■このテキストのタイトルに、結局「予告」という言葉を使用することにしました。「死の知らせを受けること」としたほうが、穏当でいいのですが、「死の知らせ」には別の意味がつよく付帯することが気になったのです。
このテキストについて、私はいろいろといいたいことがあり、しかしこの時期、本業のほうが大変多忙になってきており、今回は部分的なアップにとどめます。
〈死の予告を受けること〉_1
〈死の予告を . . . 本文を読む
■――予知の成立には、また確率の問題も含まれているに違いない。百のことを予知して、結果的にひとつのことが予知的に成立したとき、そのひとつ以外はすべて忘れ去られる、ということが考えられる。さらには、あるひとつのことを、あるゆらぎを認めたまま予知したとすると、現実の到来にしたがって具体化するその程度に応じて、ゆらぎにおけるさまざまな可能性をしだいに限定してゆき、やがて「決定的」な予知内容を外在的に確認 . . . 本文を読む
■ビル・パクストンによる2001年のアメリカ映画《フレイルティー/妄執》は、物語の内実のみによって作品の水準を切り上げています。VFXや特殊メイクなどの視覚効果に頼ることなく、あるいは音響効果や編集テクニックなど、制作費をつぎ込めばそれなりの演出効果を得ることのできる手法にはしることもなく、物語のもつ本質的な部分の魅力のみによって成立させています。
この低予算映画は、最初は小さな映画祭に出品され、 . . . 本文を読む