■ベルギーのアール・ヌーヴォーは、何よりも建築においてめざましい成果をあげましたが、その機運の中心となったヴィクトル(ヴィクトール)・オルタは、ベルギー西部の古都ゲント(ヘント)の靴職人の家庭に生まれ、10歳を過ぎた頃からすでに建築に興味をもち、パリに出て建築事務所で働き、ブリュッセルで新古典主義の建築家アルフォンス・バラ(1819~95)のもとに学びました。その後独立し、1893年にポール・エミ . . . 本文を読む
■ギリシア神話では、牛頭人身の怪物ミノタウロスがクレタ島の迷宮の奥に棲み、アテネから貢ぎ物として送られてくる男女の若者たちを喰らっていたという伝説がありました。その迷宮ラビリントスは、クレタ王ミノスがミノタウロスを閉じこめるため、工匠ダイダロスに命じて建造させたものとされ、通路は錯綜し、ひとたびここに足を踏み入れた者は、迷路の複雑さゆえに、二度と出ることができなかった、という伝説がありました。
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■「創世記」第11章によれば、人類はノアの大洪水ののち、バビロニアの地に煉瓦で町と塔を建て、その頂を天に届かせようとしました。神はこれを人間の自己神化の試みとみて、それまでは一つだった人類の言語を乱し、人間が互いに意志疎通できないようにしたといいます。このバベルの塔の物語の背景には、文化史的な事実があり、バビロニア各地に33基の聖塔、つまりジッグラトが建造されていたことが知られています。
バベルの . . . 本文を読む
■人文主義者のジャン・ジョルジョ・トリッシーノは、アンドレア・ディ・ピエトロ・デッラ・ゴンドラという一人の石工に、古典の教育を授けようと決意しました。数学、音楽、ラテン文学、古典主義の思想などについての訓育の結果は、やがて建築史上ひときわ大きな意味をもたらすこととなります。
15世紀、ヴェネツィア共和国の統治下におかれたルネサンスの都、ヴェネト地方とトレンティーノ地方を結ぶ街道の要所、ヴィチェンツ . . . 本文を読む