サジッタ&清史郎の部屋

相棒3頭と暮らす馬日記

試合の審判をして感じたこと

2006-08-30 09:49:42 | コーチとして
学生賞典競技はエントリー数も少なく、内容も成績が物語っているように全国レベルとは程遠い、です。

では何故レベルが低いのか・・・・。
その答えは、初級クラスにはっきりと表われていました。

私は第2課目馬場と60・70・90・100cmクラスという初級レベル障害の審判を行ないましたが、『下級生ながらきちんと教育されているな~』という印象を持った選手が一人もいませんでした。

第二課目では、運歩の整正が無い・真直性の欠如・隅角不通過・移行不良が数多く見られました。
障害競技で最も気になったことは、正しい姿勢の騎手が居なかったこと。居たとしても印象に残っていないのです。鐙の長さが不適格で馬場鐙でも長いような状態で出てくる学生、鐙は適切でも踵が踏み下がっていなくて尻をこすり付けるような、或いは尻で背中をバンバン叩いている学生・・・。
指導者が居るのか、居ないのか・・・とかいう以前の問題のように思われました。

我田引水では有りますが、これらを見ていますと、私の新人に対する指導理論はかなり正しいです。

1.鐙の長さをチェックする
これはすごく大切です。ウチの学生も勝手な長さで乗っている。変な長さでバランスが固定しないうちに正しい長さでの指導を徹底。

2.脚で馬を動かす
当たり前の事ですが、出来ていない。特に隅角通過。
私は新人のうちから、隅角は手綱を開いて通過するということは教えません。内方脚を使って馬の尻を外へ押し出すことによって方向転換するのが馬なのだ・・・と早い時期から脳に刷り込む。

3.運歩の整正
これは推進力に他ならないのですが、『馬を推せ!!』と怒鳴るだけでは本人は何も変らない。『乗っている自分が常に加速感を感じるように!!』が私の指導の言葉です。
【加速感】これは指導書にも書いていない言葉なのですが、これほど馬術の指導にピッタリ来る言葉はありません。勿論、リズムやペースを乱した加速は論外です。

4.2ポイント姿勢の確立
これは言葉の通りですが、2ポイント姿勢の真似事にさせないために、軽駈歩が行なえるようにすることが必須です。これが出来ると、2ポイントでのバランスバック、尻で背中を叩かない2ポイントとなります。
2ポイントとは、鐙と膝の二つのポイントで姿勢を保持するから2ポイントなのですが、鐙と尻の二つのポイントで乗っている・・・私には理解しがたい2ポイントが数多く見られました。


今までは我が広大だけが良ければ他校は如何でも良かったです。むしろ、その方が勝ち易い。
しかし余りにも目を覆うような光景が目の前で繰り広げられることに、中国四国学生馬術界が危機的状況にあることを感じずには居られません。
講習会の指導内容の見当なども踏まえて、指導者と協議して行く必要を感じました。
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