暁の広場

最近凝っているジオキャッシングの話題や真空管アンプ、料理、独り言のページ

秋月 簡易放射線量モニターKIT

2012-06-27 13:11:26 | エレクトロニクス

放射線測定器は一時の高騰品薄から一転最近はディスカウントも始まりました。あってはならない事故とは言え一般住民まで測定器を持ち歩く事態は正しく憂慮すべき問題。

このような事態が起こる遥か以前に秋月電子で放射線測定器のキットが販売されていました。浜松フォト製のガイガー管を使用したもので10年以上まえのキットにさえオークションでは高値が付く始末でした。

少し前、秋月でSiPINフォトダイオード S6775を使った簡易放射線量モニタキットが販売されました。S6775単体部品では大分前から販売されており一度試作をしました。しかしチャージアンプはノイズだらけで検出信号をカウント出来るに至らず失敗。

この辺の処理をどう行っているのかの興味で作ってみました。

回路はPINフォトダイオードのガンマ線感度をFETオペアンプ LMC662で増幅しPICで換算液晶表示させています。

組みあがった基板を試してみると表示動作が不安定です。配線のチェックも行いましたが特に気づくところがありません。

買い物ついでに秋月八潮店に持ち込んだところ後日、精査回答がありました。

放射線カウントを音で知らせる圧電素子のアース位置が違うと。。。。。

組み立てマニュアルには主語不明の”5cm程度のビニール線の被覆をむいて、SW4付近のGNDに半田付けします”とあります。どうもこの1行を誤解したようです。なぜこの1本だけアースを別に取るのか不思議に思いましたが深く考えませんでした。

ちゃんと読むとSPの配線先については記述がありました。アースを離した為にインダクタンス、リアクタンス、レジスタンス成分が影響したようです。

 秋月通いを始めてもう40年、、当時はトタン屋根バラック小屋でココだけ戦後の焼け跡に立つ闇市のような感じでした。。。。部品やキットのワクワク感は当時から変わらずです。

 今や本店ビルを始め各所に事業所を構え年商27億を越す企業に成長しました。段ボールを並べたバラックで二日酔いの酒臭い息を吐きながら客と言い争っている店員がいた当時の面影は微塵もありません。

 放射線測定器は数台作りましたがガイガー管カウンターの感度に適うものはありませんでした。安価で低電圧動作のPINフォトダイオードセンサーが主流ですが感度はガイガー管の1/10以下でCPM(1分間に検知する放射線数)は1-2CPMです。これは10分以上の測定時間が必要で私のような気の短い人間には到底待ちきれません。。。。

 μSV/h換算表示はこの検出能に大きく依存しランダムに入射する放射線がたまたま続くと高線量を示し無検知時間が長いと低い表示となり長い測定時間で平均値を出す必要があります。

 原理的にも部品的にも同程度の市販廉価版半導体放射線測定器で数分での測定結果は何をかいわんやで幻を追いかけているようなもの。。。。。

高検出能を有するガイガー管はC国での一部生産を除き殆ど見られなくなりました。現在の主流は半導体センサーで性能を満足させる大面積センサー使用機では数十万します。これと数千円で購入できる半導体放射線測定機に同じ性能を求めるのは全くのお門違いというべきですが巷では表示された数値を固く信じて疑わない人も多い。。。

 SiPINフォトダイオードS6775はガンマ線専用センサーではなくガンマ線に感度がある事を利用したものですが固体シンチレーターで、(驚くことに一般的に大変入手が難しいシンチレーターも秋月で販売されています。)ガンマ線入射を光に換えフォトダイオード本来の光センサーとして利用が本来用途に近い使い方でしょう。

 諸兄のweb掲載では半導体センサーのチャージアンプの問題点であるノイズ対策、(本KITではアルミホイルでグルグル巻きせよとあります。)に決定打を決めたようなものがありました。センサーの微弱な信号を高ゲインアンプで増幅する為に生じる問題点をセンサーにFETを抱かせヘッドアンプとする構想です。この方式では極めて安価に問題を克服する事が可能で素晴らしいアイディアです。

