カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

【インド映画】 ~ウスタード・ホテル~

2020年09月13日 22時17分59秒 | 映画 / MOVIE

1991年のマラヤーラム語映画。
マラヤーラム語は2単語しか知らないので、
ヒンディー語吹き替え版で観た。

タイトルはマラヤーラム語でマスター食堂。
インド全土ではないが、ホテルとは食堂を指す事がある。
特に南インドで多いようだが、私はラジャスタン州ジョードプルで、
宿泊するホテルを探している時、この辺で良いホテルはないか?
と尋ねたところ、ベジか?ノンベジか?と聞かれた経験がある。
ゲストハウスやロッジなどと言い換えたけど。

  <ストーリー> 

ある日のケララ州、あるイスラム教徒の家。
妻ファリーダ(プラヴィーナ)が子供ができたと、
夫アブドゥル(シッディーク)に耳打ちする。
アブドゥルは男の子の誕生を待つ事を話す。

そして出産の日・・・看護師が女の子だと告げると、
アブドゥルの表情が曇る。
そして二人目も三人目も四人目も女の子だった・・・。

5人目の妊娠を知った時、アブドゥルはドバイに出稼ぎに行く。
5人目は待ちに待った男子だったが、
ファリーダは役目を終えて力尽きたように死んでしまう。

アブドゥルは5人の子供をドバイに連れて行く。
姉達が力を合わせて弟ファイザル(ダルケル・サルマン)の
面倒を見た。ファイツィは料理が好きだったが、
父は良く思わなかった。

やがて父親はビジネスで成功し、成長した姉たちは結婚。
ファイザルはシェフになりたいと言い出せないため、
5つ星ホテルをオープンさせるためホテル学を学ぶと言い、
スイスのローザンヌ大学へ進学する。3年後・・・
インドに戻ったファイザルに父は友人の実業家の娘シャハナ
(ニティア・メネン)との縁談を勧める。

ところがホテル学ではなく料理の勉強をした事がバレて、
料理人の地位は低いため破談になり父親は激怒し、
財布とパスポートを取上げてしまう。ファイザルは、
こっそり抜け出してケララ州カリカットの祖父の元へ向かう。
祖父のカリーム(ティラカン)は地元で35年間、
ウスタード・ホテルを経営していたが慈善活動など行っており、
経営は厳しかった。

祖父の元でしばらく学び、隣の5つ星ホテルに採用される。
ところがホテルの拡大計画のため借金のあるウスタード・ホテルの
敷地を買収する計画があり、衛生問題があるとして営業を禁じる。
ファイザルは従業員からお金を集め店を改築し営業を再開する。
そしてフージョン・フェスティバルの為に訪れていた、
フランス人シェフに腕を買われてマルセイユのレストランに、
採用されるがそれを聞いた祖父は心臓発作で倒れてしまう。

祖父はファイザルに自分が支援しているタミルナドゥ州マドゥライの、
友人を訪ねるように言う。そこでは障害者や貧困層の人に無料の食事を
ふるまっていた。それを見てファイザルは祖父が言っていた言葉を、
思い出す。「誰でもお腹を満たせるが、料理をする人だけが、
心を満たすことができる。」

ファイザルはシャハナと結婚し祖父の店を引き継ぐ。
ファイザルの父親も理解を示しドバイに支店を出すまでになり、
店は順調に繁盛していく。

 インドでは女の子は嫁入りの時に持参金が必要となるため、
 マハラジャでも3人娘がいると破産すると言われ、
 男の子が好まれている。そのため本来禁止されている、
 妊娠中に性別のチェックして女の子だと解ると中絶したり、
 また女の子は生まれた時に殺されてしまう事もある。
 とある州では男の子100人に対し女の子の出生が83人となり、
 結婚したい男性が余っている状況である。

 この映画のように職業による差別がなくなり、
 自由に職業が選べるようになる日は遠いかもしれないが、
 ゆっくり変わっているようにも思える今日この頃である。

「誰でもお腹を満たせるが、料理をする人だけが、
 心を満たすことができる。」その通りである。

コメント
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