人生の謎学

―― あるいは、瞑想と世界

成功と悲運 ―― 有為転変の運勢

2008-11-14 00:07:38 | 四柱推命
 魁罡とは、生日の干から地支をみて、戊戌、庚戌、庚辰、壬辰となるものをいい、とくに日干からみて生月の支に魁罡をひく格式を〈魁罡格〉という。つまり、〈魁罡格〉は月支をみるが、神殺としての魁罡は生日の干と支の関係のみをとり、魁罡が日支に帯びる場合は〈魁罡日生れ〉ともいう。たとえば、日干庚は、生日地支に戌か辰をみる場合に〈魁罡日生れ〉となり、生月地支に戌か辰をみる場合に〈魁罡格〉となる。もし庚辰日生れであると同時に戌月生れでもあれば、〈魁罡日生れ〉であると同時に〈魁罡格〉となるわけである。――それ以外の天干地支にたとえ戊戌、庚戌、庚辰、壬辰の組合わせがあっても、魁罡とはならない。またここで注意したいのは、〈魁罡格〉は〈魁罡日生れ〉であることを条件にしているということである。
 魁罡においては、辰を天羅、戌を地網といい、辰と戌はともに十二支のなかでもっとも気性が激しいため、忌み嫌われる。天羅地網については、西北方位は六陰の終わりとして天羅と称し、東南方位は六陽の終わりとして地網と呼ばれるが、推命学的に男性は戌亥を忌み、女性は辰巳を嫌うとされる。命式上「年月」と「月時」にあることを恐れ、凶暴悪運の神である。何事も障害にあいやすく、金銭に苦労するなどのことがいわれ、とくに女性の場合は夫婦間に異変があるか、子運についての望ましくない暗示がなされる。――魁罡については、男命――陽は天羅の戌を忌み、女命――陰は地網の辰を忌むことになる。「日干得輔佐者衆、必是福人」といわれるが、その運勢の発現、趨勢において、有為転変がはなはだしく、栄枯盛衰の両極を擁している。極端から極端へと、変化変動の振幅が大きく、後天で刑冲運を迎えると、厳しい境涯を強いられる(「日帯魁罡遇刑冲、乃貧寒之士」)とされる。かかる悲運にあっては非業の死もありがちなことで、後天運もさることながら、身旺身弱を弁ずることが重要である。
 魁罡の人は文化文章をよくし、聡明利発にしてときに決断力がある(「魁罡主人聡明、臨時有断」)ものの、それが災いして不測の災厄に遭うこともあり、異常な才能を有した文化人、作家、芸術家のなかで、魁罡を持して自殺を決行した者(ここで誰とはいえないのが残念だが)も多い。

 魁罡吉運にあっては、身旺地で首尾、機宜は異常なほどの発達、発福百端となることがある。理屈からいえば、おそらくは〈魁罡日生れ〉よりも〈魁罡格〉のほうが発現性は高いのだろうし、もし身弱で魁罡を帯び、しかも〈魁罡格〉であるとすれば、凶意の暗示ははなはだしく、女性であればなおさら、孤独煩悶、非業、事故遭難の悲運がことさら強く示唆される。要するに、身弱な女性が持つべき神殺ではない。

 また魁罡は、身旺命における天貴の質、厳格であったり礼儀を重んじる性質として発現し、ここでも気性の激しさゆえに、ことにより残忍な性格を帯びるようである。
 陰陽五行の理法から考えて、異常開運の条件として印星との関係を無視することはできず、命式においても後天運においても、これをみずに財星や官星と対峙すれば、凶意は多端となる。

成功と悲運 ―― 有為転変の運勢__1


成功と悲運 ―― 有為転変の運勢__2



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