 固体シンチレーターも入手したので手直しし核種スペクトラムを測定できるようまた少しの高感度化を図って見ようと思います。

 放射線量測定KITとしては¥3700と安価で研究目的ならともかくこれで放射線量を測定するには沢山疑問符がつきます。

 


久しぶりのジオキャッシング

2012-06-26 22:09:46 | ジオキャッシング

梅雨の中休み。。爽やかな晴天の日久しぶりにジオキャッシングに出かけました。

遅い出発で軽く一回りです。埼玉県戸田、浦和、蕨一帯、、、、数年前まではジオキャッシング空白地帯でしたがジオキャッシャーの増加と共にキャッシュも増えています。

郊外型のキャッシュはマグルのプレッシャーが少なくのんびり楽しむ事が出来ます。キャッシュを探しながら荒川サイクリングロードに設置したマイキャッシュのログ交換。。。。

Arakawa cycling Road #02 2007年9月サイクリングがてら設置したものですがもう直ぐ4年を経過します。グレーのペイントがまだ残っているのが驚きです。。。

キャッシュ自体は良好なコンディッション。ログシートを交換しました。

風が涼しくバイクではなく自転車でくれば良かった後悔しきり。。。。

本格的に熱くなる前に自転車で走ってみたいところです。

付近には荒川河川敷、広大な彩湖・道満公園があります。丁度このキャッシュの反対側にキャッシュが。。 Akigase Heliport  

災害時や緊急時にヘリが離発着するヘリポートです。管制や誘導の設備はありませんが芝生の手入れが良くとても綺麗なところでした。

 最近はジオキャッシング以外にもする事が沢山、でもまた遠征の虫がうずうずと。。。


電界強度計とアンテナ放射パターン

2012-06-22 12:02:58 | エレクトロニクス

天気が良くないとつい屋内での作業が多くなります。。。。HFはあまりコンディッションも良くないのでやりかけの製作を完成させる事にしました。

自作アンテナでは理論上のシミュレーション結果とは異なる場合が大半です。これは実際の運用では複雑な電波環境が再現しきれないのと製作の精度が関係します。

アンテナの放射パターン測定には電界強度計と電波暗室が正しい測定法。。。しかし電波暗室などあるはずが無い。電界強度計はログアンプで対数表示校正されたものが必要です。アマチュア的には実際の交信で相手局に電波を発射してもらいSメーターを読む方法や反対にこちら側から電波を発射し相手局に読んでもらう方法等があります。子供の頃は良くこの方法をやりました。

もっと簡単に測定する方法は検波電流をメーターで表示するだけの簡単電界強度計の製作です。ケースに取り付けたBNCコネクターにダイオード1N60を2個で整流し0.01μFコンデンサーで高周波成分をバイパスし100μA電流計を接続するだけです。回路図を示すまでもありません。

秋月の電界強度計KITは価格¥3800と手頃、秋月のKITは回路図やマニュアルが公開されているので自分で作る事も可能。しかしログアンプICは一個¥1000もする。

受信用アンテナには1/4波長垂直ダイポールを取りつけ標準アンテナとします。430Mhzでは波長も短いので極めて簡単に作れます。

三脚に取りつけ送信側アンテナの回転角表示板を目盛ります。

アンテナ位置関係は同じ高さになるよう偏波面が同じになるよう

測定法 無線機の出力を最低にしてフロント方向 00度でメーターがフルスケールになるよう2点間の距離を調整

10-20度ごとにアンテナを回転させ電流値を測定します

因みに室内では当然の事ながら反射が多くパターンが乱れます。周囲に何も無い電波環境が望ましいです。

出力を上げすぎるとメーターが振り切ったり付近の建物の反射の影響があります。

雨で広場での測定は出来なかったのでやむなく廊下で測定。。あくまでも参考値です

自作アンテナとは言えフロント方向へのビーム収束が綺麗に出ています。八木なのでサイドの切れは当然としてもバック方向の特性は思ったより以上に良好 今回の八木アンテナ設計製作は山岳移動用を狙ったもので小電力無線機で付属ホイップアンテナで得られない効果つまり指向性とゲインです。僅か1W程度のハンディー機でも5W並の性能に化ける。。これがビームアンテナの魅力なのですが。。。

