日記 08-11-27 ―― 本棚のあれこれ -1

■なぜ大変な思いをしてまで、自分で本棚をつくるかといいますと、自分が理想とする書籍の収納形態を実現できたときの達成感が、やはり忘れられないからです。

――市販の本棚は、贅沢な木材を使用した高級品は例外として、棚板の中が空洞になっていて、最低限の強度だけをバーチクルボードなどで補強しているものが多いようですが、あれでは大量の書籍を収納すると、いずれ板が重みで湾曲してきたり、ひどい場合には止め具がはずれてしまいます。またほとんどの本棚が、板幅が必要以上にあって、ムダに場所をとるように感じられます。

ちょうど去年のいまごろ、はじめてつくった本棚は、おもに国内作家の単行本の収納だけを目的にしたもので、背板をつけなかったため、とても安くでき、しかも収納能力の高い本棚をつくることができたのです。棚板はホワイトウッドで、床から天井までおよそ2.5メートル、幅のべ7メートルで三万円ちょっとの材料代でした。



その後もいくつかの本棚をつくったのですが、最近、とても満足できる仕上がりの本棚が完成しました。
この本棚の場合は、背板をつけて、いくつもの「箱」をつくり、それを壁にはめこんでから、合体補強するというやりかたで、組み立てました。9ミリ厚の背板を、壁の間柱でビス止めしているので、強度は抜群です。棚板は19ミリ厚のパイン集成材を使い、もちろん塗装もしています。材料代は六万五千円ほどです。
いずれにせよ、この本棚はなによりも、収納する書籍のさまざまなサイズにあわせて段高さを決め、天井すれすれまで、ムダなく収納できたため、その収納力には驚きすら感じます。



この場所に収納する書籍は、大型サイズの雑誌――大好きな家庭画報や和樂やカーサブルータスや芸術新潮やモダンリビングやエル・デコや別冊太陽――など、ほとんどの場合、欲しい記事だけをスクラップするまでのあいだの収納ですが、――それから若干の単行本、そしてなにより、文庫と新書を収納することを目的に、はじめからレイアウトしてみたのです。



四枚目の写真の、DVDプレーヤーの後ろに並んでいる箱入りの書物は、「運命学」の専門書で、信じられないかもしれませんが、全十一冊揃でなんと百五十万円します。もちろん定価では買っていませんが、ふしぎな経緯があって私の所有となりました。



――さてやはり、こういうところでイメージの連想のまま、あれこれと思いついた書物に手をのばして、おだやかな気持ちで瞑想にも似た時間をすごすことは、私にとって得がたい逸楽のひとときです。