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煌言46~不可能から見える

2016年03月24日 | 読書
☆(野口芳宏先生に学んだ)四年間で私の得たたった一つの結論は、実は次であった。
 野口芳宏先生の真似は、一生涯不可能である。

 堀裕嗣『学級経営力を高める 感化主義の提唱』(明治図書)


 初出は確か「国語教育」誌だったと記憶している。
 この一節を読んだ時、ちょっとショックを受けたことを覚えている。
 野口先生に憧れ、その手法を真似てきた者は私だけではないだろうが、同様に思った実践家もいたのではないか。
 野口芳宏先生との距離を縮めたいと願って頑張ってきたことが否定されたような印象を受けたからだろう。

 しかしここで堀氏が述べたいのは、自己キャラクター分析に基づく、自覚的な授業技術の追試なのである。
 そこでは、授業技術そのものを細かく区分し、その適用の効果を微視的に分析し、かつ巨視的にとらえる目を持つ重要性を強調している。
 その意味では、この文章に驚いてからの自分を、支えてくれた一節でもあると思っている。

2 コメント

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いよいよ (堀裕嗣)
2016-03-30 21:48:03
いよいよこの時期が来てしまいましたね。感慨も一入と思います。でも、沼澤先生の投稿を読んでいると、公務は定年退職されても、研究は今後も続くのではないかと感じます。公務から離れるからこそ見えてくるものというのがあるのかもしれないな…と。終わりを意識するからこそ深まるものというのが、ここ数年の沼澤先生の投稿にはひしひしと感じられました。うまく言えませんが、そういうことを伝えたくてコメントしました。
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感謝です (spring)
2016-03-31 05:44:32
お忙しいところ、駄文ブログに目を通してくださり、感謝しています。先生との出合いもまた、凡庸な教師にとっては忘れられない貴重な一こまでありました。拙宅での四方山話も忘れられません。
後ろ髪を引かれる気にさせられるコメントは辛いです(笑)また違うフィールドでお目にかかる機会があったら、これまた人生楽しいものだなと思ってしまうでしょうね。ありがとうございました。
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