goo blog サービス終了のお知らせ 

暁の広場

最近凝っているジオキャッシングの話題や真空管アンプ、料理、独り言のページ

大容量発動発電機

2012-08-06 17:57:38 | エレクトロニクス

一般家庭に発電機の用意などちょっと前まではキャンプ好きのお父さんか夜たこ焼きを売る職業の方ぐらいもしくは防災オタクであろう。

我が家にも4-5年前から900Wの発電機を用意した。これはアマチュア無線の移動運用用であったり騒音撒き散らす電動工具をご近所へ迷惑にならないように使う為であったり勿論災害対策用でもあった。

3月11日の東日本大地震の日は絶対電気、ガス、水が止まると思い。家族の無事を確かめた後は家庭内インフラのバックアップを用意した。水、食料、カセットコンロ、バーナー、ガソリンランタン、発電機、鉛バッテリーとインバーター、照明、無線機など。しかしどれも使う事態にならなかったのは幸いだった。備えあれば憂いなし 最近はボーイスカウトのモットー Be Prepaired(備えよ常に)が自分のモットーとなってしまった。

 さてひょんな事からオークションで大容量発電機を落札する事となってしまった。実はこんな低価格では落ちるはずがなかろうとポチしたものが落ちてしまったのである。

 不人気だった理由は中国製であった事と120V/240Vそして説明にはインバーター式ではないと思うの一言だったらしい。発電機の使用にあっては電圧・周波数は使用目的によっては致命的。実は私もあまり乗り気ではない入札であったのです。

 まあこれほど安いなら発電機のバックアップにでもと。。。。重量物でありながら熊本からは3日目に到着。始動動作は確認されているようですがとりあえず動作確認を。。。。

 セルスターター併用ですがハンドスターターで数回クランキングすると元気良く回り始め発電機能も特に問題ありません。

 これはラッキー^^ キャスターのぐらつきがあったので締めなおしの為側板を外してみると見慣れない巨大ヒートシンクと巨大コイルが見えます。これはインバーターではないか!中華製発電機の仕様書ではインバーター式発電機と記載を見かけません。digital generatorの記載が多く日本メーカーのようなインバーター式とは呼ばないのかもしれません。この為出品者はインバーター式では無いと考えたらしい。。。

 通常の発電機とインバーター式発電機とでは何が違うのでしょうか。 一番の相違は電気の質にあります。通常発電機ではエンジン回転数によって絶えず周波数(50・60Hz)や電圧が変化し高負荷が繋がるとエンジン回転数はがくっと落ち回転数を上げる調節機構ガバナーが働くとまた回転数が上がります。50Hz発電機と60Hz発電機の比較では明らかに60Hz発電機がエンジン回転数が高く音もうるさい。。その反面回転数が高い分発電エネルギーが大きいのが特徴です。

 これは大きな電圧変動や周波数変動を嫌う電子機器等には適さない事になります。波形も歪が多く電気の質としては良くありません。照明や電動工具など余り電気の質に依存しない機器には大した問題となりません。

 インバーター式は発電した交流を一度直流に変換しさらに制御を加えた交流とする事で質の良い電気を得る事が出来ます。電圧も周波数も電気的制御をし波形も綺麗なサイン波が可能で最近の発電機はこちらが主流ですが確かにコストも高い。。。 電圧・周波数制御は電気的に行うのでエンジン回転数にはあまり依存せず従って負荷に応じたエンジン回転数の制御が可能となります。つまり負荷が小さいときは低いエンジン回転数で高負荷では回転数を上げエネルギー量を増やす。これは燃料消費率から見ると都合の良いエコ運転モードが可能となります。本機も自動エコモード切替スイッチがありました。

