羽花山人日記

徒然なるままに

アガサ・クリスティー再び

2021-01-25 20:42:08 | 日記

わたしがブログに書いたアガサ・クリスティーについての記事に寄せて,友人の一人がメールをくれた。その中に,好きな作品の一つとして,”Towards Zero”が挙げられていた。調べてみると,邦訳が『ゼロ時間へ』という題名で早川書房のクリスティー文庫に収録されていて,町の図書館の蔵書にあることが分かったので借りてきた。

今日は業者が台所と浴室のクリーニングに来て,コロナ除けにと窓を開けっ放しにしていたので,厚着して部屋の隅に縮こまり,クリスティーに没頭した。

わたしは,ポアロ,マープル,タペンス夫妻以外が探偵役のものはあまり読んでおらず,バトル警視が登場する作品はこれが初めてである。海辺の断崖を望む館に住む,資産家で未婚の老婦人の殺害事件である。「世の中で最も罪深いのは,推理小説を後ろから読むことである。」という,アルフレッド・ヒッチコックの名言に従って,結末やそれを示唆することはここには書かないが,二転,三転の展開は飽きさせず,一気に読んだ。エルキュール・ポアロが,実在の人物として小説の中で言及されるのが面白い。

クリスティーの小説には隙がない。結末の謎解きを試みるならば,文の隅々まで目を光らせる必要がある。今回は最後の最後で背負い投げを食らった。

何年振りかで,クリスティーの謎解きに挑戦し,少し若返った気がした。やっぱりアガサはすごい。

コメント (5)
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