羽花山人日記

徒然なるままに

家庭菜園

2021-04-08 16:52:19 | 日記

家庭菜園を始めるにあたって心がけようとしたことは,石油製品はなるべく使わないようにということだった。耕起,畝立,除草などはすべて動力は使わず手作業で行ってきた。今日は,堆肥の鋤きこみを行った。耕耘機なら10分で終わるところを2時間かけた。エクササイズと考えることにしている。ナスなどの果菜類,枝豆などの豆類を作る予定である。

農学部に進学して受けた食用作物の授業で,戸苅教授が冒頭に,食用作物は人間と共生する植物であると定義された。この言葉はずっと頭に残っている。地球上の生けとし生きるものすべて人間と共生している。しかし,人間と作物は極めて強い相利共生の関係にある。人間が食用作物のおかげを被っているのは言うまでもないが,作物はその存在をほぼ完全に人間に委ねている。脱粒性を失ったトウモロコシは,人間が収穫・播種しなければ一代で消滅しかねない。教授の定義を後で反芻して理解した。

わたしの指導教官だった松尾教授は,稲作に関する本を出版した時,篤農家について「稲語り」と序文に書いたところ,編集者が勝手に「稲語り」と書き直してしまい,ずいぶん憤慨されていた。作物に語りかけるということを,その時認識した。

ずいぶん前に,読売新聞が主催する,「米作日本一」という米の単収を競い合う企画があった。わたしの生まれた村の隣村で,二人続けて日本一が出た。農業改良普及員だった義兄に紹介してもらって,二人から話を聞いた。Aさんは「稲に米を作ってもらう」,Bさんは「稲に米を作らせる」という論調で,それぞれ話された。Aさんの論調にシンパシーを覚えた。

猫の額のような畑だが,作物を育て,対話を試み,収穫物をもたらしてもらおう。

ジャガイモの芽が出そろった。遅霜が来ないといいが。

 

 

コメント (3)
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