人生の謎学

―― あるいは、瞑想と世界

古代ギリシアの元素観

2008-11-07 00:20:20 | 科学・宇宙論
前八世紀、ホメロスは『イーリアス』のなかで「水の神オケイアス」を万物の根源として神格化しました。その二世紀後、哲学者タレスが水そのものを、始源「アルケー」と考え、万物は水でできていると定義しました。 ミレトス学派の始祖、哲学者タレスは、万象に神々が遍在していると考え、水をアルケーとして、大地は水の上に浮かんでいると考えました。イオニア学派の自然哲学では、アルケーは自然――フュシスにおける根本的物質 . . . 本文を読む

CP対称性の破れ

2008-10-13 01:51:08 | 科学・宇宙論
■今年のノーベル物理学賞が、素粒子研究に貢献した日本人三氏に贈られることが報じられ、いま話題になっています。その共通する主題は「CP対称性の破れ」とよばれる現象です。 最近、つまり2008年の9月、ジュネーブ郊外で運転を開始した世界最強最大の円形加速器LHCにおいて、10日に陽子ビームを周長27キロのリングで一周させるのに成功したばかりでしたが、20日になると冷却材のヘリウムが地下トンネル内に漏 . . . 本文を読む

古代中国の宇宙観

2008-08-05 22:15:25 | 科学・宇宙論
■古代中国の宇宙観についてまとめてみました。 中国でもっとも起源の古い宇宙論は〈蓋天説〉とよばれ、その内容によってふたつの段階にわけられます。 すなわち、天は広げた蓋のようにまるく、地は碁盤のように四角いとした第一次蓋天説、そして天は蓋笠の形をしており、地は伏せた槃、盤の形をしているとした第二次蓋天説です。 戦国時代になると、宇宙を鶏卵にたとえて、天は弾丸のように丸く、南北極を軸に回転すると述べ . . . 本文を読む

シードマスターの仮説

2008-03-04 00:38:24 | 科学・宇宙論
■「生命の誕生」のなかでもふれましたが、アレニウスによる〈パンスペルミア説〉は面白い仮説です。地峡上の生命は、宇宙のいたるところで発生可能な生命体が、宇宙空間を恒星の輻射圧によって、あるいは彗星に乗って飛来するなどしたことに由来するとする説です。2005年にあるテレビ番組で放送された『シードマスターの謎』は、この〈パンスペルミア説〉を基盤にしていると思われ、番組では科学的な部分とそうではない部分、 . . . 本文を読む

生命の誕生

2008-03-03 04:45:22 | 科学・宇宙論
■生化学の領域から生命へ移行するためには、どうしても遺伝子が必要である。遺伝情報を維持することは生命にとってもっとも重要な機能だからである。核酸から遺伝子コードがつくられるには、酵素の形をしたタンパク質がなくてはならない。地球生命はDNAやRNAなどの核酸で遺伝情報を維持している。核酸は基本的に炭素、水素、酸素とリンからなっている―― 《生命の誕生》_1 《生命の誕生》_2 . . . 本文を読む