■フランスの脳生理学者ミッシェル・ジュヴェは『睡眠と夢』という本のなかで、一卵性双生児の性格などの心的個別性が遺伝的に規定されているきわめて特殊な例を、アメリカの科学雑誌サイエンスに掲載された論文から紹介しています。
《一卵性双生児で同名の兄弟ジムとジムは生まれてすぐに離ればなれになり、それぞれアメリカ中西部の家庭で育てられ、三十九年たってこのミネソタ大学での検査を機会にはじめて面会することになり . . . 本文を読む
■文学的な視線で運命の諸相をまとめてみました。この話題は、個別的な独自性に注意しながらも、全包括的な解釈を要求されるところに、みきわめの困難さがあるように思われます。
〈運命の文学的解釈〉_1
〈運命の文学的解釈〉_2
〈運命の文学的解釈〉_3
〈運命の文学的解釈〉_4
〈運命の文学的解釈〉_5
. . . 本文を読む
■私たちが任意の事象や出来事において、そこに運命や宿命を見出すのは、私たちの感受性の特質、考え方によるものだと思います。私たちの認識は「それ」を運命として意味づけ、感受性に何がしかの印象を刻みつけます。個人的な世界観や人生観を問うこと自体は、それが社会的な要請のある場合を除いて、本質的な意味をなさないと思います。しかしまた、運命や宿命というものは、劇的な事象の生成変化に際してのみ意識されるのではな . . . 本文を読む
■「天下の万象を二態に分ち、一を主として次を従とする。このとき両者が不可分の関係を有するとして〈体用論〉が確立された」――
体用論によってわかたれた二態は、いずれもその一方だけによって成立することはできず、また成立や形成の順序を問うことができません。
この概念は、陰陽五行と融合して、四柱推命では基本的なパラダイムとなります。
(――死や霊魂について考えるとき、体用論ふうに「主世界」と「従意識」 . . . 本文を読む
■「寸前尺魔の人生をどう解釈するかは、古くから人々の大きな関心事だった。インド哲学では、果はもともと因のなかにあり、それが後に現れ出るとする〈因中有果論〉、まったく新しい果が発生するとした〈因中無果論〉があった。この因果律をめぐる問題において、いっさいの現象は因(直接原因)と縁(間接原因)との相互作用によって生起するとして〈縁起説〉を説いたのが釈迦である」
運命をめぐる神秘的な側面から〈因〉と〈 . . . 本文を読む
■運命の傾向についての考えを、「不易」と「変易」という概念によって解釈したいと思います。
「変易とは、森羅万象は常に変化してとどまることがなく、不易とは、変化の中にも、変わらない法則性があることをいうのである。本来は占筮の書である易は、変易と不易を、象徴と数によって示唆するものであるが、変易にも不易にも、それぞれ陰陽の徳が含まれているとしている。陰陽は相対立するものであるが、そればかりでなく、そ . . . 本文を読む
■「運命とか宿命とかという概念は、その底流に何か因果律的な時空間を包含しているものだが、悪霊や病魔としての死神には、そのような属性が希薄に感じられ、人間の側からは、そのぶんだけ無差別的に死神に〈憑かれる〉という、漠然とした恐怖がある。しかしこの無差別性は、運命や宿命の発現過程の抽象的な性質と比較するならば、はるかに具体的で具象的である。つまり死神は、運命や宿命よりも分かりやすい概念であり、人間の言 . . . 本文を読む
■運命と宿命について考えるうえで、無視することのできない事項として、昨日の〈オイディプスの運命〉につづいて、きょうは以下のテキストを準備しました。
《デルフォイのアポロン神殿》_1
《デルフォイのアポロン神殿》_2
《デルフォイのアポロン神殿》_3
《デルフォイのアポロン神殿》_4
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■このブログでは今後、神秘思想やオカルティスム、奇跡や奇想についての知見を、興味本位のものではなく、あくまで学際的にとりまとめていきたいと考えていますが、この場合の認識の基盤となるもののひとつに、運命とか宿命とかという概念があります。
ここでは運命というものの特質を考えるうえで、無視することのできないある伝説的な人物の生涯を、ごく大雑把な素描ながらも、その要点をまとめてみました。
《オイディプ . . . 本文を読む