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黒幕に背中を見られている

2014年09月26日 | 雑記帳
 壁面に飾ってある横額の書が読めなくて、機会があったら詳しい方に訊きたいと思っていた。勤務校の元校長で、書家でもあるK先生からの電話があったので、渡りに船と訊ねてみたが、記憶が不確かであり、実際に見たいと来校してくださった。完全な草書体なので判読できずにいたものが解決して、ほっとした。


 「山澤健児舎」(実際は右→左へ書かれてある)。どういう意味なんでしょう?と訊ねると、「そのままじゃないか」という返答。つまり「山」があり「澤」があるところの「健児」が学ぶ「舎」ということなのだろうか。誰の筆によるものか…落款は「瓠堂」と記されてる。こっ、これはかの、安岡正篤ではないか。


 安岡正篤と言えば、政界や財界に強い影響力を与えた人物。一説には「昭和最大の黒幕」とも言われている。「平成」という年号は、彼の言葉がもとになっていると聞いた。そんな人物とこの学校がどうして関わりを持ったのか。それは、県内随一の山林を所有していたこの町の地主以外にはないだろう。歴史を感ずる。


 そういえば、20年前ここに務めたとき、その方の書があると教えられたことを思い出した。TVで「なんでも鑑定団」が流行っていた頃で、教材室を探した気もするが、結局定かではなかった記憶がある。もしそのとき見つけたらどうしていただろう。鑑定してもらっていたか。およそ「健児」らしくない振舞だが。


 安岡正篤といえば、うる覚えながら「指導人格」という言葉があったような気がした。検索してもぴたりと当てはまる文などは出てこない。確か「指導に絶対の理論というものはなく、あるのは指導する人格だ」といった文脈だったように思う。いずれ「人格」はキーワードだ。そんな横額の書に背中を見られている。

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