スプラウト 会計のはなし、日々のはなし

名古屋市千種区の税理士法人スプラウトの税理士/社労士/CFP®が綴る日々の様々なこと。

シアターとなでしこ

2011-07-19 17:31:30 | Weblog
「シアター!(有川浩著)」
を読みました。

このブログで
紹介する本はほとんど
ビジネス系のものですが

今回は初めて普通の小説です。


シアター!という名前だけあって
小さな劇団の物語ですが

劇団の世界は
(有名なところは別として)
ビジネスとして
なかなか成り立っていないことが多く

劇団員はアルバイトなどをしながら
演劇を続けているような状態です。


この「シアター!」のあらすじは

ある小規模な
劇団を主宰している弟から
赤字を補てんするために
300万円お金を貸してほしいと
泣きつかれたサラリーマンの兄が

300万円貸す代わりに
2年間で貸したお金の返済ができなければ
劇団を解散しろ、という条件を出します。

どんぶり勘定の劇団経営から
経営感覚に優れる兄の指示により様々な
ところを見直すことで

赤字垂れ流しからの
脱却を図るというストーリーです。

出てくる登場人物が個性的で
いきいきと描かれているのも
この小説のおもしろいところですが

私は
商売として
成り立たせることが構造的に
難しいと思われる劇団を

どのように採算ベースに
のせるのかといった部分が
仕事柄
非常に興味深く読めました。


まず、客席が無駄なく埋まるように
集客するためにはどうしたらよいのか?

チケット代以外の収入の確保の方法は
ないか?

運営にかかるコストをできるだけ
抑えるにはどうしたらよいか?

など、いろいろ勉強になりました。


ただ、どんなに工夫しても
劇団員がプロとして食っていけるほど
稼ぐには相当ハードルは高そうですね。


そういえば
今回女子W杯で優勝した
なでしこジャパンも同じように

ほとんどの選手は
他に仕事をしながらサッカーを
続けています。

もう少し
努力が報われるような環境に
なってほしいですね。

せっかくの優れたコンテンツでも
ビジネスとしてうまくやっていけるかどうかは
また別問題なので仕方がないのかもしれませんが

何とかうまくいく方法はないのでしょうか?