューシング・ジョス・ストーン イントロデューシング・ジョス・ストーン
価格:¥ 2,300(税込)
発売日:2007-03-12

 ひとまず我が家で起こった問題に迷走しながら何とか解決に導く事ができた小生こと活字中毒は迷(名)探偵よろしく胸を撫で下ろしながら、さて今夜は何を聴こうかと棚を物色する。そんな時、僕の眼に一枚のCDが眼に留まる。ジョス・ストーンの『イントロデューシング』だ。最初聴いた時はデビュー作や前作に比べて随分垢抜けた仕上がりに戸惑ったものだが、改めて聴くと、最先端のソウルミュージックにジョスの歌声は意外にもぴったりと嵌っている。それにしてもジョス・ストーンは益々妖艶且つスタイリッシュになって行くなぁ。紫色の髪もすっかり板について、最近は彼女のトレードマークのようにも思えてくる。そしてこのアルバムの中で特に好きなのが、「アームズ・オブ・マイ・ベイビー」というナンバー。YouTubeでこの曲のライヴ映像を見つけたよ。

  

 それにしてもジョスの日本での知名度は意外に低いのだろうか…。YouTubeでこれ程夥しく映像が残されているのに、オフィシャルで発表されている映像は『マインド・ボディ&ソウル・セッションズ』のみ。だから意外にこうしたYouTubeなんかで海賊盤的な映像を眼にすると、ぶっちゃけこの映像を一纏めにして一儲けできるのではないかと、とんでもない夢想に耽る訳である。

マインド、ボディ&ソウル・セッションズ-イン・コンサート マインド、ボディ&ソウル・セッションズ-イン・コンサート
価格:¥ 2,500(税込)
発売日:2008-11-12

 …てな具合に今夜のもうひとつの貴重映像はカーティス・メイフィールドのインプレッションズ時代の傑作「PEOPLE GET READY 」をジョス・ストーンがカヴァーしている映像だ。これもネタ探しにYouTubeを彷徨っていたとき、たまたま見つけたライヴ映像。そこにはなんとジェフ・ベックのステージにゲスト出演しているジョスとのツーショットを観る事ができる。そういえばこの曲は僕のような40代半ばの世代には、一般にはジェフ・ベック・グループでロッド・スチュワートが歌うヴァージョンを思い浮かべてしまう。感覚的にジェフ・ベックとジョス・ストーンとのこのコラボライヴはミスマッチにも思えるが、いざ演奏が始まるとジョス・ストーンが只ならぬシンガーだと気付かされる。まさしくこのギターの達人に対して一歩も引けを取らない歌いっぷりに唖然とさせられる。さすがに大物たる片鱗が垣間見れた一瞬でもある。


天国にいる偉大なロックシンガーへ

2008年11月08日 | インポート

Buddy_holly2_2   一年は早いものでついこの間まで暑い暑いと愚痴ていたのに季節はもう冬。11月7日で立冬を迎えた。今朝僕は氷雨降る中、理髪店でほぼ一月ぶりにすっきりと髪を短くした。以前はちらほらと白いものが混ざっていた程度の僕の頭髪はすっかり初老然としてきた。極度の近視で眼鏡がないと普段の生活にも支障を来たす僕の両目は、近視に加え最近は近くのものも見え難くなってきた。老いが音もなく、しかも確実に迫ってきている。

 好きだった読書もそんな訳で読むのが億劫になっている。字体を大きくすればある程度は難儀することなく読めるのだが、やはり距離間を保てないとぼんやりとしか見えず、第一、本にはころあいの字の大きさというのがあって、矢鱈大きくすればいいというものでもない。文庫本ならともかく単行本でそれをやられると「ほれ、読んでみろ」というような強迫観念を植え付けるだけだ。

角ばったちょっと広めのレンズの眼鏡なんかかけているととてもロックを語れるような風采ではないんだけれど、ジョン・レノンもエルヴィス・コステロも眼鏡をかけたロックンローラーだった。確かに眼鏡をかけていると一見誠実そうで知的に見える。ロックの荒々しく不良っぽいイメージとはあまりにも対照的だ。でも偉大なロックンロールの先駆者達の中には意外に眼鏡をかけたシンガーがいて、その模範があるからロックの後継者達もなんの抵抗もなく眼鏡をかけるようになったんだろうね。ジョン・レノンもエルヴィス・コステロもそして最近はエリック・クラプトンまで眼鏡をかけるようになった。彼らが眼鏡をかけることに誇りを持つようになった一番のアイドルがバディ・ホリーなんだよ。

The Buddy Holly Collection The Buddy Holly Collection
価格:¥ 3,231(税込)
発売日:1993-09-28

 ○バディ・ホリー-ウィキペディア

ビートルズがもっとも影響されたシンガーであり、ローリング・ストーンズも彼をリスペクトしている。僕は昨日の夜、久し振りにローリング・ストーンズのライヴDVD『ザ・ビッゲスト・バン』を観た。4枚のディスクがそれぞれ特異な持ち味を持っていてどれも好きなんだけれど、しいて選ぶとすればディスク1が一番好きだ。それはキースが歌うバディ・ホリーの「ラーニング・ザ・ゲーム」が収録されているからだ。原曲は一分半のカントリー風で静謐なロックンロールなんだが、キースがこの曲を歌うと、荒々しいソリッドなロックンロールに様変わりしている。これを聴くと、やはりキースはキースなんだなぁと思う訳だ。それにしてもオリジナルの「ラーニング・ザ・ゲーム」はなんて美しい演奏やヴォーカルの響きをしているんだろう。ロックンロールというよりもっと高貴な音楽、例えばクラッシックや聖歌のように聴こえる。

 さてそれでは「ラーニング・ザ・ゲーム」のキース・ヴァージョンも聴いてもらいたい。いつだったかキースは言っていた。「曲は作ろうとしないんだ。バディ・ホリーなんかの曲のフレーズを弾いていると俺のアンテナが何かをキャッチする。そうしてあるメロディが舞い降りてくるのさ」と。

 もしも不慮の飛行機事故に遭っていなかったら、今頃、このステージで「ラーニング・ザ・ゲーム」をキースと一緒に歌っていたのではないかと想像すると自然と目頭が熱くなり、年甲斐もなく眼が潤んでくる。22歳という若すぎる死を悼んで今夜はこの曲を捧げたい。キースが歌うこの曲が天国にいるバディ・ホリーに届くと信じて…。

*ちょっと気が早いですが本日から僕のブログも冬ヴァージョンにしました。巷ではすでにクリスマスモードで装っているお店もありますのでいいかなと…。変な理屈をつけながら二ヶ月間はこのテンプレートで皆さんを迎えたいと思います。