特に山頂では混信に悩まされる事が常なのでサイドの切れや良いF/B比特性は非常に役に立ちます。

パターングラフは電流値表示です。本来なら対数値に変換して表示します。

アンテナを三脚に載せた状態で交信局をモニターしたところ周囲の高層建物の反射が多く複数のピークがありました。430Mhzの市街地運用では意外にこの建物の反射が多く電波の発射地点が必ずしもピークとならない事があります。この特性を利用する事がVUHFの上手な使い方でしょう。

50km以上離れた御岳山レピーターは100mWでアクセス可能でした。

 


430Mhz 山岳移動用3ele八木アンテナの製作

2012-06-14 16:32:01 | エレクトロニクス

前回は角材分割ブームで6エレ八木を作りましたがエレメントを接着したのでかさばり出番がありませんでした。

今回は携帯に便利な様に仕舞い寸法を小さく軽量な3エレを製作しました。3エレ程度でもビームアンテナの特性は体感出来てフロント方向のゲイン、サイドの切れなどはハンディー機付属のホイップアンテナとは雲泥の差でビームアンテナの魅力を垣間見る事ができます。

 八木宇多アンテナは日本人研究者が発明し今日世界中で使われています。動作解析は中々複雑でコンピューターの無かった当時、如何に大変な研究であったかが想像されます。

 昨今ではMMANAというアンテナシミュレーターソフト等があり解析や設計が楽に行えるようになりました。がやはり理論値でしかなくカット&トライがいつの世でも最後の作業となります。

 概略の構成をMMANAでシミュレートしましたが実際組み立ててみると理想値からはかけ離れた結果に。。。。 幾つかの資料を参考に各パラメーターを決めました。最終数値でのシミュレーションの結果は特に問題なく3エレ八木特有の丸っこいビームパターンです。

 特徴は給電部にあり広範囲なインピーダンスマッチングが可能なガンママッチを試してみました。八木アンテナは特性インピーダンスが50Ωでは無く送信側とのマッチングが必要です。webにはダイポール型にパラスティックエレメント(導波器、反射器)を付け直接給電の物も見られます。これは各エレメント間隔と長さ等の適正化を行っていると考えられます。しかしながら可動調整部は無い為一度で成功しないとエレメントを切ったりと大変な作業が予想されます。

 ガンママッチではショートバー位置とバリコンの2箇所の調整箇所があるので調整は極めて簡単で楽です。

 八木アンテナは左右対称なのにガンママッチの給電方法は片側エレメントのみ、両側エレメントに給電するTマッチは殆ど見なくなりました。給電が片側なのにどうして動作するのか長年不思議に思っていました。飛行機の双発エンジンの片肺動作のようなものでなくちょうど振り子のような励振らしいです。エレメント数が多くなるとビームパターンが少し給電側に偏ると言われていますがこれは水平面指向性パターンの場合で垂直偏波で使う場合は影響が少ないのではないでしょうか。

また八木アンテナではブームが金属でも各エレメントは絶縁する必要がありません(給電ガンママッチロッドなど給電ラインを除く)これはエレメント中央が電位ゼロとなる為でアンテナ製作には極めて好都合。八木アンテナが誕生した背景にはこの物理法則が大きく寄与しています何故ならエレメント中央が電位ゼロでなかったら絶縁するか両端支持するかになり大型のHFアンテナではとても不都合なのです。

八木アンテナはエレメント数を増やす事でさらにシャープな指向性と大きなゲインを得ることができます。軽量小型の3エレ八木ですが山頂で無線をやるのならさらにエレメントを増やし8エレ位までは材料を吟味し軽量化を図ると大した重量と体積増加になりません。

 製作は机の上で作業ができ調整も室内で出来るのが430Mhzの良いところHFアンテナだとこうはいきません。

 製作はアルミパイプをパイプカッターで切りエレメント固定のクリップを取り付ける。問題は給電部です。如何に機械的に丈夫で最短で高周波電流を流すか?そして分解が容易な構造にするかです。

 

