人生の謎学

―― あるいは、瞑想と世界

瞬篇小説 《夢魔》

2014-01-12 00:13:13 | 短編小説
「うぅっ――」  彼は自分のうめき声で、冥界のような眠りの世界から目覚める。  夢で通り魔にあい、夢のたびごとに刺されていて、こと新しく傷をおっている。何日もそんなことがつづき、やがて自分が夜ごと殺されていく場面だと思うようになった。―――― 瞬篇小説 《夢魔》 . . . 本文を読む

詩 ―― 日常の冒険

2014-01-11 00:13:57 | 
個人的な信条や認識の発見、生活上の工夫などは、もっぱらその問題を解決するために考えつづけた結果、なんらかの言葉として定着することによって齎される。 しかし言葉が指向する合理性や利便性や完璧性などは、決して究極的な地点に到達することはない。 詩にも言葉の発見が不可逆的に生成流転し、たえず流動しつづけている。 言葉が示す静的な様態を表現したいのではなく、動的な言葉のそのときかぎりのニュアンスが、事象に . . . 本文を読む

詩 ―― きみの睫の対岸で

2014-01-10 00:30:00 | 
ある女性にとって、どんなに交際を重ねても、どこかで関係を拒否するような男性、Hがいるとする。 他方で、出会ってすぐに運命を変えるほどの精神の交流を交わした男性、Kがいるとする。 常識的には、日常レベルの人間関係でも、恋愛の場合でも、女性にとってHは敬遠すべき相手で、Kこそはかけがえのない男性だといえる。しかし、女性が無意識のうちにHに対する想いを捨て切れずにいるとしたら――。 〈きみの睫の対岸 . . . 本文を読む

詩 ―― とるにたりない秘密

2014-01-09 00:16:18 | 
このことではけっこう長いあいだ考えをめぐらしてきたものの、結局、確かな手ごたえを得ることはできず、しかしまんざらでもない。 問題の解明にとっては傍流かもしれないが、マンガのようにわかりやすく、沈潜するのを拒否しているところが捨てがたい。 〈とるにたりない秘密〉 . . . 本文を読む

詩 ―― 突破者

2014-01-08 04:10:15 | 
目前に解決すべき問題があり、差し迫っているとき、そこでは人生において、ある普遍的なことが試されている。 人生を投げ出した人間は真剣に悩もうとはしないから、問題を解決しようとする意欲は、健全さの尺度となるかもしれない。 〈突破者〉 . . . 本文を読む