すぷりんぐぶろぐ

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去り際の背中に

2008年04月24日 | 読書
 生徒や部下が自分の背中を見ていることに自覚的な人は、あまり多くないと思う。同じように、授業や会議でどんな立派な言葉を並べても、去り際の背中にそれが見られなければ、結局は何の説得力もないことになる。
 山辻哲雄『早朝座禅』(祥伝社新書)

 言葉や面と向かっての表情の重要性は言うまでもないことだが、それらを凌駕するのは背中である。
 ここに「思いの強さ」という精神論の局地がある。

 批判的な言い回しで使ってきた精神論という言葉だが、なぜかずしんと重いのは、物事を自己中心に考えてきたことへの悔いかもしれない。
 きっと去り際の背中は軽いだろうなと思う。