六年前に下諏訪の現場で指にドリルを貫させて以来、二度目の怪我をした。
神奈川県平塚市で、古い物置を解体する仕事が入り、その日(12月2日)朝八時ころから作業を開始した。
金属製の物置は相当に古く、ところどころ塗装が剥がれ、錆が目立っていたが、私はそのことにあまり注意を払わなかった。
九時ころ、屋根パネルの最後の一枚を外した瞬間、屋根を支えていた母屋という断面がT型の長さ2800mmの鋼材が、屋根 . . . 本文を読む
平成27年ころから、急に仕事が忙しくなり、すくなくとも今年いっぱいまで、その忙しさが続く見通しとなっている。が、来年10月の増税以降は、おそらく急速にヒマになるものと、ある程度「期待」している。
わたしはいつの時も「無職でいて創作活動をする」という生活者の姿勢には否定的で、仕事をこなしたうえで、さらに何ができるか、という課題の立て方の先に、創作という行為を意味づけている。
また、働くことで得る収入 . . . 本文を読む
わたしが経験している日常的な、些細な出来事が、もしかすると、他人には理解が困難なものであるかもしれない、という気がどこかでしている。しかし、それらはあまりにも些末なため、いちいち話題にするのがためらわれることが多い。そこをちょっと無理をして、書き出すだけでもしてみると、たとえばつい4日ほど前のことである。
いつも車のメンテなどを頼んでいる自動車整備工場の担当者Y氏から携帯に電話連絡が入り、たまたま . . . 本文を読む
なんとなく、漠然と、これまで本棚を作ってきた延長として、何か新しいことができないかと考えていた。
――我が家では部屋々々の壁の14面に本棚を作り、それでもまだまるまる一部屋の4面を本棚で埋めたいと思っているが、ちょっと面白いアイデアを追求したいと考えているので、しばらく小休止している。
当然のことではあるが、本棚にずらりと本が並んでいると、どの本棚も同じような「風景」に見えて、いささか退屈な . . . 本文を読む
日記の記録を確認してみると、それは4月17日の午後のことだったと知れる。すでに2か月半が過ぎようとしている。
その日、わたしはエクステリアの施工で長野県下諏訪の現場にいた。
仕事は順調にすすんでいたが、ちょっとした気のゆるみがあったのだろう。
アルミの材料に左手を添えて、右手に持ったドリルで、下穴を開けているときだった。予想外の勢いで、突風が吹いた。わたしは材料の上に水平器を乗せて、位置を . . . 本文を読む
細長い駐車スペースに、すでに施工してあった縦連棟のカーポートは、地形と建物の関係で、毎日のように強い風にあおられていた。
最近は台風や突風の被害がこわいので、このカーポートをどのように補強しようかと考えていたところ、いっそのこと、過剰なまでに補強柱を建ててみようか、と思いついた。
カーポートの縁と平行に設置した長さ10メートル弱のブロック塀の、7段積んだ上に5センチ角のアルミ柱を、左の写真の . . . 本文を読む
これまでしばらく未完成だった部分や、気になる細部に手を入れて、二階の一室、壁の二面の本棚を完成させた。
40型のテレビは壁面に固定金具で設置してあるが、それをする前に、小さく分割した小物入れのようなものを造り、それを取り付けてからテレビを設置してあるので、写真では分かりにくいが、意図したとおりのごちゃごちゃとした立体感がある。
この部屋には大小ふたつの窓があり、出入口の扉と、納戸へつづく扉が . . . 本文を読む
ブロック塀の長さの中間に、幅40センチほどの隙間をつくった。出入りとしては狭いが、その狭さを意図的に考えた。
はじめは深く考えなかったが、この隙間を何度も出入りしているうちに、この狭さが、とても印象的な何かをもたらしていることに、わたしは気づいた。それはたんに、狭いので注意をする、ということから生じる緊張感のようなものだけではない。
またこのブロック塀は、自分のウチだから思いつくままに遊ん . . . 本文を読む
GWの後半に、延長した棚の部分々々に、小物収納の抽斗などを造ってみた。
本の収納効率を追及した本棚と、気ままにレイアウトした小物収納とのバランス、それともアンバランスによって、凝縮した空間の心地よい混沌をめざした。
本棚の仕切り板にビスで取り付けたかに見える小物――ガネーシャの木彫や壁掛け時計――などは、可動できる板に付けてあって、かんたんに位置を変えることができるよう工夫してある。
前面パネ . . . 本文を読む
■前回造った部分に、コーナーを接続してから、しばらく時間の余裕がなかったが、先ごろ仕事上の都合により、長期休暇をとることができ、これまでになく遊び気分で製作することができた。
コーナー部分からはじめて、右手に2メートルのところで、幅90センチの窓があり、その上に2段、下に左右で出幅の違う変形棚を造った。
この棚は高さが約1100mmあり、それを3段にして設置し、びくともしない強度を確保してい . . . 本文を読む
■手前の壁面、幅2メートル、高さおよそ2.4メートルの部分に、これまでと同様のやり方で本棚を造った。右側のコーナー部分は、近いうちに、やはり本棚を接続するつもりである。
コーナー部分は高さ32センチで7段あり、幅は約30センチ。
――こうして写真に撮ってみると、実際の出来映えの迫力はなかなか伝えられないことが分かる。
18mm厚のラジアタパインの側板(縦板)は、長さが1800mmを超えるとコス . . . 本文を読む
■コーナーの左右、それぞれ建具までおよそ1メートルの幅の壁に、床から天井までの高さおよそ2.4メートルにわたって、本棚を作ってみた。コーナー部分は高さ32センチで7段、左右の棚は単行本で10段の収納力となっている。全体でおよそ650冊の書物を収納している。
これまでにも、沢山の本棚を作ってきたけれど、いつの場合も、高い収納能力が前提で、さらに使いやすさを意識して作っている。もちろん、強度的な配慮 . . . 本文を読む
■二年半前に製作した本棚に、若干の追加を施した。写真中央のドアの上から左側にかけての部分がそれで、やはりきわめて頑丈にできている。背板の裏から棚板をビスかピンタッカーで固定して、函体をつくって壁に嵌め込んでいくこのやりかたは、家屋の在来工法や2×4工法の別なく、家屋自体が倒壊することがないかぎり、この本棚が倒れることはない。もちろん、嵌め込んでから、背板と壁側躯体とを確実に固定する必要がある。こう . . . 本文を読む
内臓を中心とする痛みは骨がきしむほどの激痛といってよく、四六時中、私の神経に追い討ちをかけてきた。食べ物を口にしても、身体がうけつけず、すぐに嘔吐してしまう。そのため便がまったく出なくなり――ある年の一年間で私が排泄した糞便の量は、おそらくパチンコ玉十個に満たない――、やがて体重は35㎏を切った。
――死を覚悟しながらも、私は建築現場での仕事を放棄することができなかった。どれだけ体力を消耗して . . . 本文を読む
■2007年11月にとりかかったとき、我が家の五部屋に本棚を造り付けることは、それほど困難なこととは考えなかったが、結局ずっと仕事が忙しく、蔵書が片付かないことが慢性的になっている。
それでも、やっと先日、部屋のひとつだけが、壁面をすべて本棚で埋めることができた。――これでは先が思いやられるが、途中で計画を投げ出すことは、私の性格上、ありえない。
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