すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

いつでも人の笑顔を目ざしている

2017年05月23日 | 読書
 『それからは、スープのことばかり考えて暮らした』が素晴らしかったので、もう一つ紹介しておきたい。

 「仕事論」は数々ある。ビジネスリーダーが語るりっぱな言葉であってもいいが、常に「そこ」に立ち戻れるような一節を自分が抱えていることが大切だと思う。
 それは、案外やさしい言葉で語られている。

Volume51
 「店先で直接お客さんと顔を合わせていると、仕事というのは誰かのためにすることなのだと当たり前のことに思い至った。その『誰か』をできるだけ笑顔の方に近づけること――それが仕事の正体ではないか。どんな職種であれ、それが仕事と呼ばれるものであれば、それはいつでも人の笑顔を目ざしている。」



 サービス業、接客業は言うまでもないだろう。
 他の職種は、直接的でなくとも、また、たどり着く「笑顔」までの時間や距離が遠いものであっても、それは確かである気がする。

 逆に、笑顔を描けない状況を考えるとき、大きく二つイメージできる。
 一つは、自分だけの笑顔を考えている場合。
 もう一つは、人の笑顔に到る道筋を想像できない場合だ。

 明確に二つを分けることは難しいかもしれないが、後者に陥っている人は案外多いのではないか。

 技術や手法を磨くという職能に関することはもちろん必要だが、想像力を駆使することがより大切に思える。
 それは、様々な場にいる「誰か」の心を思いやることであり、目の前の仕事の向きを考えることと強く結びついている。

コメントを投稿