暁の広場

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MRE試食会

2013-05-26 22:39:37 | Weblog

2013年5月12日 都内飛鳥山公園でMRE試食会を開催しました。

自衛隊I型戦闘糧食

MREとはMeal Ready to Eat 調理しなくても暖めるだけで食べられる携行食の総称で戦闘糧食と訳されます。自己完結を求められる軍事組織等では食事も重要な装備のひとつでこれなくして活動は成り立ちません。その為お弁当とは異なる沢山の工夫が見られ国別の食事文化が色濃く反映されています。

 現代では軍隊であっても暖かい食事は基本で許される限り調理車両等の後方帯同があります。それらが出来ない状況では携行食(戦闘糧食MRE)の出番となります。古くはCレーション(分類は現代でもある)と呼ばれマズイ食事の代名詞でした。ところが最近では普通のレトルト食品どころか美味しいと言われるMREが。。。。

自衛隊II型戦闘糧食

MREはコレクションだったり災害用保存食だったりで収集しましたが期限も短くてハイキングやジオキャッシングでの消費が主で期限切れ多発。。。今回は新しいものを調達して試食会を催しました。

さてマズイ食事の代名詞といわれるMREですがUNCDAT派遣32カ国中MREコンテストで堂々1位を獲得した自衛隊戦闘糧食II型を中心にI型、米軍現用MREなどを試食。

自衛隊I型は缶詰タイプで期限は3年、最近はII型に移行しつつありもっぱら災害時の備蓄に回る事が多いそうです。缶である理由は航空機からの投下に耐える耐久性と長期保存性で現用II型はレトルトパックで衝撃やピンホールに弱い特徴があります。I型缶飯では20分以上の湯煎過熱が予め必要なのに対しII型では発熱体が用意され水さえあれば温めて食する事ができます。

それぞれ1食分にはご飯と副食、スープなどが用意され特にII型は種類が多く長期にわたる行動でも飽きないメニュー数となっています。現用米軍MREではAメニュー12種Bメニュー12種の24種。アフガニスタンやアフリカ等への緊急食料援助ではC130輸送機等から集落ごとに”アメリカ国民からの贈り物”と記載された黄色いパッケージのMREが投下されます。直接投下に耐えるパッケージングであるばかりでなく国民性や宗教上の考慮がされ日本の食糧援助とは大分異なります。食べられるものだから米を食えとかインスタントラーメンを食っておけとか。。。豚肉を食べない回教徒には豚を使っていない証明マークが必要。。。もっとも最近では海外の批判に対応しているらしいが。。。。。

 

MREはサバイバル食の目的もあるので米軍MREでは主食、副食、デザート、飲み物、ガム、タバスコや調味料、ビーフジャーキーやチョコバー、マッチ、ティッシュなど実に多彩な構成となっています。自衛隊戦闘糧食パックではこのような構成はなく主食、副食、あればスープパック程度です。

試食品を並べて。。。まるで露天で怪しい品を広げる●●のような。。。。

 

II型をヒートパックで暖める。。水を入れた瞬間熱い蒸気が発生し沸騰状態に。。。この発熱体はモーリアンヒートパックで民生用もある。災害用には打ってつけの熱源でもう少し安く一般販売されれば良いとおもうのだが。。山行では装備重量軽減につながるでしょう。。

 

あくまで個人的乾燥ではあるけど戦闘糧食II型は普通のレトルトパックと大差ない食感で少し濃い目の味付け。鳥野菜煮や炭焼きチキン、鯖味噌煮など美味しく頂けました。I型では缶飯、白米、五目飯、鳥飯、赤飯、しいたけ飯どれももっちりボリュームがあり薄味がついて最悪副食がなくても食する事ができ副食ではコーンドビーフ、ウインナー、マグロの油漬け、鳥もつ煮そしてたくあん缶など結構いける味でした。

I型缶飯、II型飯パック共α化米で加熱して食べられる状態になります。一度加熱したものは夏場で数日、冬で数時間でまたα化しまた固くなってしまいます。味の好みはさておき最悪加熱しなくても食する事ができる米軍をはじめとした各国MREはこの点優れており米食文化の欠点でもあり新たなMRE開発が望まれるところです。

 たまに食べるからおいしいと感じるのかも知れないが決して不味いレベルではないと言えます。。。ただ頻繁にこればっかり続くとちょっと。。。。缶飯は1個で一合以上II型飯パックは一食で2パック。。。

