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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



FCソウル 0対1 水原
(2007/4/8 ソウルW杯スタジアム)


試合終了の笛が鳴ると、ピッチのほとんどの選手が、その場にへたり込んでしまった。まるで、優勝決定戦かと思うような壮絶な試合だった。特に、今季初の敗戦を喫したFCソウルの選手たちのダメージが大きかった。

Kリーグ(韓国プロサッカーリーグ)では、選手たちは、試合終了後に相手のサポーターに対しても挨拶するように指導されている(強制ではない)。勝利した水原の選手たちは、いち早く立ち上がり、センターラインからややホーム側に入ったところで、整列し、FCソウルのサポーターに向かって手をあげ、礼をしていた。しかし、FCソウルの選手たちは、敗戦のショックで、なかなか立ち上がれなかった。

また、試合後にFCソウルの関係者から聞いた話では、3月21日のカップ戦(4対1でFCソウルが逆転勝ち)の試合後の挨拶の際に、水原のサポーターから激しいブーイングをされていたことで、何人かの選手が挨拶することを拒んでいたという。

すると、ピッチの中に歩み進んだギュネス監督が、センターサークル付近に選手を集め円陣を組んで、こう言った。

「まだ試合は終わっていない。このスタジアムに来てくれた大観衆にきちんとあいさつをしないうちは、試合は終わったことにはならない」

「今日は負けてしまったが、君たちはまだ敗者になったわけではない。堂々とファンに感謝の気持ちを表せるのなら、この熱心な大勢のファンも君たちのプレーを認めてくれるはずだ。そうすることで、君たちは勝者になる資格を得られるのだ」

このことを聞いて、この日の敗戦と「ギュネスの言葉」は、FCソウルの将来にとって、勝つこと以上に価値があったかもしれないと思った。


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