2012年10月08日 横須賀から2012年海上自衛隊観艦式に行ってきました。
受付は7：20までなので未明の始発で。。まだ暗いうちに出かけるのは何年ぶりだろう？海上自衛隊の観艦式は3年に一度、乗艦できる数も限られているので極めてチャンスは少ない。今回はまことに幸運だった＾＾
乗艦した艦はたかなみ型2番艦 ＤＤ 111おおなみ。平成15年に就役した艦で未だ新しさが感じられイージス艦登場までは最新鋭の装備だった。ソマリア沖海賊対処にも出動した艦です。3兄弟が仲良く並んでいました。 マスト先端にはＴＡＣＡＮアンテナ・戦術航法機器で洋上での航空機の誘導を行います。水上・対空などの各レーダーアンテナが見えます。
水上艦は殆ど門外漢なので目が行くところは装備や航空展示でした。
0810横須賀新港を出航、相模湾の江ノ島沖、大島との中間点での観閲・訓練展示に向け静かに航行します。
艦尾フライトデッキには見慣れぬ装備がありました。着艦支援装置（着艦拘束装置・通称ＲＡＳＴ） 洋上の荒天時に艦は上下左右に相当揺れ風の影響でヘリの姿勢維持も難しいのでヘリの着艦は極めて高度な技術を要します。そのような時艦からワイヤーを出してヘリに取り付け巻きつけ引き付けてヘリのメインブローブをロックします。米軍呼称はリカバリーアシストランディングでテザードランディングは海上自衛隊独自の呼称の様です。 このランディングポイントにヘリを誘導する為艦尾格納庫上にはインディケーターディスプレイと艦の速度、方向をコントロールする半埋没式のコントロールポッドがあります。
ガスタービンエンジンはとても振動が少なくジェットエンジンに近い構造はやはり”キーンっ”という音がする。快晴で速度が遅いせいもあるが本当に静かだ。。。まるで高級車に載ってる様な感じがします。但し演習などとなれば30ｋｔ（55ｋｍ/ｈ）以上の最大戦速で航行、機動転回などのた打ち回る事になるのはちょっと想像できない。。
ガスタービンエンジンは2基ｘ2 同様の煙突がもう一つあります。通常はエンジン2基で最大速度ではさらに2基出力合成する。煙突は熱探知を防ぐ為にシールドカバーで覆われる。上部スリット間に見える下向きのノズルは海水を霧状に放出するもので甲板から上の設備にはいたるところに配置され艦を霧状の水で包む。主に火災や放射能を洗い流す為に使われる。
ＣＩＷＳ ＭＫ-15ファランクス 近接対空防御兵器。20ｍｍ弾の弾幕をはりミサイルや航空機を打ち落とすもの。過去日米合同演習ではデコイを曳航したＥＡ6Ｂ機を打ち落とした実績？を持つ優れものだ？
HOS-302 3連装短魚雷発射管 現代では対水上艦用だろう
衛星通信用ＣＯＭＳＡＴアンテナレドーム
NOLQ-3統合電子戦装置 電子妨害部 現代は電子戦なくして戦いなしと言われ電子戦の中核をなす装置。レーダーへのジャミング、誘導ミサイルへの妨害、自ミサイル照準などを行います。
90式ＳＳＭランチャー 対艦ミサイル ハープーンの国産改良版 三菱製でハープーンと互換では無く僅かにサイズが大きいらしい。空対空国産ミサイルもそうだが時期ＦＸ Ｆ-35への搭載が問題となっている。アメリカ製を買ったほうが改修より安いと。。。
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艦隊が平行 交差 すれ違う 観閲機動を終えて訓練展示となった
演習のようなどんぱちは無く ＩＲフレア放出、祝砲、対潜爆弾位で陸自総合火器演習とは比べようも無く上品で穏やか。。。。
海自航空機のほか陸自へりや空自Ｆ-15 Ｆ2等のフライバイがあった
Ｐ3Ｃによる150Ｋｇ対潜爆弾投下展示 高度200ｆｔで等間隔で8発落としていく。。ボンベイドアが開いているのが見える。Ｐ3Ｃは旅客機として開発されたエレクトラが原型で4発プロペラ機ながら最大速度は395ｋｔに達する。優秀な機体と優れた電子機器を搭載し長年使用されたが国産4発ジェット対潜哨戒機Ｐ1にその座を譲る運命にある。日本の100機を越える運用機数は世界に展開するアメリカの200機程度を考えるととてつも無く多いことが分る。海洋国日本の海の番人。
点火深度が深目なのか水柱は控えめで艦上は風が強く衝撃波も無い。潜水艦に直撃は理想だが目的は爆発による衝撃波で艦体外廓にダメージを与え機能を失わせる事にある。対潜ロケット等よりは遥かに安価。因みに爆発後は付近に沢山の魚が気絶状態で浮くそうである＾＾
Ｐ3ＣによるＩＲチャフ投下 赤外線追尾ミサイルをかわす為にエンジン排気熱より大きな熱源を放出する。
ＵＳ-2（ＵＳ-1Ａ改）救難飛行艇 製造は新明和工業だが二式大艇から脈々と受け継がれる中島飛行機の血脈を感じさせる飛行機で離水速度は驚異的で50ｋｔ。。それよりも荒天着水能力は際立って優れている。三沢基地からハワイに向け飛んでいたＦ-16がエンジントラブルでパイロットはベイルアウト。日本沿岸から1000ｋｍ以上はなれた洋上でパイロットを救出した出来事は全米メディアを沸かした。この低速超低空飛行のあとタッチアンドゴーをしたらしいが乗艦の位置からは見えなかった。
観艦式は観閲艦旗艦 くらま に良く見えるよう配置される為、後方や二列目の艦船に乗ると一部見えない。
当日のＧＰＳによる航跡 見事に方位270 90
8010出航 1620接岸 分単位で刻まれるスケージュールは極めて正確に行われる。
自衛隊に関しては賛否もあろう しかし自分の身に置き換えると理解しやすい。外出する時ドアに鍵をかけるのは何故？ 国際社会と言う町内会に空き巣や無法者893な家があって隙あらば難癖はつける暴力をふるうかつあげする。。垣根を越えて庭に入り込みここは俺の土地だったから出て行けという。。。。 庭に優秀な警備が四六時中警備していたら空き巣も893な者も簡単には入ってこれないだろう。国を守る能力があると知らしめる事こそ戦いや争いを起さない方法のひとつだと信じている。
現代戦においては海上で砲を打ち合う等は存在しないだろう。高度な電子情報収集力と誘導兵器の優劣が明暗を分ける。。実際の攻撃を始めなくてもレーダーによるロックオンや電子かく乱で次は本物が飛んでくるという十分な警告となりうる。。使わない為にこそ優秀な兵器の保持が必要である事はもはや世界の趨勢。非武装・無抵抗主義が必ずしも平和な秩序と外敵からの侵略から守られたかといえばチベットに例を見るまでもなく歴史上明らかな事である。
戦わない軍隊、銃を持った張子の虎と国際社会では揶揄される自衛隊であるがそれはひとえにシビリアンコントロールの判断の不味さである事も知られている。成熟した政治と成熟した国民性こそが国を守る最大の力となろう。