 米軍現用MREを2パック開封試食しましたがI、II型の後では概して不評、、食文化の違いというよりは現役B軍高官からもそれは不味いから食うなと連絡が。。。(略

 自衛隊も米軍も、勿論各国の組織はあらゆる想定に即し訓練をしています。よくあるのは食堂、調理車両が攻撃を受け使用不能、MREを利用せよ。。とか朝食後に各自MREを持て、、昼食は無いとか。。。だそう

 今回は特別にURGレーションを持ち込み開缶試食しました。URGとは個人食であるMRE対してグループレーション、通常の派遣などの食事はこの大きさで運ばれ加熱等されます。また小隊規模で1個やクリスマスには七面鳥のGRUが支給されたりするそうです。WWII当時アメリカ本国からお母さんの作ったパイやケーキが届いた国、飢餓に苦しんだ日本の派兵との違いに驚くばかりか世界最強と言われる米軍のレーションシステムはその後のミリタリー食を一変させたとも。。。。デザート類も豊富で今回はコーヒーシナモンケーキ。。。50人分 但し7年ほど前に関係者から頂いた物で。。。。。果たして食べられるのか?

7年もの缶詰ケーキ。。シュールストレミングの開缶を想像しましたが実際は香ばしいシナモンの香りでずっしり、もっちりしたケーキで美味しく頂けました。恐れをなした約半数の方は食しませんでしたが賢明です。現代、食に関して敢えて危険を冒す必要はどこにも見当たりませんから。。。

 米軍のMREに関するマニュアルでは有効期限表記を絶対指標にしてならない。まず外観のチェックを行い異常がないか。。。臭いや味に異常がなければ一口食して数時間様子をみる等が記載されています。缶詰などの高規格品は食品として定められた一律の期限を越えてもかなりの期間食べられる物があります。

 災害備蓄用にMREや同規格の備蓄食料を用意していますが期限切れ更新の繰り返しです。たまには有効消費の為に電気もガスも使わず災害サバイバル食を試してみるのもお勧めです。TVも電気も付けずにロウソクや懐中電灯の下で非常食を食べながら家族でいざとなったらどうやって連絡取るかとか何処に集まるかとか話し合うののもたまには必用。。。(我が家では家族猛反対でもっぱらお父さん単独訓練だが。。。)何故って?あれだけの地震災害を経験しても多くの人は喉下過ぎれば何とか。。。。

3.11あの時以後揃えた備蓄食料はもう期限切れでは??


サンドブラスト加工

2013-05-07 16:34:40 | Weblog

エアコンプレッサーやサンドブラストキャビネットは軍用無線機のレストアで活躍していましたが最近はもう手がける事もなくなり死蔵状態。。。 巨大な保育器のようなキャビネットは特に邪魔で処分しようかと思っていたところサンドブラスト用の感光フィルムが入手できたのを機会にガラス加工を試してみました。

 デザインした版下を感光させてネガにする工程は基板エッチングや電解メッキ・マーキング処理と共通です。 フィルムはRapidmask HT・HD 100μ、50μmmで個人使用レベルのサプライがなく開発や工房用の単位でちょっと趣味で購入ははばかられる価格です。

 紫外線で感光させた部分が剥離粉砕し露出します。ハンドアートワークを考えると大変便利な方法なのですが。。。

 版下ネガの製作は何度か掲載した方法と同じでPCで製作し反転ネガを印刷、紫外線露光機でフィルムを感光させます。今回も印刷にはインクジェット用OHPシートを用いました。ローコストで失敗しても直ぐ立ち直る事ができます。。。

 Rapidmaskの良いところは繊細な線や点を簡単に描写出来る事で点描変換すれば写真素材もいけます。100μのフィルムでも10ポイント文字が大丈夫でした。

フィルム露光は写真と同じで適正露出時間があります。フィルムには指定露光機での露光時間が決められていますが手持ち露光機でフィルム小片を使いテスト露光して3分30秒で決めました。細かい文字が多いときはさらに減算します。

