羽花山人日記

徒然なるままに

コロナウイルスとの共生

2021-01-15 21:11:33 | 日記

今日の朝日新聞朝刊13面に,「新型コロナ 感染症と生きるには」と題して,長崎大熱帯医学研究所教授 山本太郎氏へのインタビュー記事が掲載されている。かねてから,この方のコメントはわたしの感覚と波長が合うように思っていたが,今日の発言も示唆に富んでいた。

氏は,今の感染対策において,「何をめざすのか,いまどこにいるのか,ロードマップ」が示されていない点が不足していることを,まず指摘する。氏のいう目指すところとは,社会経済と両立する集団免疫によるウイルスとの共生である。ここに至る過程には,社会経済的あるいは防疫的な措置の「大きな物語」のほかに,もう一つ個別の死に関わる「小さな物語」が存在する,という。そして,ウイルスとの共生が望ましくてもそのために命が失われてよいということではなく,「小さな物語」に寄り添って「大きな物語」を進めていかなければならないと指摘している。さらに氏は,「パンデミックに倒すべき相手はいない。闘うのではなく,ウイルスを社会に取り込んでいくという感覚が必要」であるという。

集団免疫によるウイルスとの共生には,ワクチンや治療薬の開発が大きな要因となるだろう。前者はようやく緒についたところであり,後者についてはいまだ展望が見えていない。私自身は,山本氏のいうロードマップにおいて,ひたすらウイルスを避ける以外に,当分の間身の処し方はない。茨城県知事は,県独自の緊急事態宣言を発動した。ひっそりとその動向を見守ろう。

コメント (4)
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