1日に静岡で行われた言語技術教育学会に参加した。
今回の大きな目玉は、児童対象の提案授業が行われることだ。
会場となった常葉学園大学の附属小学校4年生3クラスの子どもたちが3人の授業者の相手となった。
3人の提案授業および解説や感想などについて、簡単に所感を記しておきたい。
最初の深谷氏の授業。
学習シートに従って淡々と進んでいく、市毛方式の典型のような活動といえるだろう。シートに書かれた課題やまとめなど徹底して精読させていくことも特徴といえる。精読のわずかな乱れも見逃さず再度繰りかえすところに、この学習法の下地を見るような気がする。
作業を課して机間指導をして児童の意見を把握してから発表させたように思えた。しかし、協議でも問題となったまとめの段落の箇所で、誤答の子を指名した意図はわかりかねた。
二番目の鈴木氏の授業。
「写真」を読み取って、「主人公」の思いと写真の題名を考える授業である。
参観者からの感想や質疑応答では様々な意見・異論がでたが、教材としては実におもしろい発展性のある活動だと思った。授業者のねらいもはっきりしているし、展開も明快だった。
何より子どもの発言の受け止め方の「自然さ」に感心した。司会の向山氏から「(下むきがちな)視線」についての指摘があり、鈴木氏はそれを「癖かもしれない」と口にしたが、対応と関連する気もして、視線だけでなく口調や身体の動きまでもしかしたらそれを「よさ」と見てとることも可能かもしれない、と思えてきた。(我流と斬り捨てられる怖れもあるが…)
最後の谷氏。
進行者の授業開始の合図直後に発せられた「牛乳パック!」という声が、全てを物語るようだった。
圧倒的なテンポの良さ。子どもの発言に対する返しのユーモア。そして、主たる資料をスマートボードに提示していきながら、最後に紙資料に移すタイミング。こなれた授業構成に感服した。わずかに最後の場面でシート記入とノート記入が入り混じり若干混乱したような子も見受けられたが、全体的な集中はきれなかった。
牛乳パックという素材とスマートボード利用が見事にマッチしていた。
様々な感想、意見も楽しく聴けた。
「荒れた学級を受け持っているが、このやり方は難しい。こちらであれば一緒にやれる…」という声が会場からあった。確かに表面的にはそう見えるし、評価もできるが、どのレベルで「言語技術」を語るか視点を明確にしないと、単なるセクト主義的な発言になってしまうかもしれない。
また同行した一人から「深谷氏の、子どもを誉める声が多く気になった」という感想を聞いた。確かに定石的な励まし、力づけのようにも聞こえたが、初対面の小学生対象という場では妥当なのかもしれないと感じた。いや、それ以上に一つのマニュアルとしてそうした言葉かけを確実に行うという提案性もあるのでは…。そうしたレベルは新採用の増えてくる都市部では必須だろう、それ以上のレベルはまた別の設定で…などと、いろいろと思考が巡った。
つづく
今回の大きな目玉は、児童対象の提案授業が行われることだ。
会場となった常葉学園大学の附属小学校4年生3クラスの子どもたちが3人の授業者の相手となった。
3人の提案授業および解説や感想などについて、簡単に所感を記しておきたい。
最初の深谷氏の授業。
学習シートに従って淡々と進んでいく、市毛方式の典型のような活動といえるだろう。シートに書かれた課題やまとめなど徹底して精読させていくことも特徴といえる。精読のわずかな乱れも見逃さず再度繰りかえすところに、この学習法の下地を見るような気がする。
作業を課して机間指導をして児童の意見を把握してから発表させたように思えた。しかし、協議でも問題となったまとめの段落の箇所で、誤答の子を指名した意図はわかりかねた。
二番目の鈴木氏の授業。
「写真」を読み取って、「主人公」の思いと写真の題名を考える授業である。
参観者からの感想や質疑応答では様々な意見・異論がでたが、教材としては実におもしろい発展性のある活動だと思った。授業者のねらいもはっきりしているし、展開も明快だった。
何より子どもの発言の受け止め方の「自然さ」に感心した。司会の向山氏から「(下むきがちな)視線」についての指摘があり、鈴木氏はそれを「癖かもしれない」と口にしたが、対応と関連する気もして、視線だけでなく口調や身体の動きまでもしかしたらそれを「よさ」と見てとることも可能かもしれない、と思えてきた。(我流と斬り捨てられる怖れもあるが…)
最後の谷氏。
進行者の授業開始の合図直後に発せられた「牛乳パック!」という声が、全てを物語るようだった。
圧倒的なテンポの良さ。子どもの発言に対する返しのユーモア。そして、主たる資料をスマートボードに提示していきながら、最後に紙資料に移すタイミング。こなれた授業構成に感服した。わずかに最後の場面でシート記入とノート記入が入り混じり若干混乱したような子も見受けられたが、全体的な集中はきれなかった。
牛乳パックという素材とスマートボード利用が見事にマッチしていた。
様々な感想、意見も楽しく聴けた。
「荒れた学級を受け持っているが、このやり方は難しい。こちらであれば一緒にやれる…」という声が会場からあった。確かに表面的にはそう見えるし、評価もできるが、どのレベルで「言語技術」を語るか視点を明確にしないと、単なるセクト主義的な発言になってしまうかもしれない。
また同行した一人から「深谷氏の、子どもを誉める声が多く気になった」という感想を聞いた。確かに定石的な励まし、力づけのようにも聞こえたが、初対面の小学生対象という場では妥当なのかもしれないと感じた。いや、それ以上に一つのマニュアルとしてそうした言葉かけを確実に行うという提案性もあるのでは…。そうしたレベルは新採用の増えてくる都市部では必須だろう、それ以上のレベルはまた別の設定で…などと、いろいろと思考が巡った。
つづく
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