オレンジ色の紫陽花

携帯から軽快に綴るおいらの日々。
…だったのだが、ツイッターのまとめブログに変更。極稀にこっち単独の記事もある、かも。

マユミ

2007年01月20日 17時51分35秒 | 千紫万紅

携帯で拙者!いや違う、接写!

ひとはだれもみな
それぞれの悲しみを抱きしめ
いつも夢を見てるよ
きっとだれかに小さな叫びが届く日まで
(「まゆみ」song by KAN)


あかんべえ(上・下)

2007年01月20日 11時25分38秒 | ほぼ、文庫本
あかんべえ(上・下)/宮部みゆき/新潮文庫

通勤のお供に読み始めて、二日間の往復で上巻の残り2頁まで読んだ。
ら、どうにも止まらなくなって、ついに夜更かしをしてしまった。
それでも足りなくて、早起きして漸く読了。こんなん久し振り!

解説で菊地秀行がいうように、この本全編にあるのは「健気」というものだ。
それだから宮部みゆきの(本書に限らず近頃目にする作品の)主人公は子どもなのかなと思った。
まだきっと白目は青く澄んでいて、見るものをまっすぐに写し返す。
そういう目を持ち、そこに写ったものをそのまま受け取る、それが健気というものではないか、と。

長編故にちょっと説明くさく、冗長に感じるところもあるけど、そこはやはり長編だから!
下巻の後半で、事件が解決に向かい、それにつられるようにして
本書全体の大きな事件と、その中に埋め込まれた、その根底に根を張る、人間の業、
というものの後始末に繋がって大団円、という展開がすごい。
ついて来いよ!と叱咤する声がしそうだ。これをしっかり読まなきゃ駄目だよ、と。
上巻の冗長感はここで帳消しだ。そうか、これを書くための前振りか、と。

おりんはどこまでも健気でまっすぐだ。
生まれ落ちてすぐの赤ん坊は誰でも等しくそうであるように。
が、それを貫き通せる人は稀だ。ほとんど有り得ない。
が、皆無ではない。
でも、自分自身は既にそうではない。
けれど、まだ、そこに向かうことは出来、近付くことが出来る!と思わせる本。
ややこしい書き方だが、そういう風にこれこれの反対、の反対、の反対、の反対、の…
と揺れ動くところもまた、人間の業と言えるかもしれない。

作者が書いている。
どうしてそんなことが起こるのだろう。どうして幼くして死ぬ子がいるのだろう。どうして人殺しがあるのだろう。どうしてそれを、仏さまはお許しになるのだろう。
「おりん、ついてくるなぁ!」お梅は声を嗄らして叫んだ。「大っ嫌いなおりん、おまえは生きているんだから!」
そうだ。おりんは生きている。生かされている。今まで、ずっと。これからも、ずっと。

涙がじんわり、きた。

ブラインド・ゲーム 3

2007年01月20日 00時48分55秒 | 漫画だって本だし。
ブラインド・ゲーム 3/碧也ぴんく/集英社(ホーム社漫画文庫)

キーワード/毛野、染色体異常、寺、ファンキーな住職、ネットアイドル

まずのっけから済みません。おいら、前回大ボケかましてました。
…2巻に出てくる「礼史」くん、毛野じゃありませんでしたー!
なんてこったい!!(いや、俺が)
そうだよな、そうだよな。
あのキャラクターで毛野ってのは、どうにも違和感あったんだよな。
とか言いつつ、二重人格が「らしい」とか言ってたのは誰ですか。
ええ、おいらですともさ!(やけくそだ)

今回もね、読む時にね、まだ「礼史」が毛野だと信じ込んでいたもんで、
どうにも出てきたキャラが大角っぽくないなあ、見た目からなにから、
しっかりがっつり毛野じゃん、大角がネットアイドルって…
とか思ってたんですよ。
(この辺、八犬伝を知らない人は、分かりませんやねえ…)

どこで気が付いたかって?
読み終わってからですよ!(爆笑)

ああ、小文吾であるところのヤスは、相変わらずセリフ少ないしさ、
なんだかもう、すっかりその他大勢キャラだしさ、
なんだよなんだよ、畜生!

話の展開が、この巻に入ってごとん、とランクアップする感じです。
いろいろ考えさせられる事もあります。
どこが、て、いろいろだよ、いろいろ。
なんていうかね、えーと、この漫画、ほんとに良く出来た話で
(って偉そうだな、おいら)
キメラとか遺伝子操作とか隕石が衝突して日本が二分とか
多分、好きな人にはたまらんキーワードがてんこもりだと思います。
っていう紹介の仕方もどうなんだ。
で、読むうちに、生きるとは、とか、人って何、とか、
そういうことを考えたくなるので
八犬伝をまったく知らない人も、よく知ってる人も、
キメラだのなんだのって言葉に敏感な人も、そうでない人も、
おすすめしたい。
また、漫画なんて、っけっ、と思う人には、このストーリーていうか
漫画であることに目を瞑って、話として、読んでほしい。
表現方法が漫画てだけで、話として充分大きいていうか重い話だと思う。

ちなみに、今回3巻4巻が同時発売されてまして
続けざまに読んでしまいました。
それもあって、急展開ぶりに目を回しているのは、おいらです。
へ(@_@)ノ…きゅー…