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読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

粘着の技術 カモ井加工紙の87年

2011年03月10日 20時05分33秒 | ■読む
「粘着の技術」編集委員会 吉備人出版刊
幼い頃、自宅や色々な所にハエを捕るためのリボン状のものが吊り下げてありました。打ち上げ花火の底の部分を3,4cm程切り取ったようなボール紙で出来た円筒家の筒から上へ螺旋を描いて薄い茶色の粘着テープが上に伸びており、その先っちょが天井から吊り下げられていました。こんな原始的で単純は物に、たくさんのハエがくっついていたのでした。昔はハエが多かったので、本当にあちこちで見掛けました。そして気付くと、大分前から見掛けなくなりました。
本書は、そのハエを捕るための商品「ハイトリ」を製造し、後に、マスキングテープの大手になったカモ井加工紙の物語です。因みに「ハイトリ」は、正しくは「蝿取り(ハエトリ)」ですが、方言の読みをそのまま商品名にしたのだそうです。この商品の生産拠点は、現在、東南アジアにを移したものの、化学物質を使わず環境に優しい商品として、世界のあちらこちらから引き合いが絶えないとのことです。
一方、マスキングテープは、戦後の生き残りのために取り組んだ商品で、その分野では後発メーカーながら、常に使用する職人の意見を反映させた製品の開発に取り組んだ結果、大きなシェアを占めるに至ったとのことです。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/カモ井加工紙
     http://www.kamoi-net.co.jp/
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社是として「程」を知る、を掲げており、堅実で着実な企業文化を持っているようです。そして、現在では流行言葉のように使われている「顧客志向」が徹底している社風であるようです。その一方で、若い3人のユーザーからの提案を受け入れて、文房具としてのマスキングテープの販売に乗り出し、様々な色合いや文様のシリーズを販売し、支持の輪が広がっているとのことです。社史として作った本と思われますが、単なる自己満足に留まらない、ユニークな書籍に仕上がっています。
評価は4です。

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