暁の広場

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USB接続充電容量チェッカーKIT

2013-01-21 09:10:38 | エレクトロニクス

 B787バッテリー関係のトラブルに触発された訳では決してありませんがリチウム電池機器への充電状況を確認すべくUSB充電チェッカーを製作しました。

AssemblyDeskのKITは¥1900、秋葉原三月兎などの電子部品屋さんで入手ができます。両面基板へのハンダ付けだけなので30分もあれば完成します。回路図の添付はなく画像と部品指示のみで製作するので少し違和感があり小型の抵抗コードは非常に読みにくく苦労しました(老眼のせい)。

 電流計測 1~999mA 容量計測 0.01Ah~999Ah 電流計測の補正用VRが付いています。校正前初期状態では正しい測定値か不明です。取り説にもVR位置の指定や可変範囲等の説明が一切ありません。計測器としてよりはホビーとしてのKITであると伺えます。電流値の校正で随分信頼性が高まると思うのでその内やってみる事に。。。。

  さてUSBの充電とは。。。。電流を測るだけならUSBラインにコネクターを配して5Vラインの電流を読むだけでも事たります。しかしこのKITはリファレンス抵抗にかかる電圧から電流を検出しPICで電流表示しさらに電流と時間の積から容量を積算します。オームの法則で大変分りやすいですがPICでの仕事は結構複雑になっているようです。 容量=電流x時間ですが電池は充電が進むにつれ充電電流が減少(充電方式による)し単純に”初期電流x時間”では済まないからです。バッテリーの容量測定なら定電流負荷で放電による電圧の低下からくる電流の変化を一定にして時間を計測すればいいのですがこのKITはそれ以外にも使い道があります。

 様子をみていると積算値が充電が進むにつれ増え具合がゆっくりに。。。。電流値のサンプリングを取って時間軸と共に処理しているのでしょうか?中々面白い。。。

 最初はLEDディスプレイのリチウム電池の充電状況をチェックしました。これは海外製品で充電指示が”USBで充電できる”としか記載がなく充電時間や充電が自動でカットオフされるのか不明の機器でした。

 早速KITを介して充電してみると300mA~150mA程度を一秒ごとに変化して表示します。充電が進むにつれ電流値は減少し80mA~40mA位になった時一気に減少し充電を停止しました。どうやらこれは間歇充電、(擬似パルス充電)に似た動作のようです。連続で高電流充電よりは電池に優しいとか間歇的に電池を休ませながら高電流充電とか目的によって様々な使い方があります。ちょとマニアックな方式です。。。 とにかく繋ぎっぱなしでも機器側で自動的に充電を終了してくれる事が確認できて一安心。。。。。

 モバイル機器の充電は日常重要な事で最近の大飯食らい機器では関心事項です。外出時には充電用バッテリー持参は必須。。。。そこで電池の性能は。。。

 使用中のiPnone4SはiOS5.0以降のバージョンから充電電流が1A、iPadでは1.2Aとなっています。1A充電はバッテリーへの負荷が大きくバッテリーの優劣が分かれます。

 試験1号機 LISIRE 130(カイズ株式会社) 中華製で容量は2,200mA

                                                 出力最大 5V 1000mA

iPhone4Sでは電池容量 3.7V 1420mA(公称)なので充電側電池の公称容量が本当なら充電ロスを考慮して丁度1回分程度となるはず。。。

iPnoneの電池残10%から充電を開始(全く空では電池に過放電の悪影響があるため)チェッカーの充電電流は999mAつまり1A以上流れています。測定限界が999mA。。。充電開始後64分で999mA以下の表示をしました。さらに充電を続け84分後に充電が停止し間歇状態に。。。。これは規定電圧を割り込みiPhone側が充電を停止、負荷が切り離されバッテリーが回復しまた充電開始。。。直ぐに切れる状態でもっと軽い負荷ならもう少し充電できiPhoneではここで終了です。 バッテリーは1A出力を謳っているので此処で試験は終了し積算値は1.52Ah=1520mAhでした。公称値の2,200mAの70%しか容量が無い結果となります。

iPnoneの電池充電マークは8割ほど。。。残10%からでもフル充電できません。。。しかしこれは”あきばおー”の店頭に山積みされていたジャンク品で充電器付きで¥980 次の充電試験のモバブーでも触れますが充電電流が1A一時間以上とワンポイント充電では充電時間が早く価格の割には使い道があります。。。

 こき下ろしたい中華機器ですが安さに負け未だ捨てられない。。。。日本の有名メーカー品でもこの公称容量という点では中々満点に達したバッテリーに遭遇出来ないことは哀しい事です。。最近ではeneloopのAAサイズがほぼ公称とおりだった。。。

 定番モバブー SANYO KBC-L12B 3.7V 5000mAh(公称) 1A出力

5000mAhと容量記載がありますがちょっと注意が必要です。表示は3.7V 5000mAh 充電出力は5Vで3.7Vリチウム電池から昇圧デバイスや制御回路を通して5Vを作るため変換ロスが熱として生じます。この辺の表示の統一性が不透明。。。リチウム電池規格を表示しているのはむしろ正しいとも親切とも言えるが。。。

 空っぽになったモバイル機器がなく止む無く少し使ったiPnone4Sで電流を見てみると

 

 700mA程度。。。 モバブーの使用では中々フル充電にならないと感じていたのはこのせいだったか。。。使用感では前出充電池の方が充電スピードが明らかに速い。。1A出力とは謳っていますが少し控えめな電流制御です。但し負荷は空では無くKITの測定精度も不確かであくまで目安となります。KITの電流値校正が終わったら充電負荷の大きい状態で再度試して見ましょう。

このKITは楽しめました。。こき降ろす電池はないか。。。。。

【USB端子での充電について】

PCのUSB端子からのiPone等の充電について少し触れておきます。

USB1.0 USB2.0 USB3.0規格とPCによって様々ですが多いのは2.0規格でしょうか?プロトコールは転送速度について注目されますが電流規格についてはあまり触れられていません。当時はこれほど大電流の機器の充電用など想定外だったからでしょう。

 USB2.0までは1端子あたり0.5A

 USB3.0では         1.0A と決められています。

iPadの充電電流は最大1.2A iPhone iOS5.0以降では最大1A以上の充電電流が流れます。でもUSB2.0規格のパソコンのUSB端子に挿しこみ充電しても充電出来てしまうことから普通に行っているのでは・・・・?

規格では最大値を保証するもので規格を越えると直ちにシャットダウンとはなりません。そこには余裕(マージン)を見込んでおり耐久性や信頼性向上を図っています。しかし恒常的に無理な負荷を掛けることは決して好ましい事ではありません。特にノートタイプでは実装密度も高く部品の焼損などでは高額な修理となります。

特にUSBハブを接続して数台の携帯や外部機器の使用は何をかいわんやです。。。

  充電にはACアダプター等が適当でPCへの接続は充電量が多い時に限ったほうが余計なトラブルからの回避となり得ます。。。。   

  ACアダプターやモバイル充電バッテリーすべてに言える事ですが最大値を越えた電流への制御や保護回路が無いものは部品の焼損を起こす事によって電源供給元からの遮断をして火災やバッテリーの破裂を防いでいます。焦げ臭いや煙が出たは未だ良いほうで留守中充電機器から出火とかバッテリーが破裂とかは避けたいものです。充電器の規格にはご注意を。。。 タコ足充電はいけませんww