暁の広場

最近凝っているジオキャッシングの話題や真空管アンプ、料理、独り言のページ

1200Mhzへの挑戦

2013-04-24 13:50:35 | エレクトロニクス

1200Mhzの無線機を入手したのを機会にアンテナ製作を試みました。。。SHF帯ともなると非常にコンパクトで机上での作業が可能。。それはまるで八木アンテナのミニチュアを作っているような感覚です。。。

周波数が高くなるほど製作の精度と技術レベルは上がりHF帯のアンテナのようなラフな作り方は全く通用しませんでした。。。

 アンテナを作るためにはその性能を確かめる測定器が必要。。。図面とおり作りっぱなしではこの帯域では全く動作しません。SHF帯の測定機は極めて高価。。。そこで今回はアンテナ調整用のSWR計から製作することになりました。。何かを作る為に作る。。。本末転倒

SWR計も1200Mhz帯では文面に言い尽くせない難しさがあります。配線のキャパシタンスやインダクタンスの影響が無視できない上にピックアップラインのダイオードの特性も大きく影響します。今回は1.6mmTガラスエポキシ両面基板でストリップライン式SWR計を実験。モービルハム臨時増刊号掲載の回路です。ストリップラインは幅3mm ピックアップラインは2mm、基板カッターで少し大きめに切り出しノギスを当てながらヤスリで整形しました。

ダイオードは入手性からシリコンダイオード1SS108を試してみましたが回路自体のSWRが高くゲルマニューム1N60を特性がより近いものをセレクトして実装。。。何とか使えるように。。。さらに1N34を試したところ僅かながら特性が良かった為こちらを採用しました。表示メーターは50角では大きすぎるのでダミーロードで校正後ラジケーターを取り付け。。どうやってVSWR値を知るか。。。国家試験にたまに出る例の公式を使います。

 秋月電子の基台付ホイップはSWR1.2でした。。。

やっとアンテナ製作に取り掛かれます。。。何をやっているんだか。。。。

web上で12エレ八木の製作記事を見つけ試してみました。

手持ち部品の関係でブームはアクリルパイプで。。。丸いパイプはエレメントを平面上にそろえるのがとても難しい。。。四角いブームが簡単だった

エレメントは2mmΦのステンレスを使いましたがこれも調整時の長さ調整に手を焼くことになりました。硬くてヤスリでは容易に削れません調整の度にベルトサンダーを使うはめに。。。

同軸処理はパイプカッターで芯線を残して切ってしまう。。。

エレメント間隔はもういじれないので調整はもっぱらガンママッチのショートバーと結合容量で行います。。。いやいやこれが大変 とても根気がいる作業です。果たして動作域に追い込めるのか自問自答の繰り返し

 初めての製作するアンテナでは調整幅が広いガンママッチがお勧めです。。SWR調整だけがアンテナ調整ではなくSWRだけに囚われてしまうと苦労して飛ばないアンテナダミーロードを作ってしまう事にもなりかねません。。 当然、事前には各ディメンションやパラメーターをパソコンに入力してシミュレーションし結果を得ておきます。

 

 

試行錯誤を繰り返し。。。SWRのトラフを見つけました。。一旦手掛かりを見つけてしまえば後は最良点を探るだけです。。。

全域SWR1.2以下を確認し終了。。。。。今までに製作したどのアンテナより大変でした

シミュレーション上はGain 13.25dB F/B比17.98dB たこ坊主のような放射パターンです。。。

早速実戦投入したいところですが無線局指定事項変更届けがまだ審査中。。。。

何度か繰り返し言っている事ですけど包括免許化が望ましいところです。。先進国の多くはすでに包括免許制度を導入し無線免許資格に見合った運用ではどんな機器を使おうが自由。。国土の狭い日本と同様のヨーロッパでも採用されています。

 お役所の御威光が薄れる。。権益が守れない理由の他にも野放しの不法無線局を増長させる等色んな理由は考えられますが。。。 違反の罰則をうんと重くし年間10-20件の見せしめ摘発をやるだけでも実現できそうな気がします。。

 新聞やTVで実名を晒され100万程の罰金。。。社会的信用と高額の罰金 はびこった飲酒運転の減少も反社会的風潮と認識された事もあるが実は罰金の大幅引き上げが効いています。。。。(ぼやき

 今回の2点の製作は当方の設計ではないので詳細を割愛しました。web上で検索されて下さい。製作のコツやら書ききれない部分もあるので。。。。。。。

 まるでゴーストタウンのような1200Mhz 10Mhzの帯域もありながリピーターでたまに電波を確認する事が出来るくらいで閑散としています。。。これは50Mhzでも同じような事がいえます。。。 貴重な割当周波数の確保の為にもたまに電波だして使ってみようかな。。。。

 

追記 八木アンテナの製作では給電部エレメントの中央位置にアース点をとる必要があります。今回のようなプラスチックブームを使ったエレメント貫通式では真の中央はパイプ内にあるので全エレメントのオフセットが必要です。これは簡単でパイプ側面が基準となるよう配置するだけです。意外にも多くの製作記事で触れられていない点です。

