オレンジ色の紫陽花

携帯から軽快に綴るおいらの日々。
…だったのだが、ツイッターのまとめブログに変更。極稀にこっち単独の記事もある、かも。

ゆめつげ

2006年11月20日 22時57分54秒 | ほぼ、文庫本
ゆめつげ/畠中恵/角川書店
キーワード/神官、夢、江戸末期、札差、一人息子、辻斬り、浪士

作者名で即借りてきた一冊。(万歳、図書館がまあそこそこに近くにある生活!)
この人の作品は文庫で2冊持ってる(もうすぐ新刊が出ます、勿論買いますったら)。妖しのもの達のわんさか出てくる捕物時代劇。これがまた、脇にいいキャラが揃っててねえ!…いやいや、今はそっちじゃなくて。
本書も「ゆめつげ」という、常人にはない力を持つ神官が主役の話。夢占や予知夢みたいなもんですな、そう言い切るには語弊があるけど。それを使って、札差の大店の一人息子を探し当てる。そのうちに人が一人、また一人と殺されていき、捕物調の話になるのかと思いきや、江戸末期という世情までもが絡んでくる。いやはや、読み進むのにちょっと難儀しました。その分、読んだー!感(充実感て言えよ)が大きかったな。でも、正直、話が込み入り過ぎててしんどかった。…ってどっちなんだよ!
江戸末期の話というと、やれ佐幕だ勤皇だ新撰組だ薩長だ、白刃煌めく血煙上がる、世はまさに戦国乱世の如く、…みたいな話が多うございます。が、刀も持たずお上も遠く天子様など雲の上、お天道様を見上げて暮らす日々を繋いで幾星霜、みたいな市井の人達にも、それぞれに等しく幕末の世はあったわけで。本書は、それを垣間見るような話でもありました。
…でも、おいらはやっぱり、たとえ表面的にしても平穏な江戸の世で、平穏だからこそ見える心の闇やこの世ならぬもの達の話、というのが好きだな。(早い話、「しゃばけ」から始まる妖しの物語のシリーズを読みたいわけだ!)(いやだから、今週の金曜日には出るって!)

ガールズ・ブルー

2006年11月20日 20時38分03秒 | ほぼ、文庫本
ガールズ・ブルー/あさのあつこ/文春文庫
キーワード/女子高生、17歳、ダイヤモンドと石炭、携帯、退学、万引き、売り、振られる、夏祭り、海、殺された猫、入院、犬

なんか、キーワードだけ見てるとストーリーが浮かんできそうだなあ。
あさのあつこの文庫本だってんで、平積みを即買い。ハマっているわけではなく、興味があって。「バッテリー」の作者の違う本てことで。…バッテリーはがんがんに売れてるし、図書館行っても揃ってないし(常に何巻目かは借りられてる)、といって文庫本を出てるだけ全部大人買いするほど散財できない!でもあさのあつこはかじってみたい。てことで。(この前の「No.6」は失敗した。一冊買ったつもりがシリーズものだった。)

さらっと楽しめました。なんたって、今日の通勤往復と帰宅後の数分間、合計40分くらいで読めたもん。さらさらっと。
若者の日常。17歳という時間空間の切り取り。かと言ってこれをそのまま今の子はそうなのか、と思うことはないし、大半がこうなのか、とモデルにすることはないし、おいらの時はどうだったかなあ、と自らを振り返ることなんてないし、比較もしない。それはそれ、これはこれ。本書は女子高生を題材にした小説だ。…というより、プロモ?(笑)
それなりに事件(か?)はあって、日常の中に個々の抱える悩みは確かにある。それを大きい小さい言うのはなんかちゃうやろと思うから言わない。悩みは悩みだ。いいんだよ。いいんだ。いいんだけど、わざわざ小説にするか?とも思う。
例えば同じ女子高生が主体となったもので、日常(だけやないけど)を扱ったもの、事件(これは正に事件!)や何やかやに巻き込まれる中から何かを得ようとする、「それでもあたしは女子高生だ」みたいなものなら、桐野夏生の「リアルワールド」がある。これを小説として買って読むなら納得する。
本書はなー、んー。んー…。…んー…。
これが「ヤングアダルト」と括られるものなのか?いいのか?こんな淡くて?重いだけが日常(現実)ではないとは言え?
…いいのだろう。だって「ヤングアダルト」なんだから。