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夢の続き・・・

法政大学ラグビー部・旅行・犬・自然を
こよなく愛し、ささやくブログ

グローブ

2010年08月19日 20時06分54秒 | ノスタルジア
ここの所忘れていたことが何の前触れもなく、突然思い出すことがある。
幸い笑えるような内容だから今のところは良いが、忘れたいような事ならば最悪の傾向だ。

さて、今となっては笑い話になるが、当時の少年の心としてはかなりショックだった事があった
あれは小生が低学年(小学校1、2年生くらいか)の頃じゃった。

当時は、プロ野球、とりわけ巨人が関東ではゴールデンタイムで放送されていて、今と違い、まだかなり人気があった。

それもこれもONといった大スターが下地を作ってくれたからであろう。
小生の時は、もうONは選手ではなく監督となり、これほど強烈なスターはいないが、当時のスターといえば、原選手。即ち現在の巨人軍の原監督であろうか?

まわりの友達もみんな野球の影響を受け、遊びは野球が多かったこともあり、当時の子供は必然的に野球に引き込まれていった。

小生も同じであった。そして友達がバットやグローブなど野球道具を持ち始めると、小生も欲しくなる。
ただ、小生の場合、家庭的な問題があった。
それは、経済的といったことではない。親父が怖かったからだ。

昭和初期の家長制度の家のようで、星一徹なみの迫力があり、グローブが欲しいなんていうと怒られると思い、言い出せなかったのだ。
因みに親父は柔道家。今のスポーツの柔道ではなく、明治から伝わる柔術の流れもあるような柔道を修得【親父は父(小生にとっては祖父)から修得したらしい】していた。
故に親父 強い。 絶対!!であったのだ

しかし、周りの友達も道具を持ち始め、持ってないと仲間に入れない。
少年(小生)は追い詰められていた

もはや親父が怖いなんて言っていられない。
意を決して、怖さで目に一杯に涙を貯めながら少年は父に買って欲しいと頼んだ。
「グローブを買って欲しい・・(恐怖から涙)」
叱られることを覚悟の上で精一杯の勇気を振り絞って頼んだ。

そしたら、意外や意外、親父は喜んで「分かった」といって頭をなでてくれた。
少年は恐怖から解放された喜びと、念願の野球グローブが手に入ることを喜び、明日を待った。そして待望のグローブをもらえる時が来た。
でも何故か、袋から透けて見える形状が変!!
そして親父から手渡された2つ??のグローブに体が石になった。
グローブであることに間違いはないが、ボクシングのグローブだったのだ!!
何という大ボケ

うちの親父 大の格闘技好き。とりわけボクシングが大好き。
白井義男さん、ファイティング原田さん、大場政夫さんといった名チャンピオンを
生で見てきた世代。そのボクシングに息子が興味を示したと勘違いして喜んだのだ。

今更野球グローブが欲しかったなんていえない。少年 目に涙一杯ためて、父に礼を言い、そのグローブをもって部屋に戻った。
ショックだった。
また友達の仲間に入れない・・・。
少年は部屋に入り、親父に気付かれないように泣いた。

それから数日後、何故か野球グローブが勉強机の上においてあった。
当時は分からなかったが、今思うと母親からの口添えがあったと思われる。

いずれにせよ嬉しかった
本当に嬉しかった。
この感謝  親に感謝したもっとも古い記憶だ。

あれは暑い夏の日の事じゃった・・

母親を欺くために!!

2010年08月19日 12時46分00秒 | ノスタルジア
先日、山梨県立博物館で「懐かしの昭和展」という催し物を見たっこともあり、
忘れていた記憶が頭のタンスの中からこぼれてきて、思い出した記憶がまだある。
誰もがそうであると思うが、人は親と数え切れない騙しあいをして大人になる。
これは、母親との名勝負の記憶じゃ!!

小生 小学校低学年(2年か3年くらい)の頃じゃった。
小生が小学生の頃、山梨県では結構養蚕が盛んじゃった!!
よって、桑畑といった畑が結構あった(今は全くといっていいほどない)。
この桑の木は甘い実をつける。
葡萄のような黒い色で、小さな実だ。当時の子供達にとってはたまらないフルーツであった。
ただ、この桑の実、一つ欠点がある。
それは桑の実の汁だ。
顔につくと紫色になり、よく洗わないと取れないことと、服につくと当時の洗剤ではとるのに苦労する。よってどこの母親にとっても洗濯する上で警戒する実であったことは間違いない。

本当か嘘かわからないが、ある時母親は小生にある事件を例にだし、桑の実を食べに桑畑に近づかないよう強く言い聞かせた。
「ある女の小学生の子が桑畑で桑の実を食べていたら、知らないおじさんが来て、その子を誘拐し、殺してしまった。
だからお前もそうなってはいけないから、桑の実を食べに決して桑畑に近づいてはいけない・・・」と迫ったのだった。

今思えば、服を汚さないために仕組んだ親の嘘だったとも思うが、当時の小生には桑畑に悪いオヤジがいると思い、怖かったのを覚えている。
母親の術中に見事にハマッたのだ。

しかし、そこは小学生。実に単純で浅はか。
目の前にあれば食べたくなる。
理性が利かず抑えられない。
母親にバレなければいい。小生こっそり畑に入り食べまくり、何事もなかったように家に帰った。

何故か母親の張り手が飛ぶ!!

その時、母親が怖かったのは勿論だが、同時に一つの疑問が頭をよぎった。「何故バレたのか??」
答えは簡単。服に桑の実の汁が飛び散っていたのだ。
「恐るべし 母ちゃん!!」と幼い小生は思った。(どこがじゃ!!)

そしてまた後日。
誘惑の実が小生を誘う。小生が悪いのではない。桑の実が悪いのだ!!

「バレたらまた張り手が飛ぶ。こうなったら完全犯罪しかない」幼い小生は強い覚悟を持った。汗が額をつたわる・・・

そして予め上着を脱いで、桑の実の汁が服に着かないようにし、
食べ終わるとまた服を着て、掌を川で洗い、何事もなかったように家に帰った。
「今度は完璧だ。母ちゃんを欺ける!!」小生には自信があった。
が、またしても母親の張り手が飛んだ。

「何故じゃ!! 僕は食べていない」と無実を訴えた。
すると母親は鏡を前にだした。

鏡に写しだされた小生の顔の口のまわりには、紫の汁がべっとりついていて、一目瞭然じゃった。
「負けた・・」小生の完全敗北じゃった。涙がこぼれ落ちる。

三国志で、諸葛亮に何度も挑み、遂に欺くことが出来なかった周瑜の気持ちがよく分かる(そんな大したことでは・・・)




あれは暑い夏の日の事じゃった!!