 


430Mhz超軽量山岳移動用八木アンテナ

2013-04-23 16:04:57 | エレクトロニクス

もうアンテナはいくつ作ったか覚えていない。。。。全く同じものは作った記憶もない。山岳移動用と銘打つものの移動した試しがない。。。もう終わりにしようと思うのだが突然アイディアが降ったりするのです。

今回は100g以下でショートバーに新しいアイディアを盛り込んでみました。ショートバーは調整後固定してしまうのが普通です。。。でもこの部分の製作は結構手間がかかり煩わしい。。エレメントを真鍮などにしてしまえば半田付けで問題は一気に解決するのですが。。。

そこでエレメント・給電ロッド間のショートバーをスプリング内臓スライド式に。。。エレメント・給電ロッド間は20mm。5mmΦアルミに2本のロッドが通る穴を開け間にボールペンのスプリングをいれます。

調整作業は大変楽になりました。調整後は給電ロッド先端からの長さを記憶するかマーキングしておきます。

いつもは調整にガンママッチのエアバリコンやエアトリマーを回して一気にトラフを探し思わしくなければショートバー位置移動するやり方でしたが沢山の同種アンテナ製作からデータを得てコンデンサー部分を固定コンデンサーに置き換えました。 この結果給電ラインの引き回しが改善されより帯域の広い低VSWR化が実現しました。

 

エレメント固定法も単純化して押さえ込むだけとし組み立てには工具不要で給電・マッチング部分の分解が不要となりました。

ブームもアルミアングル材に変更し重さ98g。。。。次の試作はブームの2分割化で分解長20cmに。。。。一度くらいは山に持って行かないと。。。。。

 

 

    追試される方は過去ブログの寸法図を参照して下さい


ジオキャッシング 日本語化

2013-04-22 11:40:44 | ジオキャッシング

2013年3月 ついにhttp://www.geocaching.com/ の言語選択に日本語が追加されました。このバージョン変更は単にホームページを日本語で読むことができるだけでなく発見したキャッシュのログも日本語で直接入力できるようになりました。この実現には多くの日本人ジオキャッシャーの翻訳ボランティアの活躍があり彼らの尽力なしでは実現できず大きな謝意を送りたいと思います。 

 ジオキャッシングそのものがボランティアによって支えられていると言っても過言ではないでしょう。

思えばジオキャッシングを始めた2006年当時はログも英語で日本人キャッシャー同士もログ上では英語でやりとりしていました。後年HTML entity変換で日本語入力するのが主流になりましたが変換という煩わしさがあります。。

 始めた当初は英語で埋め尽くされたHPに何やら新しい遊びの予感がしたものです。インターネット上で偶然ヒットしたジオキャッシングなる遊びもこの英語標準のせいで敬遠した方も多いのではないでしょうか? 世界的な遊びで標準言語が英語。。だからこそ短時間で世界中に広まったとも言えます。。 バイリンガルな方や英語の得意な人(実際ジオキャッシャーには多いが)は別として多様な層がゲームを楽しむには確かに障害でした。

 また他方では英語の壁が偶然や、やっと行き着いたジオキャッシングというゲームが一般人(マグル)から隔離された秘められたゲームとしての特殊性を醸成したとも言えるでしょう。

このゲームが誕生して10数年、日本人ジオキャッシャーには大きなbreakthroughとなりました。

海外キャッシュのログを見ると母国語と英語の併記は殆ど目にすることがありません。しかし海外から来るジオキャッシャーが訪問国の言語を理解しているとは限りません。最低限キャッシュ捜索に必要な情報は日本語・英語の併記が必要でログは訪問するジオキャッシャー(日本人とは限らない)に伝えたほうが良い情報、説明に記載されていない注意点や特異事項などは併記したほうが良いでしょう。。。

 過去ログを読む楽しみは世界共通。。。できたら併記とは思っていますが最近はiPhoneからログをその場で上げるのでめっきり併記は少なくなってしまいました・・・ とは言っても殆ど定型分だったけど。。。

 iPhoneやタブレットだけでGPS受信機を持たずともジオキャッシングが出来るようになり、日本語で読めて日本語でログを入力できるようになり、ジオキャッシャー人口が増えキャッシュも沢山増えた。。。が私の found rateは下がる一方。。。。

 黎明期の頃のジオキャシングとはちょっと異なり始めていると感じるのも原因ですが日本ジオキャッシング文化と考えれば特にどうこうという事ではないのです。

 暑い、寒い、雪が、雨が、風が、槍が、、、、と何かに理由をつけてはジオキャシングに出掛けなくなった。。。。 activityが低下しているのかと言えばそうでは無く他の興味に忙しい。。 (ぼやき


