瘤取り晴明/夢枕獏/文春文庫
タイトル通り、瘤取り爺さん、の話。
「陰陽師版」瘤取り爺さんといったところ。
今までの「陰陽師」とは違って、本書は絵物語なのであっという間に読める。
今朝から読み始めて、帰りの電車内、降りる3駅手前で読み終えた。早っ。
陰陽師の何がいいって、文のリズム。ぶつぶつに切れているわけではないけれど、句読点がほどよく散っていて、いいタイミングで絶妙の合いの手が入る感じ。
相変わらず映画の影響が大きく、野村萬斎(晴明)と伊藤英明(博雅)がおいらの頭の中に出ずっぱり。こりゃもう不動ですな。
特に今回、博雅が笛を奏でるシーンの描写が美しい。
こういうのは映像にはしてほしくない。ただ文字の並びを追いながら、読む人が音にならない博雅の笛を聴いていればいい。
博雅が、静かに笛を吹きはじめた。
笛の音が、するすると天に向かって月光の中を昇ってゆく。
(「瘤取り晴明」本文より)
いざ聴かん、鬼が揃って涙した博雅の笛を。
…なんちって。
タイトル通り、瘤取り爺さん、の話。
「陰陽師版」瘤取り爺さんといったところ。
今までの「陰陽師」とは違って、本書は絵物語なのであっという間に読める。
今朝から読み始めて、帰りの電車内、降りる3駅手前で読み終えた。早っ。
陰陽師の何がいいって、文のリズム。ぶつぶつに切れているわけではないけれど、句読点がほどよく散っていて、いいタイミングで絶妙の合いの手が入る感じ。
相変わらず映画の影響が大きく、野村萬斎(晴明)と伊藤英明(博雅)がおいらの頭の中に出ずっぱり。こりゃもう不動ですな。
特に今回、博雅が笛を奏でるシーンの描写が美しい。
こういうのは映像にはしてほしくない。ただ文字の並びを追いながら、読む人が音にならない博雅の笛を聴いていればいい。
博雅が、静かに笛を吹きはじめた。
笛の音が、するすると天に向かって月光の中を昇ってゆく。
(「瘤取り晴明」本文より)
いざ聴かん、鬼が揃って涙した博雅の笛を。
…なんちって。