さぁ、今こそ語ろう。K・H君伝説を。17

学生時代、いつもの様にK・Hから『一緒に帰ろう』とのお誘い。

今ならば即座に『イヤだ!』と断って、一人で帰る所だが、当時はまだまだK・Hの本質に気付いていなかった。

心の中では『イヤだなぁ』と思っていた事だけは間違い無いんだけどね。

断り切れず、一緒に帰る事になった物の、『自転車がパンクしているみたいだから、自転車屋に寄る』との事。

『あぁ、じゃあ、俺、先に帰るわ』とでも言って帰っていたらばあんなに不愉快な思いはしなくて済んだ筈なんだ。

『（自転車屋に）付き合って』と言われ、つい了承してしまったのが、そもそもの間違いだった。

ガッコ近くに有る、知らないちゃり屋に付き合わされた。

何をするでも無し、ちゃりに跨ったまま、店主がパンク検査を始めるのを眺める。どうやらパンクはしておらず、タイヤからエアが抜けていただけだった様だ。

タイヤにエアを注入し『はい、￥500円』と検査費用を要求する店主。そのまま要求された金額を大人しく払ったK・Hだったが、その態度がちゃり屋から離れるに連れ、徐々に豹変して行った。

K・H曰く、『パンク修理はしていないんだから、タダにするべきだ。』との独自理論。

をいをい、ちゃり屋の爺ィ様店主が、わざわざ手間を掛けてチューブを引き出し、パンクの有無を確認してるってーのにタダはねぇだろ? タダは。

大体、パンク修理よりは、パンクチェックの方の料金が安かった筈。それでもイチャモンを付けますかぁ。

呆れると共に、非常に不愉快な気分になった。ここ迄常識のない人物だったとは…。

今年も幸いな事に、お盆前後にK・Hからの電話は無かった。

迷惑だから、これからも電話を掛けて来るんじゃねぇぞ。

釣ったフグを自宅で刺身に、肝等も食べる。夫婦が意識不明の重体。

馬鹿だね、素人がフグを自宅で捌くなんて。しかも肝迄一緒に喰ったらしい。自殺行為としか思えない。

『長崎県は10日、フグを自宅で調理して食べた諫早市の夫婦が意識不明の重体となったと発表した。県生活衛生課によると、2人は9日18時半頃、夫（68）が自宅近くの橘湾で釣ったフグを刺し身にして、肝等も食べたという。約1時間後に妻（65）が口や手足のしびれを訴え、その後、夫も発症して共に市内の病院に運ばれた。フグの毒で全身がしびれ、呼吸が出来なくなったと見られる。県内では2001～08年、フグによる食中毒が22件起き、6人が亡くなったが、09年以降は発生していなかった。同課は「自宅で安易にフグを調理するのは絶対に避けて欲しい」と注意を呼び掛けている。』

忘れた頃になると、また新たな馬鹿が出てきやがる。

『フグ一匹に水一斗』って言葉が有る位だから、大量の水を使って綺麗に洗えば喰える様になると思っていたっぽいな。

しかし、流石に肝を喰ったらOUTだろう。テトロドキシンの洗礼を受けて、無事で済む訳が無いんだがなぁ。

随分と昔、泊り掛けで海の近辺の旅館で忘年会を行い、その翌日に海釣りに参加した。個人の釣果は対した事は無かったが、釣った魚は参加者全員で公平に分けた為、結構旨い魚を貰って来た。家人が捌いた石鯛の刺身は旨かったね。

分けて貰った魚の中にフグが有った。フグなんて恐ろしくて捌けないし、仮に喰って当たった日にゃ、世間のいい笑い者になってしまうってんで、そのまんま、庭に穴を掘って埋めたよ。

フグ、関西では鉄砲と呼ぶ。その名の由来、当たると死ぬから。

知らなかった、とは言わせない。