カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

信仰と奇跡(その②)

2005年09月13日 21時06分59秒 | 病気 / SICK
母の信仰と奇跡については以前にお話しました。

7月に悪性腺種と診断された当初は、
手術も出来ないほど進行していると言われました。
しかし検査の結果、手術出来る事になりました。
最初の奇跡です。

8月3日、とても難しい手術の途中で大量出血した時・・。
3000CCもの輸血を乗り越え、意識が戻りました。
これが、2度目の奇跡です。

そして容態が急変し、私が東京から呼び戻された時。
腸内で出血が起こり数日間に渡って、輸血を繰り返したのですが、
どうしたわけか、また出血が止まったのです。
お医者様も原因不明と言う、3度目の奇跡

手術の結果ですが、母の癌は転移していました。
その癌の1/4は、摘出できずに体内に残っています。
それでも、誕生日を迎えられた事が、4度目の奇跡でしょう。

手術後1ヶ月して、転移の状態を検査したところ、
なんとそれ以上は、転移していなかったのです。
これが、5度目の奇跡

その残り1/4の癌に対しては、放射線治療をすることになりました。
悪性腺種は、粘液を吐き出すと言う性質の悪い癌ですから、
抗癌剤は効かないので、
残された治療は、放射線治療しかありませんでした。

放射線治療が始まりましたが、副作用等は起こっていません。
何度も奇跡を起こした母ですから、
きっと・・神様が見守ってくれているのでしょう。

      

病室にいると、いろんな人がお見舞いに来てくださいます。
先日、こんな人が来ました。
その人は母の友人で、ある宗教を40年以上も信仰されていました。
その人がこう言ったのです。

 「放射線治療なんかすると、寿命が縮まる。今すぐ止めて退院しなさい。」
 「私は知人の癌を治した。退院して信仰すれば、癌は必ず治る。」
 「あなたは、私の言う事に耳を傾けるべきだ。」

この人は、以前にも私や叔母に対して、同じ事を言った事がありました。
叔母は真に受けて母や私に忠告してきましたが、
私はその人の意見に同意できなかったので、
叔母にも自分の考えをハッキリ伝えましたし、
もちろん母には何も言いませんでした。

この日は、執拗に何度も何度も母に言っていました。
母は私と違って善人ですから、頭から否定せずに、
「考えておくから。」とか「後で先生と相談してみるから。」
などと上手くかわそうとしていました。

しかし、きっぱりと断らないと、
今後もお見舞いにやって来ては、しつこく同じ事を言うでしょう。
そうなれば、病気の母の負担になると思った私は、
勇気を振り絞って言いました。

 「退院したらあなたが責任を持って、母を治してくれるのですか?」
 「無責任な事を言わないでください。」
 「赤の他人に、そこまで言われる筋合いはありません。」

この後、その人はお見舞いに来ません。
信仰とは、個人と神様との間の問題です。
母の信仰は、ゆるぎないものです。
そこには、何人たりとも入る余地はないのです。
コメント
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