カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

「容疑者Xの献身」東野圭吾

2023年04月03日 21時48分59秒 | 本 / BOOKS

2005年発行、東野圭吾の推理小説。
探偵ガリレオシリーズの3作目。

帝都大学物理学助教授の湯川学(通称ガリレオ)、
同級生の刑事・草薙、そして湯川のライバルだったが、
不遇の人生を送る高校の数学教師天才数学者の石神哲哉。

最初に殺人事件が起こる。犯人も動機も状況も
始めの時点でハッキリしている。この作品の面白さは、
犯人を庇ってアリバイを偽装する協力者(共犯?)が、
何をどうしているのか?

警察を誤った方向へ導いてしまうところが、
普通の推理小説と違っているのだ。

高校教師の石神は天才数学者であったが、
家庭の事情から数学者になれず高校教師になっている。
アパートの隣に住む花岡靖子に恋心を抱いている。

靖子は娘の美里と暮らしながら弁当屋で働いている。
靖子はバツ2で美里を連れて富樫慎二と再婚したが、
富樫は最低な男でまともに仕事をせず離婚に至った。
その後も富樫は靖子に付きまとい、靖子は逃げるようにして、
現在のアパートに引っ越し生活をしていた。

しつこい富樫が靖子の前に現れ、
靖子と美里は富樫を殺してしまう。
そこへ隣の石神が訪ねて来て(隣室の物音で気づく)、
二人を庇うために知恵を授ける。

石神は天才的な数学の頭脳を駆使して、
草薙ら警察を翻弄して行く。
草薙から話を聞いた湯川が旧友の石神を訪ねた事から、
石神の完全犯罪が崩れて行く。

ただし証拠はない。石上は証拠が残らないように計算していた。
湯川は旧友が才能を犯罪に使っている事にショックを受けるが、
その理由が靖子への献身的な愛情である事を知り、
なんとか辞めさせるように働きかけて行く。

最後は本当にえっ!と言うような展開に・・・。
石神の考えたトリックと言うか筋書きは凄い。
誰も考えつかないと思うから凄いのだけど。

 珍しく自分の身に置き換えて考えてみた。
 私が靖子だったら・・・自分は男運がない。
 石神とは家族でもなければ恋愛関係でもない。
 しかし石神は自分が犯した殺人を隠滅してくれた。
 石神の筋書き通りにすれば、幸せをつかめるかもしれない。
 しかし自分は石神の人生を台無しにしてしまったし、
 その人生と引き換えに幸せを手に入れていいのだろうか?
 でも自分が殺人を犯した事を自供したら、
 自分を幸せにしようとした石神は嘆き悲しんでしまう。

 石神を不幸にして自分が幸せになっていいのであろうか?
 でも石神はそれを望んで罪を被ってしまった・・・。
 自分は本当の事を言わず幸せになれるだろうか?
 たとえ幸せを手に入れても石神の事や犯した殺人を忘れる事はない。

 最終的には靖子の出した結論になる・・・。
 真実を曲げる事は出来ないから。

 これガリレオシリーズの中では一番かも。
 まだ全部読んでないけどね(笑)。

2008年に福山雅治主演で映画化され、
2012年に韓国版、17年に中国版で映画化されている。
舞台でも演じられている名作。

 

 

 


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