暁の広場

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防衛省市ヶ谷見学

2010-11-29 21:39:47 | Weblog

しばらく前に市ヶ谷防衛省の見学ツアーの存在を知り申し込みをしてみました。敷地内には極東軍事裁判(東京裁判)軍事法廷が開かれた講堂が保存されており見学も申し込み制と制限されている為極めて良い保存状態です。

 折りしも11月29日希望日直前は三島由紀夫命日で沢山のファンが訪れ見学できるのだろうかと思いましたが許可がでました。数人のgeocacherと共に大人の社会科見学会、昭和の歴史を検証する為に出掛けてきました。

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過ぎ去った昭和の歴史へ触れる機会はとても興味深いものでした。フィルムで見る講堂とは印象が異なり意外にコンパクトです。この場所に写真で見るような大勢の人が居たとはにわかに信じがたい印象でした。現存する記念館は新庁舎建築の際移転されたもので当時の建物を歴史的価値を損なう事無く再現したと言われています。床材も照明器具も当時のままのようです。

2F防衛庁長官(当時呼称)室で起きた事件は三島由紀夫割腹事件として当時子供ながらにもセンセーショナルな事件として鮮明に記憶に残っています。防衛庁長官を人質にとり盾の会メンバーがクーデター蜂起を煽動しましたが三島由紀夫の演説は自衛官の野次にかき消され失意の末自決した事件でした。長官を救出しようとした自衛官との格闘の際振り回した刀の傷が今でもドアに残っています。

今回の大きな訪問目的は栗林大将直筆の絵手紙の生資料の見学でした。資料館に資料提供した遺族の意思で中将と呼称していますが歴史上の正式な名称は大将です。マスコミ始め多くの出版物に至るまで注記無しで中将の呼称は如何なものかと思う。

 さてこの絵手紙とは? 栗林大将は青年時代にハーバード大学への留学と駐在武官として在米時代まだ幼い字の読めない長男太郎君に絵を描いた手紙を送ったと言われています。館内は照明が暗く資料のストロボ撮影が禁止されていましたが何とか撮影に成功しました。

玉砕司令官の絵手紙 小学館文庫(吉田津由子編)として発売後多くの人の知る事となりました。当時の高級軍人としては珍しく米国をよく理解し対米開戦には消極的だった為抜群の成績で陸軍大学を卒業しながらも中枢の要職には就けなかったとされています。

 硫黄島司令官としての最後の電報と辞世の句が有名です。名文とされる電報電文は割愛しますが辞世の句は新聞で公表されました。しかし当時の上層部が原文を改ざんした事が後世一人のジャーナリストにより明かされました。原文(画像)でも墨で訂正された箇所が判読できます。

原文

 

  • 国の為 重き努を 果し得で 矢弾尽き果て 散るぞ悲しき
  • 仇討たで 野辺には朽ちじ 吾は又 七度生れて 矛を執らむぞ
  • 醜草(しこぐさ)の 島に蔓る 其の時の 皇国の行手 一途に思ふ

改ざんされた句

  • 国の為重きつとめを果たし得で 矢弾尽き果て散るぞ 口惜し
  • 仇討たで 野辺には朽ちじ 吾は又 七度生れて 矛を執らむぞ
  • 醜草(しこぐさ)の 島に蔓る 其の時の 皇国の行手 一途に思ふ

バロン西こと西竹一大佐と共にアメリカ側に最も知られる人物の一人であった。悲運な時代に生きた不幸と言わざるを得ません。

 個人的歴史観ではとても興味深いところでした。

 基本的に撮影禁止場所はありませんでしたが(撮影禁止場所にはいけない)A棟内部と著作権がらみのDVD上映中が撮影禁止でした。

 省内の売店(PX)、コンビニ、スターバックス等もあり見学者も買い物できます。価格が安く驚きます。

 

 

最後に案内してくれた担当官の挨拶の言葉は私にはシビリアンコントロールよしっかりしてくれと聞えた。。。。。。。。。。。。


ケロシンランタン 点火!

2010-11-14 19:07:09 | Weblog

メンテナンス中だったSea Anchorのケロシンランタンを点火してみました。

さすがに自宅ベランダでは炎上などしたら大変な事になるので近くの公園のベンチに持ち込みました。灯油を入れポンピング圧力はプレヒート時は2kg/平方cmです。

プレヒート時間120秒でバルブ開放。。炎が下に噴出しマントルに穴が開いてしまいました。燃焼ガスの圧力が高すぎたようでバルブ操作にも追従しません。不具合のあるときは無理をせず原因解明が大切で事故防止に繋がります。一度自宅に持ち帰り再度分解してみると又ニードルが曲がっていました。バルブホイールを回す事によりロッドが上下し燃料を霧状に噴出すニップルの極小穴にこのニードルが入りコントロールしますがノズル内側のテーパー状の部分に段付とニードルの切断面にバリがありり引っ掛かり曲がるようでした。見た目では分からない不具合なので新品部品に交換です。

 その他各部をチェックし直して再組立、再び点火に挑戦しました。引火点の低い灯油は霧状だけでは上手く燃焼しないので気化装置部を予熱する事が必要です。先ほどは120秒では圧力が高すぎたようなので60秒でプレヒートを中止して燃料バルブ開放!