 1)エレメントのアルミパイプを寸法に切り出す。1/2長センターに印を付けておく

 輻射器326mm 反射器350mm 導波器284mm

 2)給電部の製作 アクリル(当方は5mmポリカーボネートを使用したがプラスチックでも木の板でも?OK)を現物位置関係が収まるよう切り穴あけする。

 

この給電部の製作が一番手間かもしれません。電気的に合理的な接続であれば問題ないので工夫のしどころです。コネクターは取り付けスペースの関係でBNCを使いました。給電ロッドには3mmΦの銅線を使いましたがこれはトリマーコンデンサー(10-15PF)とハンダ付けする為ハンダが付く素材である必要があります。トリマーコンデンサーは手持ちの関係で耐圧の大きな物を使いましたが5W程度までなら小型のエアトリマーでOK。

給電ロッドの保持にスペーサーを取りつけエポキシで固定しました。他の方法でも問題ありません。輻射器(ラジエーター)中心との間隔は20mmです。

給電ロッドの長さは100mm、コンデンサーから80mm位の所でショートバーで短絡固定します。調整はSWR計を見ながらトリマーコンデンサーを回し最低になるようにするだけです。万一トラフ値が上手く出ないようならショートバー位置を動かして再度トリマーバリコンを調整します。

ショートバーは0.8mmT~1mmTアルミ板を一度給電エレメントに巻きつけ型を付けてから半分に切ります。給電ロッド側を少し曲げておくと上手くスライドします。

給電部のブームへの固定  輻射器センター位置に3mmビスで固定しナットから出た部分をブームの穴に入れ半固定し他方にタップを切り4mmビスで脱着分解出来る様にしました。タップが無ければブームの穴を貫通させ蝶ナットとボルト止めでも同じです。

導波器、反射器固定用クリップ取りつけ  クリップは100円ショップで入手出来る一番小さなサイズ。ブームエンドは少し長く残して手で持ったり三脚にマジックテープで固定できる様にしておきます。

トレッキングポールに固定できるようU字クランプを取りつけました。ロープとペグでトレッキングポールを自立させアンテナを固定します。

広帯域な特性を期待して輻射器エレメントは一回り太い8mmΦを使いましが6mmΦでも調整は取れ問題ないと思います。

調整はバリコンを回しただけで431.5Mhz SWR2.1

                    432.5mhz     1.7

                    433.5Mhz     1.2

                       ・

                       ・

                    435.5Mhz     1.1

                       ・

                    438.5Mhz     1.1

 

 期待とおりの広帯域特性でした。 ダイポールとの電界強度比較、パターン測定は省略しました。目標はホイップ以上。。。。。(笑   屋外で使用した感じは良好で普段アンテナ位置の関係でアクセスできないリピーターもアクセス良好。これはビームを振って反射波と思われる建物に向けた結果です。サイドの切れも上々でした。理論値ではゲイン5dB前後です。

 S7の信号もサイドではS0になるのは山での運用に威力を発揮するでしょう。小型ながらビームアンテナの特性を十分持っています。

エレメント径、ガンママッチロッド系や間隔、配線など数mm異なるだけでアンテナの特性は変化しますが広範囲な調整能力をガンママッチが対応してくれますので再現性は良いと考えます。八木アンテナの複雑な動作原理で各部寸法のゲイン最高値がFB比やSWR最良値となりません。エレメント間隔や長さを変える事で沢山の異なった結果が得られます。これが八木アンテナの自作の難しさと言われているところですが私的には実用で便利ならそこそこにです。

 改良点 トリマーコンデンサーはタイト製で重量もありむき出し、防水性は皆無です。ココは調整実験後固定コンデンサーに置き換え微調整はショートバーで行うようにした方が良いでしょうバリコンは8割方入った位置で調整がとれているので10PF程度でしょうか。メーカー製の八木アンテナでは給電ロッドが中空で中を同軸芯線を移動させ静電容量としている物があります。

電気的等価性を守れば作り方は全く自由で工夫とアイディアが生かせる楽しい領域です。

 山岳移動用とは名うったものの山に登らず道具ばかり集める。。。アンテナや機器製作ばかりやって無線やらない家。。。。 作る楽しみなんですけどね^^