稼動零戦52型 栄エンジンの彷徨

2013-04-16 20:26:32 | Weblog

来日零戦のブログエントリーは2回目です。2013年3月30日オリジナル栄エンジンの始動見学会に行ってきました。

航空発祥記念館の駐車場特設会場に引き出された機体は今まさに艦上から発進せんとす姿そのもので狭い館内の展示場に飾られた機体とは別物の雰囲気をかもし出していました。

主脚の内傾・トーインが見られる

 

同日3回行われた始動見学会の前回始動の余熱がエンジンカウル上方の陽炎はお飾りで置かれた長い時間の眠りからの覚醒を意味します。

 1944年サイパンで米軍に捕獲以来、実に70年近く現役でいた事になる。航空機は空を飛ぶために車の車検にあたる耐空証明が必要とされます。規制の比較的緩いと言われるアメリカでさえももうそろそろ難しくなったと。。。すでに生産を終えた保守部品の供給の無いエンジンのメンテナンスには一体どれほどの労力と資金が掛ったのか。。。。

現在の所有者であるP.O.F(プレーン オブ フェイム博物館)ではこの歴史的機体の寿命を延ばすために通常行われる離陸時出力や上昇時出力を極限まで抑えエンジンの負担を軽くしたと言われています。近年ロケット機”秋水”の修復復元が製造メーカーである三菱小牧南工場で行われました。この際にもP.O.Fの実機のデータ提供が行われたようです。バブル期なら未だしもメーカーはこの手のプロジェクトには消極的で企業イメージにプラスにならないと考えている。。。

悪しき思い出の象徴と言われる零戦ですが許されざる過去の歴史遺産として残って欲しいものです。

 オリジナル栄エンジン搭載の飛行可能機体は現在世界にただこの機体一機。他に飛べた(過去形)機体は現代のエンジンに換装されています。いかにP.O.Fが歴史的資産価値を重要視しているかが解ります。 このような取り組みに一時の物珍しさはあっても継続的に多額の資金を調達する必要があり日本社会ではおそらく共感せず維持も管理も難しいでしょう。。。不思議な事に外国では零戦のスクラップ機体を探し復元を目指すプロジェクトがいくつもあり零戦の価値は哀しいかな今の日本にはなく埃だらけのボロボロ機体を上野博物館などで見るのみです。。。。

さてエンジン始動1時間以上前から50人以内に陣取り好位置をキープすべく並びましたが入場ゲートで私が並んだ入場券もぎのお兄ちゃんはすこぶる手際が悪く僅か数分の差で最前列に座れませんでした。。。それも正面だった。。。

エンジン始動20分前。。。だんだん気持ちが高まってきます。。。

5分前。。。スタッフが入場 P.O.Fのパイロットが乗機。。。 エンジン始動は米軍によってセルモーターが搭載され極めて始動性がよくなっています。オリジナルではエンジンカウル横のクランク連動穴にイナーシャハンドルを挿し込み回します。。。艦上で一斉出撃など数十機が一斉にエンジン始動する際、始動困難機があると機付き整備員は大変な目にあったと記録がありました。

今回このイナーシャハンドルを回す粋なパフォーマンスがありました。始動前にエンジンカウル横にイナーシャハンドルを挿し込み”コンタクト” その後台車につけられたサイレン様のものを回しセルスタート!

いとも簡単に栄21型空冷複列型14気筒」。総排気量27.9リットル、重量590kg、1130馬力 栄エンジンは目覚め白煙を吐きオイルの燃焼臭と排気を放ち始動しました。プロペラの推進力は後部天幕を揺らしまさに出撃前。。。。

 おそらくパイロットは気筒温度計を見ながらのスロットル操作。。。アイドリングから一段と回転が上がった時には場内から歓声が。。。。。 動画も取りましたがこの生音と空気の振動、エンジンが放つ臭いは伝えようもなく割愛します。

 栄21型エンジンは後年2000馬力級のエンジンが登場するまで傑作と言われ特に気化器の安定性には定評があったそうです。自動混合気化器・AMCを採用した事により外国機に多かった背面飛行時に起こりやすい失火やエンジン停止が少なくこのことも零戦の空戦性能の高さの一因だったとも伝えられています。大戦後期物資不足でオクタン価の低いガソリンと粗悪潤滑オイルで飛んだ零戦はアメリカ側の試験でハイオクタン高精製燃料と高純度エンジンオイルで優秀な性能を示したと。。。。

 このエンジンが離陸最大出力となった時には一体どうなるんだろうとしばし感激に咽びました。

 僅か10分余りのエンジン始動でしたが限り有る命の10分を垣間見る幸運に感謝です。

 来日零戦は四月初めの機体解体見学会をもって展示は終了しまたアメリカに帰る予定でししたが展示好評につき8月までの期間延長をP.O.Fが認めまだ見られるチャンスがあります。

空戦性能を重視され極限以上に軽量化された機体は航空機として果たして優れていたのだろうか?極度にバランスを欠いた人命軽視設計には今もって批判がある。