すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

仮想賢治に語りかけられて

2009年05月06日 | 雑記帳
 この連休中に出かけた隣県の小さなミュージアムで、こんな企画のコーナーがあった。

 ようこそケンジ!コンピュータがつむぐ賢治の世界

 「仮想賢治と童話で話そう」と添えられている。
 大学のロボット研究なのだろうか、等身大の賢治のロボットが(といっても顔だけの表情と声)童話を語り、対面している人間の表情を読み取りながら、少し反応してみせる、というものらしい。

 家族が呼び止められて説明を受けたが、結局私が最初の実験台になることに…。
 ケンジが語り始めたのは「注文の多い料理店」。
 なじみの話なので内容よりは、その声や表情に目がいってしまうわけだが、正直こんな声なのかなとか、ちょっと気持ち悪いなあと思ってしまう。それでもちょっと身構えて口元をゆるめてみると、「好感を持っている」というサインが出ているらしい。
 その表情などに慣れてきた頃には、「あっ、今不快が認識されました」などと係りの学生?さんが言う。するとケンジは目を閉じたり、少し声が弱まったりするようだ。

 なんだ、ロボットの機嫌とりかよ、と思ったりするわけだが、それもまた機械相手に大人気ない。デジカメの顔認識などを発展させていくと当然こうした技術に結びつくのだろう。声、言葉による認識はほぼ完成していて、次の段階がこれなのかなと想像する。

 ケンジが「人の気持ち」を様々な反応によって読み取れるようになるのが究極の目標だろうが、そこまでいくのはまだまだ遠い道だ。肝心の人間の受けとめ方だって弱まっているしね。

 それにしても、どこまでも隣県岩手の主役はケンジだなと思う

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