 

 プレッシャーライズ(加圧式)ランタン特有の豪快な燃焼音と共に眩いばかりの輝きが始まりました。素早く燃料漏れ等を点検し気化燃料の流入量を調整し最も明るくなる場所に設定し空燃比コントロールのミキシングチューブとニップル間はPetromaxのメンテナンスデータに準じ15mmで設定しました。特に問題は起きていませんが微調整でさらに明るくなるかも知れません。点火後は圧力を3kg/平方cmまで上げ以後持続させます。

1Lの灯油で8時間以上500キャンドルパワーで点灯し続けコストパフォーマンスは最高で現用でもデンマーク、イギリス、ドイツ等の軍用モデルとして採用されています。日本のキャンパーにはケロシンランタンはポピュラーではありませんが自慢のケロシンランタンを持ち寄り点灯させるオフ会もあるようです。数十個も並んだランタンはさぞ美しいことでしょう。

 災害時などはホワイトガソリンやレギュラーガソリンも入手しにくいので入手しやすい灯油ランタンが推奨されていますが入手ルートも限られメンテナンススキルも必要な事から普及していません。むしろハリケーンランタンのような普通の灯油ランプの方が良いでしょう。

 この間隔がとても大切です。Petromaxではギャップ測定の専用工具が付属しているのですが。。。。

 

 液体燃料を霧状にするノズル。。重要な部品です。

 

交換したノズルはPetromax製で形状が少し異なります平面ではなく加工の手間が掛かる仕様ですがこの辺がPetromaxとの差でしょうか?

今回グラスチムニーが欠品でColemanの#4グローブで代用しました。少しサイズが小さいのですが問題なく実用できます。Petromaxの予備部品は貴重なので使えませんでした。今回ほとんどすべての部品をオーバーホールしたので後は定期メンテナンス箇所のクリーニング程度で済むでしょう。気になるブランキング症状(明るくなったり暗くなったりする)も多少のちらつきはありますが許容範囲でした。

熱量もかなりあるので側にいると体が暖かくなります。火の明るさは実に和むのです身も心も温められそうな気がします。。。。


ケロシンランタン レストア記

2010-11-10 18:54:54 | Weblog

ケロシンランタンとは灯油を使うランタンです。キャンプ用品ではコールマンのランタンが有名ですがホワイトガソリン(高精製ガソリン)を使います。液体燃料を使うキャンピング用品は最近不人気で殆どガス機器となりましたが根強い人気があり国内外を問わずファンがいます。

製造国の文化や国民性、国内事情等が色濃く反映されるとても興味深いものです。アメリカ生産のコールマンは殆どがガソリン、ペトロマックス等のヨーロッパ系はケロシン(灯油)を燃料としています。この違いは燃料の価格とプレヒート(予熱)等の手順をヨーロッパ人はいとわないせいだと言われています。燃料が安く長時間の点灯ができる事が採用の大きな理由のようです。どちらも定期メンテナンスは必要ですがケロシンランタンは圧倒的に手がかかります。

さて入手した個体はシーアンカー製ランタン オークションでジャンクとして購入しました。ペトロマックスの中国製コピー品です。ペトロマックスと言えども最近の生産は中国で材質(ブラス等)は保っているものの部品の精度は似たようなもので決して褒められたものではありません。高価なペトロマックスを使う前に中国製ケロシンランタンで予習する人も多いです。点灯はするようですが調子が悪いようです。グラスチムニー(ホヤ)もありません。トップに加工跡があったり相当動作に苦労したようです。タンクには錆も無く良い状態です。このメッキは粗雑で手入れがや保管が悪いと直ぐはがれ錆びます。ケロシンランタンは灯油の引火点が高い為に気化する過程が複雑で繊細、点火も難しくよく炎上した記事を目にします。キャブレーター付きのビンテージカーに良くたとえら微細な調整とメンテナンスが必須でその手の掛かる事が多くのファンを捕らえて離しません。

分解してみると

ニップルが曲がっています。これでは点火は出来ても消せません。

フューエルバルブのパッキンもぼろぼろ、、、燃料漏れでも起こしたら大変危険。

コンダクティングロッドも曲がっていますが修正はできそう。

ヴァボライザーロワーバルブもロウ付け処理が悪く空気の吸い込みがあります。少しねじるとぼろっと取れてしまいました。ロウ付けし直します。

燃料バルブの修理  この部品はアッセンブリー交換しかありませんが今回はOリングを組み合わせ修理しました。オルジナルではグラファイトシールです。

セラミックノズルもニップルも手持ち部品と交換。再組立してエア漏れを確認します。

これにはポンピングして圧力を掛けて数時間変化がなければ合格です。直ぐ圧力が低下するようなら漏れ箇所の確認をしなければなりません。

ポンピングも圧力も問題ないようです。

グラスチムニーはこのフロステッドしか予備部品がありません。ここはクリアガラスで煌々と輝くのを見たいものです。ここまで来ればあとは調整の範囲内ですので点火が楽しみです。といってもそれが結構大変なのです。空燃比の調整などまるでキャブレターの調整と原理は同じです。究極のアナログ機器。

 ケロシンランタンはこのほかPetromax829Bブラスと829B軍用モデルを所有していますがこの大型ランタンは飽きる事がありません。使って楽しみ磨いて楽しみメンテナンスして楽しみ一生ものです。最近はキャンプに行かなくなりましたので収納の肥やしですが、、、。

中国製ランタンと言えども最近は入手が難しくなりました。パーツはペトロと殆ど互換性があるので目についたらポチしときましょう。