 さて次の問題は国内商用電圧100Vから高い120V(115V)の規格です。もともと海外仕様の発電機であるのでこれは文句の言えないところ。。。アメリカ・中国などがこの規格です。100Vからプラスマイナス10%程度は家電の種類にも寄りますが大した問題となりません。PC機器などはスイッチング電源なので海外でも使用できるよう広範囲な電圧に対応するものがほとんど。。。しかしながらこの電圧差は家電機器の寿命を縮めたり故障の原因にもなりうるのでインバーター回路を見てみる事にしました。

 インバーターは電圧と周波数を電気的に制御する部分で輸出国仕様により基板はこの調整のためにVRや抵抗等が分りやすく交換しやすいように付いてるはず。。。。

 その前に始動させて電圧をチェックすると。。。。99.1V? なんと100V仕様ではないか!苦労してインバーター基板を外す必要もありません。最後の問題は電源周波数です。厄介な50Hz60Hz問題で同じ国で周波数が異なるのは世界的に見ても珍しい。。今回の原発事故問題でも電気の足りないエリアに簡単に送電できない問題が指摘されています。これは日本が発電機を輸入した際ドイツとアメリカの発電機を無秩序に採用した為で解消する為には入れ替え期間中電気の供給停止がまのがれず実現不能と言われています。

 最近の家電機器の多くは両対応ですが周波数に依存する生産工場のモーター等はどうしようもありません。先を読まない場当たり政策はこんな昔からあったのか。。。。

 次は発電機の周波数確認、、周波数の測定には周波数カウンターが必要です。但しテスターで電圧を測るようにはいかず測定器の入力電圧を守る必要があります。100Vから1V程度まで落として測定します。通常は高圧プローブかトランスによる電圧変換。。。オシロとカウンターと高圧プローブの用意をしていたらエンジン停止zzzz    ガス欠だ。。。

 発電波形と周波数確認はまたにする。。。。 周波数に関しては中華製は55kzと言うものもあります。これは50Hzと60Hz機器の許容誤差の一種両用を狙ったものでどちらも10%誤差です。。当面使用予定機器は50Hzでも60hzでも関係ないのでそのうち気が向いたら測定してみる。。。

 入手した発電機の定格は3.3KW 100V/200V(嬉しい)、重量55kg。騒音レベル55-58dB欧州米国の騒音基準を満たしており発電機にしては静か確かに消音機容積は大きいし内部も吸音制震材が多用されている。

 まあいつもの中華機器こき下ろしの楽しみが無くてはやってられません。。中華機器も千差万別、設計製作精度が欧米、日本に匹敵するような優秀なものからデッドコピーの粗悪品に至るまで。。。発電機で多いのは発電コイルの巻き線がアルミというものです。銅線とのコスト差は明らかですが最近は被覆が丈夫で実用に十分耐える製品もある事から一概に言えない。。

 粗を探さないと楽しみが無い。。。ありました^^ セルスターター用のバッテリーです。どうやら出品者は始動せずバッテリーを換装したようでGS PortalacPXL12072の中古品が付いていました。セルの回転に元気が無いのはこのせいか。。。?

 セルモーターのような瞬間大電流を必要とする機器には密閉型鉛バッテリーは余り適しません。過去この理解不足で何個のシールドバッテリーを駄目にしたかわかりません。規格からは始動に必要な電流はギリギリで繰り返すことはバッテリーの寿命を縮めるだけです。それよりも使ったエネルギーの充電に問題があります。PXL12072(12V7.2AH)では100%空からの充電は24H、50%からは22H推奨初期充電電流1.8A以下とあります。長時間発電機を運転させないと適正バッテリー充電量にならない。。。。但しオリジナルバッテリーは交換されて不明ですがここはバイク用等の鉛シールドバッテリーに交換すべきです。。何故か交換に最適なものが手元にあったりする。。。。 手動スターターがあるので大きな問題じゃないんだけど。。。

 今回は真に幸運な落札。。。ほとんど使われた形跡の無い新品同様品、落札価格は実勢価の1/10以下。今年分の運を使い果たしたかも知れない。。。こき降ろすどころか今のところ優秀な機器ではありませんか。。。

  

 

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