■ビル・パクストンによる2001年のアメリカ映画《フレイルティー/妄執》は、物語の内実のみによって作品の水準を切り上げています。VFXや特殊メイクなどの視覚効果に頼ることなく、あるいは音響効果や編集テクニックなど、制作費をつぎ込めばそれなりの演出効果を得ることのできる手法にはしることもなく、物語のもつ本質的な部分の魅力のみによって成立させています。
この低予算映画は、最初は小さな映画祭に出品され、意表をつく内容が注目されて、やがてライオンズ・ゲート・フィルムズによって全米で公開されました。そしてサム・ライミ、ジェームズ・キャメロン、ジョナサン・モストウ、アイヴァン・ライトマン、スティーブン・キングらの賞賛を受けるなどして、ついには大手メジャーのパラマウントまでも動かしたのです。
この映画は、握手などで他人と接触するときに、相手の人間性などを霊感として感得してしまう神秘的な体験、あるいは能力をめぐる物語――そういう「思い込み」をふくめて――と解釈していいと思います。マインド・ホラーの作品と受け止められるのは当然としても、その神秘体験の真偽、神と悪魔の問題などの観察に焦点がしぼられており、上質な哲学的問題が提起されています。
映画《フレイルティー/妄執》_1
映画《フレイルティー/妄執》_2
この低予算映画は、最初は小さな映画祭に出品され、意表をつく内容が注目されて、やがてライオンズ・ゲート・フィルムズによって全米で公開されました。そしてサム・ライミ、ジェームズ・キャメロン、ジョナサン・モストウ、アイヴァン・ライトマン、スティーブン・キングらの賞賛を受けるなどして、ついには大手メジャーのパラマウントまでも動かしたのです。
この映画は、握手などで他人と接触するときに、相手の人間性などを霊感として感得してしまう神秘的な体験、あるいは能力をめぐる物語――そういう「思い込み」をふくめて――と解釈していいと思います。マインド・ホラーの作品と受け止められるのは当然としても、その神秘体験の真偽、神と悪魔の問題などの観察に焦点がしぼられており、上質な哲学的問題が提起されています。
映画《フレイルティー/妄執》_1
映画《フレイルティー/妄執》_2