すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

本番をたくましく生き抜け

2016年09月21日 | 雑記帳
 ぐっと涼しくなって、秋本番と呼びたい日が続いている。稲刈りも始まり、黄金色の田んぼが映える最も美しい風景が目を楽しませてくれるだろう。今年もぜひ何枚かいいショットを残しておきたい。山の収穫シーズンも始まるが、こちらはまだ早いようだ。2回足を運んだが、お目当ての茸にはまだ出合っていない。


 それにしても数か月ぶりに里山に入ると、自然の持つ逞しさに感心してしまう。生態系にはまったく疎いこともあるが、それが逆に新鮮さを与えてくれるのかもしれない。今頃になって小さく芽吹くように生えてきたり、保護色を上手にまとって姿を見せたり、生き抜いていく知恵だなあと突飛な連想も浮かんでくる。



 今年の祭典は、実母が亡くなったので控えることになった。祭典当日、結果的に都合がよかったことになるが、かつて受け持った子どもたちに誘われていて、いそいそと出かけた。かつて記した「ミツバチ教師」の時代に担任した世代である。子育てに忙しい2人が参加できなかったが、他の8人は顔を揃えてくれた。


 最後に受け持った子たちなので、思い入れは強い。しかしこちらの感覚はともかく、受け持ったのが低学年時だから、個々の記憶は頼りないのが普通であろう。それをなんと「退職祝い」という招待、記念品や寄せ書き等と気遣ってくれ、まさに至福の時であった。こんな宴をつくる若者に育ったことが何より嬉しい。


 発案者がいて、全員が賛同し、飲み食い以外に一人一人の話すコーナーなども準備している…小人数ならではのことかもしれないが、こんなふうに形づくれる大人になったことを喜びたい。自分のはたした役割など露ほどもない。顔を出してくれた親御さんに「親の教育が良かった」と素直な気持ちで感謝を述べた。


 今回の私自身のヒットは、保存していた「連絡帳」を見せたこと。当時の親と同じ三十代たちは、実に興味深そうに静寂に包まれて読み込んでいた。ともあれ、今が人生の本番。生まれ育った土地は同じでも個々の現在は様々だ。これから芽吹く者もいるはず。しっかりと根を伸ばし、たくましく生き抜いてほしい。

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