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雨を覚悟の、今年も花火

2015年08月23日 | 雑記帳
 今年はなんと、最前列の桟敷席で見られることになった。大曲の花火である。知り合いが世話してくれるというので、今年は自分で申し込まなかった。届けられたチケットを確かめると、1ブロックという表記、しかも一番前である。これで天気さえ良ければ…と浮き浮き気分で待った当日の朝は、強い雨降りだった。


 空を気にしつつも「降ったら降ったでそれも一興」と午後から大曲へ向かう。駐車後、花火大橋を渡って会場へ。もう既に雨武装をして長靴を履いている人もいる。杖をつきながら一人でとぼとぼ歩く高齢者、車椅子の方…ここまでして集まる魅力とは何か。混雑の道を向かう個の心が描く風景が少し見える気がする。


 桟敷にもう少しで着く前、長い列のなかで昼花火が始まった。まあ、これはそんなに重要視していないが、曇り空ゆえに光る度合いは結構いいではないか。席に陣取るとポツリポツリと落ちてきた。それでも合羽を着ればそんなに気にならない。昼花火が終わった途端に、少し強く振り出し、一斉に傘の花が開いた。


 それも5分ほどだったか。あとはすっかり上がり、夜花火開始時刻は絶好の状態だったと思う。花火を文章で表現できるほどの筆力はないが、花火と自分の間にあるのは川と川辺だけであり、今年もまた満喫できた。なんといっても提供花火の包み込まれるようなひと時…秒刻みで心が高揚していく感覚を味わえる。


 最近はマスコミなどにも花火師が取り上げられることが多い。大曲の上位入賞常連の一人、長野の青木煙火はこんなふうに語っている。「うちが年間に手作りする花火は大小3万発。でも、よくできたと心底納得できるのは1発あるかないか」これでもかと納得するまで作り続ける魂は、見る者に伝わっているはず。

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