フィルムは表裏があり保護シートの厚いほうが表側でネガとコンタクトします。

裏面の保護シートを剥がして素材に粘着させ余分な部分をマスキング。。。。

 ブラストメディアは#120酸化アルミナと#180ガラスビーズの混合。。。エア圧は3.5kg/m・3

 露光した部分は脆くなっているので吹き飛ばしながらサンディング。。。表面処理が主な目的なので余り深く彫りません。。。

余り高い圧力や同じ場所への集中した吹きつけでは細かな部分のフィルムが剥離します。斜め吹き付けも剥離の原因。。。ひとつまたひとつと失敗から技術を学ぶ事に。。。。。

 優しく丁寧にが基本。。。。。

  想像するよりは簡単に出来上がりました。。フィルムが安くなればもっと気軽に製作できるのですが。。。

 騒音を撒き散らすコンプレッサーは遮音ケースに入れて洗濯室に閉じ込めました。ドアを二つ隔てると振動も音も小さくなり日中の運転が出来ます。洗濯機の振動と騒音を遮断する構造になっています。。これはありがたい。。。。。


電解メッキ・エッチングの実験

2013-05-03 13:55:15 | エレクトロニクス

いつもやってる基板のエッチング技術に関連した幾つかの実験を試してみました。エッチングとは腐食性液体でマスクされた部分意外を腐食溶解すること。メッキとは素材に金属分子を付着させる手法。。。。

今回は幾つかの事を試すのが目的

1)エジンバラ液の処方調整

 塩化第二鉄溶液にクエン酸を配合。。処理速度が上がる=マスク部分の耐久時間内で処理が可能、より広範囲に深く侵食などメリットが多い。 沈殿物が少なく繰り返し処理能の向上

 処方 塩化第二鉄飽和溶液400cc クエン酸25g 精製水75cc

 2)) OHPシート 感光基板製作では版下ネガ製作に専用フィルムに印刷して露光しますがこれが高価。。3枚で定価¥1800 印刷失敗の落胆たるや言い尽くせない。。。。 インクジェット印刷用のOHPシートは10枚¥900 アマゾンでは送料無料だ^^  OHPシートはサンドブラスト処理に感光露光で用いたが詳細は別エントリーの予定

3)レーザープリンター印刷での版下ネガ

  これは専用感光基板を用いなくても普通基板で使える極めて便利な方法になり得る。今回は電子基板ではなくシェラカップ等へのマーキングで実験

4)電解エッチング・マーキング

 ロゴマーキング等が簡単に。。。

ネガ製作

基板製作でもロゴマーキングでも共通項は設計デザイン、ネガの良し悪しが直接出来上がり具合に影響する大切な作業  

ジオキャッシング公式ロゴ使用に関して

 Grandspeaks社の商標使用許可認証規定に従っています

  

印刷用に白黒反転、水平反転させレーザープリンターで印刷します。

  

印刷面のトナーと素材を合わせてアイロンで熱転写させます。。

  

印刷紙片の紙部分を取り除く為水に漬けふやかす。。 指で軽く擦りながらトナー部分を残す。。 この時点でトナーが剥がれたら熱転写の失敗なのでやり直す。。 しっかり熱転写できればトナーは強固に残ります。金属表面が露出するのが理想ですがやり過ぎると黒ベタ部分に”ス”がでるので薄皮程度残してOK

エッチング溶液は紙を浸透するので問題ありません。

  

マスキングし綿棒に溶液をつけて電源装置 DC3-5V 正逆反転切替 からプラス電極を綿棒に当てて処理部分を満遍なくなでる。電極が直接素材に触れるとショートする。。あくまで電解液に電流を流すのが目的

綿棒に溶液をつけながら数十秒 エッチング作業を繰り返す。。。最後に極性を反転しマイナス電極としてメッキ処理する。。。(塩化第二鉄ではステンレスにメッキはあまり黒くならず薄いグレーになる)

処理が終わったら流水で流し重曹溶液で中和処理する

  

 

ナイフブレードへのロゴマーキング

 ナイフへの実験で使用したロゴはあくまで実験的使用で他の複製意図などは全くありません。念の為

  

想像した以上の繊細な描写が可能です。。但しレーザープリンターのトナーの黒ベタ部分は微細な穴”ス”があり長時間の処理をするとブツブツが現れます。コピー時の濃淡調整やレーザープリンターの機種、レタッチで改善できるかもしれない。A4面いっぱいのネガが10円でできる事を思えば大変優れた方式で応用範囲も広い。

 塩化第二鉄のエジンバラ液化は確かに処理速度があがり液の汚れも少なくなりました。ステンレス素材の30分溶液ドブ漬け試験では爪がかりかり引っかかる位の深彫りになりました。

 まだまだ続く実験。。。。