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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



日本代表 2対0 ペルー代表
(2007/3/24 横浜国際総合競技場)

試合全体を通して日本代表が負けるという気はしなかったが、かといって、快勝、完勝という内容にはほど遠かった。

欧州から召集された俊輔と高原が先発した日本代表は、中盤より後方でパスをまわしながら好機をうかがうものの、バイタルエリアへの進入が思うようにできなかった。俊輔と高原が入ったことによる不調和と、チームとしてまだまだ発展途中という2つの要因があると思うが、どちらかというと前者のほうが大きかったのではないか。

俊輔とともに攻撃的中盤だった遠藤や守備的中盤の阿部が、どこか遠慮がちにプレーをしていたように見えたし、高原、巻のフォワードとのコンビネーションもいまいちだった。前半、俊輔のフリーキックから巻のヘッドで先制したものの、ほかに印象に残ったシュートシーンはなかった。むしろ、中盤でのパス回しのなかでのイージーミスが目立った日本代表だった。

前半は、日本よりもペルーの方が賢いサッカーをしていた。「親善+アウェー」モードの試合らしく、守備を固めてカウンターというプランを実践していた。ただし、その守備は、徹底的にひいて守るのではなく、前線から日本選手をまるめこみ、パスミスを誘うような絶妙なバランスがあった。ペルーが勝ちを意識していたら、何度かあったカウンター攻撃で、もっと決定的なチャンスをつくっていたことだろう。

今回のペルーの選手の詳細はわからないが、どんな選手で構成しても、壁パスを連続してシュートゾーンに迫ったり、無理かと思うような場面でもドリブル突破したりと、ブラジルやアルゼンチンとはちがった「南米らしさ(=ペルーらしさ?)」を感じさせるのは、凄いことであり、素晴らしいことである。長いサッカーの歴史のなかで、培われてきた「スタイル」があるからこそ、なせることなのだろうと思う。

後半、高原が追加点を決めると、ペルーは一気にペースダウン。それに対して、日本は、阿部に代えて中村憲剛を投入。憲剛が入ったことで、横パスから縦への攻撃的なパスが増える。前半から何度も左サイドを上がっていた駒野に、単なるサイドチェンジではない、受けた後にチャンレンジしやすいパスが供給されるようになる。終盤、俊輔、高原らに代わって、家長、水野、藤本らのフレッシュなメンバーが入ると、日本の攻撃はさらにスピーディーになった。3点目を奪うことはできなかったが、可能性、将来性を感じさせる終わり方だった。

この試合の前に開かれていた「サロン2002のシンポジウム」のなかで、横浜F・マリノスの育成担当の池田氏が「日本のサッカーのスタイルは、明らかに『パスサッカー』『パスゲーム』へと向かいつつある」と言っていた。ペルーと戦った日本代表のサッカーは、まさしく「パスサッカー」だった。しかし、前半は「パスをつなぐためのパスサッカー」だったのに対して、後半は「ゴールを奪うためのパスサッカー」になっていた。

日本サッカーが向かっているスタイルとオシム監督が目指すサッカーのベクトルは合致している。やはり、課題は、海外でプレーする選手たちとの融合ということになる。

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