■カルロ・ギンズブルグの処女作『ベナンダンティ』は、一六世紀と一七世紀におけるイタリアのフリウーリ地方で行われた奇妙な儀式についての論考である。農民のあいだで行われたその儀式の実行者は、ベナンダンティと呼ばれていた。
彼らはおのずと秘密結社のような組織を形成し、年に四回、四季の斎日の木曜日の夜に外出して、魔女や魔術師と戦うのである。彼らの夜の外出は、昏睡状態に陥った後、魂が離脱した状態、つまり体外 . . . 本文を読む
■ここに私がまとめた実体験は、いささか異常な内容であるものの、それが実は連鎖的な意味を包含していることに気づいたのは、ずっと後になってからである。したがってこれらの出来事は、それと前後して生起したいくつかの出来事と響きあっていることを認識しながら、数年の歳月をかけて、やがて私に死の覚悟をさせるに至った「奇病」のことを含め、その経緯の流れの中で解釈しなければならないものと考えている。
ゴキブリのシ . . . 本文を読む
■自分とそっくりの、もう一人の自分――ドッペルゲンガー。
ドッペルゲンガーと体外離脱体験とには、決定的な相違があります。それは離脱と分離の意味の違いを反映しており、離魂などといわれる場合の自己像幻視は、体外離脱よりもドッペルゲンガーのことを指すことが多いようです。主観的に体験するのが体外離脱、外在的に自己を目撃するのがドッペルゲンガーと考えられます。体外離脱体験時には、意識の変容がともなうことも . . . 本文を読む